2025年02月25日

月刊PR誌『機』2025年2月号 巻頭「グリーンランド、自治と独立の行方」

 

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社主の出版随想

▼年が明けたと思ったら瞬く間に2月に入った。この間、1月20日には、同盟国アメリカの新大統領トランプ氏の復活。しかもこの大統領は前回でもそうだったが、非常に存在感のある人。彼の一挙手一投足に、世界の耳目が集まる。アメリカの大統領の近年において、賛否を問わず、これだけの注目を集める人は知らない。しかも、発言したことは実行する。それが世界の批判を浴びようが。当初、オバマの後、8年前に大統領になった時、「アメリカ・ファースト」保護主義を提唱した。4年後敗れたが、今回返り咲いても又、「アメリカ・ファースト」を再提唱。この方は、余程、アメリカの愛国者なのだと思う。ふつうこういうことは、一国の長になると恥ずかしくて言わないものだが、彼は、堂々と宣言する。それは、すごい!?ことだと思う。それだけ、アメリカとは何か?   国家とは何か?   が問われている時だけに、彼の「アメリカ・ファースト」の言葉は、重く深く人々の心を摑むのではなかろうか。まだ一月も経っていないが、毎日のように、トランプ、トランプ……で、メディアは盛り上がっている。前大統領とは全く違う。これからトランプの手腕が見ものである。対ロシア、対アジア、対ヨーロッパなどにどういう対応をするのか。
▼国内では、相変らず芸能人問題、マスメディア関係のネガティヴなことばかりでウンザリ。阪神・淡路大震災、地下鉄サリン事件も30年を迎えるが、これら被災者支援はどうなっているのか。国民の「安心安全」な暮らしを抜きにした「政治」は存在しないはずだが。今回のコロナ禍でも、政治・行政の対応のまずさで、長年続いた店が倒産・廃業に追い込まれた。まだ完全には収まってないとはいうもののほぼ終焉を迎えた感染症の対策をどうするかは、国や自治体の行政が、国民や市民に提案するか、逆にこういう問題は「公論」として国を挙げて議論の俎上にのせるべきではなかろうか。
▼今年は、昭和百年、戦後80年の節目の年といわれる。西暦1925年という1年を振り返っても新しい認識に至るかもしれない。3月22日ラジオの試験放送が始まる。それ以前は、新聞のみのニュース。1923年9月1日の首都圏直下の関東大震災の時も、ラジオはなかった。そういうことを知ることで、今のあまりに便利すぎる世の中とは全く違う歴史社会認識をもたないとその時代が見えてこないことがわかる。(亮)

2月号目次

■米トランプ大統領発言は単なる「暴言」か?
高橋美野梨 「グリーンランド、自治と独立の行方」

■先史時代から現代まで、台湾史の基本文献
春山明哲 「「台湾」を知るために」

■「その選択は人生重大の問題である。」(内村鑑三)
新保祐司 「美か義か――日本人の再興」

■「新しい時代」への民俗学的アプローチ
柏木亨介 「阿蘇神社の夜明け前」

■「被害補償」の先にある「地域再生」に挑む
清水万由子 「「公害地域再生」とは何か」

申谷雄二 「「我が身を安んじて置ける」人、木川恭さん」

〈連載〉叶 芳和 日本ワイン 揺籃期の挑戦者10「愛情欲しない生き物はいない」
    山口昌子 パリの街角から26「記念日の悲喜こもごも」
    田中道子 メキシコからの通信23「メキシコ計画」
    宮脇淳子 歴史から中国を観る62「日本人が宋を好きな理由」
    鎌田 慧 今、日本は70「原発記念碑」
    村上陽一郎 科学史上の人びと23「ハンス・ドリーシュ」
    方波見康雄 「地域医療百年」から医療を考える44「『正法眼蔵』と医療」
    中西 進 花満径107「負の復権」

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