9/8 毎日新聞 「余録」欄
災害は政治の都合を待ってくれない。1923年9月に起きた関東大震災は加藤友三郎首相ががんで亡くなり、後継政権の組閣が難航中という政変のさなかの出来事だった。まさに政治空白を襲った惨害である▶後継に推されていた山本権兵衛は翌日になっても組閣ができず焦慮していると、内相となる後藤新平が来る。「内閣は一日もむなしうすべからず。二、三の人とでよい。一緒に骨となって働こう」と話し合い、首相官邸へと乗り込んだ。
災害は政治の都合を待ってくれない。1923年9月に起きた関東大震災は加藤友三郎首相ががんで亡くなり、後継政権の組閣が難航中という政変のさなかの出来事だった。まさに政治空白を襲った惨害である▶後継に推されていた山本権兵衛は翌日になっても組閣ができず焦慮していると、内相となる後藤新平が来る。「内閣は一日もむなしうすべからず。二、三の人とでよい。一緒に骨となって働こう」と話し合い、首相官邸へと乗り込んだ。