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エミール・ゾラ没100年記念出版
21世紀の今こそ読むべき
本邦初訳のゾラ作品を
一挙に集めた堂々のセレクション

ゾラ・セレクション
Emile ZOLA

(全11巻・別巻1)

責任編集・宮下志朗/小倉孝誠

四六変判上製
予頁 各400〜600頁
予価 各2800円〜3800円

Emile Zola

◆『ゾラ・セレクション』の特徴◆

1 ゾラの小説だけでなく文学評論、美術批評、ジャーナリスティックな著作、書簡集を収めた、本邦初の本格的なゾラ著作集です。
2 『居酒屋』『ナナ』といった定番をあえて外し、これまでまともに翻訳されたことのない作品を中心として、ゾラの知られざる側面をクローズアップしました。
3 各巻末に訳者による「解説」を付し、作品理解への便宜をはかっています。


Emile Zola
◆内容見本より◆  
〜本シリーズを知っていただくために

  エミール・ゾラ
  『ルーゴン・マッカール叢書』の構想ノート』
  より

  アナトール・フランス
  『人類の良心を体現』…ゾラ追悼演説より

  宮下志朗 『現在の日本を占うテクスト』

  小倉孝誠 『ゾラ 未踏の高峰』

  アラン・コルバン 『ゾラの挑戦』


◆各巻構成◆ 書名をクリックすると内容紹介をお読みいただけます
(タイトルは仮題です)

プレ企画 (2002年10月刊)
  いま、なぜゾラか
宮下志朗+小倉孝誠 編 2940円

第一巻
  初期名作集  Therese Raquin,etc.
宮下志朗 訳・解説 3780円

第二巻
  パリの胃袋  Le Ventre de Paris
朝比奈弘治 訳・解説 4410円

第三巻
  ムーレ神父のあやまち  La Faute de l'abbe Mouret
清水正和+倉智恒夫 訳・解説 3990円

第四巻
  愛の一ページ  Une Page d'amour
石井啓子 訳・解説 4410円

第五巻
  ボヌール・デ・ダム百貨店  Au Bonheur des dames
吉田典子 訳・解説 5040円

第六巻
  獣人  La Bete humaine
寺田光徳 訳・解説

第七巻
    L'Argent
野村正人 訳・解説 4410円

第八巻
  文学評論集
佐藤正年 訳・解説

第九巻
  美術評論集
三浦 篤 訳・解説

第十巻 (第1回配本/2002年11月刊)
  時代を読む 1870-1900
菅野賢治+小倉孝誠 編・構成 3360円

第十一巻
  書簡集
小倉孝誠 編訳・構成

別巻
  ゾラ・ハンドブック
宮下志朗+小倉孝誠 編

◆エミール・ゾラの業績◆ Emile Zola


【書評・紹介】

  • 「週刊読書人 7/2号」
  • 「文學界 04年5月号」
  • 「日経新聞」 2003/4/4 “芸文百話”欄
  • 「図書新聞」 2003/11/1号 “全集と私”欄
  • 「図書新聞」 2003/8/2号 “二〇〇三年上半期 読書アンケート”欄
  • 「しんぶん赤旗」 2003/6/23 “ほんだな”欄
  • 「中日・東京新聞」 2003/5/20 “追憶・異邦の文学”欄
  • 「朝日新聞」 2003/5/11 “書評”欄
  • 「西日本新聞」 2003/5/8 “文化”欄
  • 「読売新聞」 2003/5/4 “空想書店”欄
  • 「日刊ゲンダイ」 2003/4/17 “新刊読みどころ”欄
  • 「毎日新聞」 2003/4/6 “本と出会う─批評と紹介”欄
  • 「本とコンピュータ」 2003年春号 “「いまゾラの出版論から何を学ぶか」
  • 「東京新聞」(夕刊) 2003/2//1 “大波小波”欄
  • 「しんぶん赤旗」 2003/1/20 “書評”欄
  • 「毎日新聞」 2003/1/19 “ウィークリー文化 批評と表現”欄
  • 「朝日新聞」 2003/1/7 “文化総合”欄
  • 「週刊文春」 2002年12月19日号 “私の読書日記”欄
  • 「毎日新聞」 2002/12/8 “本と出会う─批評と紹介”欄
  • 「東京新聞」 2002/12/8 “出版情報”欄
  • 「週刊AERA」 2002年12月2日号 “文学”欄
  • 「読売新聞」 2002/11/24 “出版アラカルト”欄


  • 【藤原書店PR誌『機』2002年11月号より】

    いま明かされるゾラの全貌
      ──〈ゾラ・セレクション〉発刊に寄せて──
    宮下志朗

    暗雲立ちこめるいまこそ


     日本経済もなかなか立ち直りを見せないし、世界情勢もはっきりしない。新しい世紀に突入したはいいけれど、暗雲立ちこめて、なにやら視界不良の感がある。現代文明は、ひとつの壁にぶつかっているのではないのだろうか。――こんなふうに思っている人々も多いにちがいない。  そんなときは、まず足下を確かめてみるのが賢明だ。現代社会が誕生する時代にタイムスリップして、われわれが抱えている問題の根源を見定めるのである。この際、イギリスならばディケンズ、フランスならばゾラといった、社会に対するパノラミックな視点を与えてくれる作品を、じっくりと腰をすえて読んでみたらどうであろうか……。

    『ルーゴン・マッカール』叢書の野望

     十九世紀後半、商工業が発展し、都市化が進行し、情報化の時代が幕をあけたパリの街にあって、時代とともに歩んだ作家、それがエミール・ゾラ(一八四〇―一九〇二)だ。では、代表作『ルーゴン・マッカール叢書』全二十巻の仕掛けをごぞんじだろうか。それは南仏でアデライード・フークが、ふたりの男との間にもうけた子や孫たちの運命をめぐるダイナミックな物語の連載である。主人公たちは、各巻で、実業家・芸術家から、労働者・農民、はては娼婦へと、さまざまに枝分かれしていって、彼らの視点から物語が描かれるから、彼らの生きざまを追いかけているうちに、読者の脳裏にはおのずと、近代産業社会の全体像が、その矛盾とともに立ち現れるという仕組みなのである。この巨大なフレスコ画は、なんとも野心にみちた試みなのだ。

    資本主義社会を占う最高のテキスト


     とりわけ、近代都市にうごめく物欲は、ゾラが偏愛した主題であった。バブルや地上げが描かれた『獲物の分け前』の主役サッカールは、『金』にも再登場して、証券取引所を舞台に株価操作やインサイダー取引を演じてみせる。一方、ブランド品に憧れ、バーゲンセールに殺到するという、大衆消費社会における女性のショッピング嗜好だって、『ボヌール・デ・ダム百貨店』というデパート小説にみごとに結晶している。  ゾラを、文学史の無味乾燥な記述のなかに埋没させてはいけない。この上なくアクチュアリティにみちた、濃密な物語群は、さまざまの矛盾をかかえた高度資本主義社会を占うための、最高のテクストなのだから。

    知られざる傑作を清新な訳で

     そこでわれわれは、このたび、ゾラ没後百周年を期して〈ゾラ・セレクション〉を発刊する。文庫などで読める『居酒屋』『ナナ』といった定番は、あえて外し、その代わりに、『ボヌール・デ・ダム百貨店』『金』『パリの胃袋』といった、知られざる傑作を清新な訳でお届けしたい。いや、小説だけを選び抜いたわけではない。スキャンダルを巻き起こしたマネの《オランピア》の現代性を真っ先に賞賛したのは、若き日の美術批評家ゾラであったし、ドレフュス事件で、このユダヤ人擁護の論陣を張り、知識人としての使命をまっとうしたのは、晩年のゾラであったではないか。美の狩人としての、真実の人・正義の人としての、ゾラの文章も紹介する。かくしてエミール・ゾラの全貌が、初めて姿をあらわすのである。ぜひとも、お読みいただきたい。

    (みやした・しろう/東京大学教授)


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