石牟礼道子

ことばの奥深く潜む魂から“近代”を鋭く抉る鎮魂の文学
石牟礼道子(いしむれ・みちこ/1927-2018)

1927年、熊本県天草郡に生れる。詩人。作家。2018年歿。
1969年に公刊された『苦海浄土』は、水俣病事件を描いた作品として注目され、第1回大宅壮一ノンフィクション賞となるが、辞退。1973年マグサイサイ賞、1993年『十六夜橋』で紫式部文学賞、2001年度朝日賞を受賞する。2002年度は『はにかみの国――石牟礼道子全詩集』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。2002年から、初作品新作能「不知火」が、東京・熊本・水俣で上演される。石牟礼道子の世界を描いた映像作品「海霊の宮」(2006年)、「花の億土へ」(2013年)がある。
『石牟礼道子全集 不知火』(全17巻・別巻1)が2004年4月から刊行され、10年の歳月をかけて2014年5月完結する。この間に『石牟礼道子・詩文コレクション』(全7巻)が刊行される。『苦海浄土』は、第1部「苦海浄土」、第2部「神々の村」、第3部「天の魚」を1冊にした『苦海浄土 全3部』が2016年に刊行。『葭の渚――石牟礼道子自伝』『不知火おとめ』『石牟礼道子全句集 泣きなが原』(俳句四季大賞)他、作品多数。