『機』2003年1月号:若き読者へ 杉原四郎

前号   次号  私がはじめて教壇に立ったのは敗戦直後。二十六歳の私が学生に一読を推めたのは、吉野源三郎の『君たちはどう生きるか』であった。本書に丸山眞男や鶴見俊輔が強い感銘をうけたことが、末尾に丸山が書いた回想にでてく […]

『機』2003年1月号:東アジアの思想家、河上肇 三田剛史

前号   次号 近代中国に最大の影響を与えた日本人思想家 河上肇との出会い  『貧乏物語』の作者として『岩波文庫解説目録』で見かけたのか、戦前期のマルクス経済学者として日本史の教科書でその名を覚えたのか、私が河上肇(一八 […]

『機』2003年1月号

目次 前号   次号 “近代”を最もラディカルに問うた偉大な思想家の死 追悼 イバン・イリイチ  ──世界各紙の追悼記事より── 「ゲヌス」と新しい身体史からみた民俗学の対象(抄録) B・ドゥーデン 『杉原四郎著作集』( […]

『機』2002年12月号

目次 前号   次号 EU統合が進行する中、今こそ「ヨーロッパ」を問う 一哲学者が語るヨーロッパ フィリップ・ラクー=ラバルト (聞き手)浅利誠 日中国交正常化三十周年記念出版 『時は流れて』好評発売中! 日中の未来が世 […]

『機』2002年12月号:「われ」の発見 鶴見和子

前号   次号 現実の「われ」を踏み越え、「われ」の根源に迫る「作家の現場」で語り合う! 貴縁によって  現代歌人の先端をきっておられる佐佐木幸綱さんと歌について対談したいという大それた望みをわたしはいだいた。幸綱さんは […]

『機』2002年12月号:世界文学空間とは 岩切正一郎

前号   次号 文学の〝世界システム〟の存在を初めて解析した『世界文学空間』今月刊行! 文学における信用の経済  だいぶ前のこと。パリから成田に向かう飛行機で、隣の席にいた象牙海岸の税官吏と世間話をしながら時を過ごした。 […]

『機』2002年12月号:アーレントの現代的意義 杉浦敏子

前号   次号 アーレント政治思想のエッセンスを明解に論じた格好の入門書! アーレント・ルネッサンス  ハンナ・アーレントはドイツ系ユダヤ人として一九〇六年ドイツ北部に生れ、ハイデガー、ヤスパースに学び気鋭の哲学者として […]

『機』2002年11月号:人類学の新たな挑戦 森山工

前号   次号 人類学の新たな展開を画す『同時代世界の人類学』11月刊行! フランス人類学の変貌  西欧近代に成立した学的体系としての人類学は、遠く隔たった、自分とは異なる人々の文化を専門的にあつかい、それを解釈・説明す […]

『機』2002年11月号:閑人侃々の語 一海知義

前号   次号 中国文学の碩学、最新随筆集『閑人侃語』11月刊行! 「侃々諤々」  侃侃諤諤(カンカンガクガク)という言葉がある。音の響きから、大声で論争しているように聞こえるが、そうではない。大声で騒ぎ立てるのは、喧喧 […]

『機』2002年11月号:日本思想の母胎 北沢方邦

前号   次号 津田左右吉、丸山眞男をはじめとする従来の日本思想を根底から覆す! 感性の知としての思想  近代科学はいたるところで破綻し、その限界を露呈しつつある。自然科学の根幹をなす数学が、自然現象の基本にある非線形性 […]