『機』2005年9月号:響き合う共鳴盤 寺田光雄

前号   次号  社会思想史学会の創立から三十年近くになる。様々な専門分野の思想史研究者の学際的集まりとして結成されたが、長い間その学際性が有効に働いてこなかった。近年ようやくそれを有効に機能させようとする気運が生まれて […]

『機』2005年7・8月号:竹内浩三の楽書き詩集 よしだみどり

前号   次号 「戦争は悪の豪華版である」と竹内浩三は書いた。大人が頭で考えた戦争で、生命を失うのは若者、という不条理。人を殺すくらいなら自分が死んだ方がマシと悩んだ日々も多々あったであろう。自殺のマンガはその心理状態の […]

『機』2005年7・8月号:鶴見俊輔+金時鐘

前号   次号 辻井喬の「鏡としての金時鐘」 鶴見 辻井喬の文章で「鏡としての金時鐘」というのにとても感心したんですね。金時鐘の作品は、日本の一人の詩人が全力を挙げて論を展開した例がないというんですね。金時鐘の作品は我が […]

『機』2005年7・8月号:英国娘からの百通の恋文 伊丹政太郎

前号   次号 留学生たちの恋愛体験  明治の初め、海外の新知識をもとめて海を渡った日本人留学生の中には、異国の女性と恋愛関係をもった若者が大勢いる。恋が実をむすび国際結婚にゴールインした例もある。ロンドンに留学した山城 […]

『機』2005年7・8月号:「白ちゃん」へ捧げる歌 李広宏

前号   次号 岡部伊都子先生  私の友人で奈良の原さんが、一冊の童話を私に勧めてくれました。日本語も理解できますし、奈良のことも少々知っているつもりでしたので、何気なく読み始めたのですが、そのうち涙がポロポロこぼれてき […]

『機』2005年7・8月号

目次 前号   次号 『環』22号、今月刊行! 占領期再考――「占領」か「解放」か 御厨貴 竹内浩三の楽書き詩集 よしだみどり 境涯の詩 鶴見俊輔+金時鐘 英国娘からの百通の恋文 伊丹政太郎 「白ちゃん」へ捧げる歌 李広 […]

『機』2005年7・8月号:鉄道の先駆者、後藤新平 葛西敬之

前号   次号 鉄道院初代総裁  後藤新平は台湾総督府民政長官、満鉄総裁として白紙からの現地経営に辣腕を振るったが、鉄道院総裁としてもその手腕を発揮、国鉄経営の基礎を築いた。  第一次桂内閣の際、後藤は桂に鉄道国有化の断 […]

『機』2005年7・8月号:サンド、至上の恋愛小説 小倉和子

前号   次号  ジョルジュ・サンドが1837年、三十三歳で発表した『モープラ』は、著者――彼女のペンネームが示すように「青年作家」ということになっている――が友人とふたりで地元の名士ベルナール・モープラのもとを訪ね、す […]

『機』2005年7・8月号:石牟礼道子さんへ 大倉正之助

前号   次号 根を下ろした「水俣」  石牟礼道子さんに初めてお会いしたのは、確か十二年ほど前だったと思う。「満月の夜に狼のように鼓を打っている青年がいるらしい」という噂を聞きつけて、私が出演していた国立能楽堂に足を運ん […]

『機』2005年6月号

目次 前号   次号 『サルトルの世紀』、『世紀の恋人』、今月刊! 新たなサルトル像 澤田直 時代を駆け抜けた二人 門田眞知子 私は「Denker」と呼ばれたい 粕谷一希 音楽の「意味」の多層性 前島良雄 ゾラの現代性を […]

『機』2005年6月号:新たなサルトル像 澤田直

前号   次号 サルトル・リバイバル  ジャン=ポール・サルトルの生誕100年にあたる今年、フランスでは国立図書館(BNF)で開かれている大規模なサルトル展が多くの観客を集め、大小様々のシンポジウムが各地で開催され、満を […]

『機』2005年6月号:時代を駆け抜けた二人 門田眞知子

前号   次号 共に自由に生きた二人  サルトルとボーヴォワール。二十世紀のフランスにおいてこれほど話題になり、また話題にされねばならなかったカップルはいなかったと思う。行動する(アンガジェ)作家として歴史の渦中に果敢に […]