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「帝国以後」と日本の選択

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「帝国以後」と日本の選択

  • エマニュエル・トッド 飯塚正人 池澤夏樹 井尻千夫 伊勢崎賢治 小倉和夫 佐伯啓思 榊原英資 高成田享 中馬清福 西部邁 濱下武志 三木亘 武者小路公秀 養老孟司
  • 石崎晴巳 訳 尾河直哉 訳 荻野文隆 訳 三浦信孝 訳 宮本真也 訳
  • 四六上製 344ページ
    ISBN-13: 9784894345522
    刊行日: 2006/12
  • 定価: 3,024円

「核武装」か? 「米の保護領」か?

世界の守護者どころか、その破壊者となった米国からの自立を強く促す『帝国以後』。「米国の問題はその強さよりむしろその弱さにある」という「反米」とは似て非なる、このアメリカ論を日本はいかに受け止めるか?北朝鮮問題、核問題が騒がれる今日、むしろその根源たる日本の対米従属を正面から問う!

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目次

はしがき

序 アメリカニズム以後 ――「新米vs反米」の終焉

E・トッド (石崎晴己 訳)

Ⅰ 『帝国以後』とは何か

E・トッド

『帝国以後』を自ら語る ――ベトナム以上に泥沼化するイラク情勢

(荻野文隆 訳)

『帝国以後』のキー概念 ――演劇的小規模軍事行動

(尾河直哉 訳)

『帝国以後』が暴く〝アメリカン・パワー″という幻想

(尾河直哉 訳)

米欧同盟から多極的連帯へ ――ヨーロッパは『帝国以後』をどう読むか

(宮本真也 訳)

『帝国以後』とヨーロッパの自立

(尾河直哉 訳)

『帝国以後』は〝反米主義″にあらず

(J-F・ルヴェルとの対談 / 荻野文隆 訳)


Ⅱ 『帝国以後』から何を読みとるか


乱暴な仮説が導く明快な世界像

養老孟司

グローバリズムへの徹底抗戦

井尻千男

アメリカ批判から保守的英知へ

西部 邁

「アメリカ帝国」という虚妄 ――――――ヨーロッパからの反撃

佐伯啓思

『帝国以後』への私注

三木 亘

アメリカ・システムの興隆・崩壊の同時性について

武者小路公秀

ヨーロッパ地政圏とアジア地域システム

濱下武志

なぜアメリカは戦争をしたか

池澤夏樹

残照の観察者として

高成田享

「核武装」 か 「米の保護領」 か ―――――日本に二者択一を迫る書

飯塚正人


Ⅲ 「帝国以後」と日本の選択

E・トッド+榊原英資+小倉和夫+中馬清福

アメリカ帝国の解体 ――システムの東と西、 日本とヨーロッパの比較

E・トッド (三浦信孝 訳)

独仏関係に比すべき日中関係

榊原英資

アメリカ単独行動に歯止めをかける日米関係

小倉和夫

<討論> 「帝国以後」と日本の選択

E・トッド(三浦信孝 訳)+榊原英資+小倉和夫+(司会)中馬清福

<シンポジウムを終えて> イデオロギー的親米から真の自立へ

榊原英資

<シンポジウムを終えて> 日本の未来に立ちはだかる難問

中馬清福


Ⅳ 日米関係はどうあるべきか

伊勢﨑賢治+榊原英資+西部 邁+小倉和夫

国連とアメリカ

伊勢﨑賢治

変わるアジア、 変わらぬ日本外交

榊原英資

左翼国家アメリカと戦後日本の錯誤

西部 邁

アメリカ問題は日本問題

小倉和夫

<討論> 日米関係はどうあるべきか

伊勢﨑賢治+榊原英資+西部 邁+小倉和夫


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関連情報

  ■エマニュエル・トッド(Emmanuel TODD)■
1951年生。歴史人口学者・家族人類学者。フランス国立人口統計学研究所(INED)に所属。作家のポール・ニザンを祖父に持つ。L・アンリの著書を通じて歴史人口学に出会い、E・ル=ロワ=ラデュリの勧めでケンブリッジ大学に入学。家族制度研究の第一人者P・ラスレットの指導で、76年に博士論文『工業化以前のヨーロッパの7つの農民共同体』を提出。
同年、『最後の転落』で、弱冠25歳にして乳児死亡率の上昇を論拠に旧ソ連の崩壊を断言。その後の『第三惑星――家族構造とイデオロギー・システム』と『世界の幼少期――家族構造と成長』(99年に2作は『世界の多様性 』 (荻野文隆訳)として合本化)において、各地域における「家族構造」と「社会の上部構造(政治・経済・文化)」の連関を鮮やかに示す、全く新しい歴史観と世界像を提示。
新ヨーロッパ大全 』I ・II (石崎晴己・東松秀雄訳)(90年)では多様性に満ちた新しいヨーロッパ像を提示、『移民の運命 』〔同化か隔離か〕 (石崎晴巳・東松英雄訳)(94年)では家族構造が各国の移民問題に決定的な影響を与えていることを分析し、『経済幻想 』 (平野泰朗訳)(98年)では家族構造に基づく経済構造の多様性の認識から、アングロ・サクソン型個人主義的資本主義を唯一の規範とするグローバリズムを批判し、金融に過剰依存するアメリカ経済の脆弱さをいち早く指摘。
「9・11テロ」から1年後、対イラク戦争開始前の02年9月に発表された『帝国以後 』〔アメリカ・システムの崩壊〕 (石崎晴己訳)では、「米国は唯一の超大国」といった世界の一般的な対米認識に反して、「アメリカの問題は、その強さにではなく、むしろその弱さにこそある」と、アメリカの衰退、とりわけその経済力の衰退を指摘し、アフガニスタン攻撃に始まる米国の軍事行動を、自らの覇権を演劇的に世界に誇示するための「演劇的小規模軍事行動」と断定。28カ国以上で翻訳され、世界的大ベストセラーとなり、とりわけ独仏を中心とする、対イラク戦争反対の理論的支柱となった。
文明の接近 』〔「イスラームvs西洋」の虚構〕 E・トッド+Y・クルバージュ (石崎晴己訳)(07年)では、『帝国以後 』でのイスラム圏分析をさらに深化させ、出生率の下降と識字率の上昇を論拠に、「イスラム原理主義」の表層的現象ばかりに目を奪われる欧米のイスラム脅威論に反して、着実に進むイスラム圏の近代化を指摘。
デモクラシー以後 』〔協調的「保護主義」の提唱 〕(石崎晴己 訳=解説)(09年)では、サルコジ大統領誕生に体現されたフランス社会とデモクラシーの危機を分析し、「エリートが自由貿易体制に疑義を呈さないことが格差拡大、金融危機につながっている」と、需要を掘り起こし、ヨーロッパのデモクラシーを守る最後の手段として、均衡のとれた保護主義を提唱している。