2018年10月25日

竹下しづの女 理性と母性の俳人 1887-1951

『角川 俳句』2018年11月号

 本書は、明治から昭和への過渡期を生きた福岡の女性俳人・竹下しづの女の評伝である。坂本宮尾が十余年ぶりかけて完成させた力作で、淡々とした筆致の中に鋭い分析がのぞく。
(中略)
 あとがきに、資料集めがことのほか大変であったため、参考資料として活用できるように知り得た多くの情報を盛り込むことにしたとある。巻末には文献がわかりやすく整理してあり、その精緻さには頭が下がる。坂本もまた「真心の人」なのである。