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苦海浄土 第3部 天の魚 ほか
石牟礼道子全集・不知火 第3巻 (全17巻・別巻一)

商品の詳細

苦海浄土 第3部 天の魚 ほか

  • 石牟礼道子
  • 解説・加藤登紀子
  • A5上製貼函入布クロス装 608ページ
    ISBN-13: 9784894343849
    刊行日: 2004/4
  • 定価: 7,020円

ことばの奥深く潜む魂から近代を鋭く抉る鎮魂の文学

 「この三部作は、我が民族が受けた希有の受難史を綴った書と受け止められるかも知れないが、私が描きたかったのは、海浜の民の生き方の純度と馥郁たる魂の香りである。生き残りの人達とおつき合いをさせていただいている。まるで上古の牧歌の中に生きていた人々と出会うような感じである。この列島の辺縁に生きていた漁民達は、日本の近代が一度も眼をくれたことがなかった、最も淳樸で雄渾な原初的資質を備えた人々だったのではなかろうか。」

(「あとがき」より)

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目次

第3部 天の魚

序 詩

第1章 死都の雪

第2章 舟非人

第3章 鳩

第4章 花非人

第5章 潮の日録

第6章 みやこに春はめぐれども

第7章 供護者たち


『苦海浄土』 をめぐって

わが死民
亡国のうた
自分を焚く
絶対負荷をになうひとびとに
泥の墓
差別に苦しむ水俣病患者 (飯沢匡との対談)
水俣病の証言 (水上勉との対談)
この世にあらざるように美しく (インタビュー)
判決は命を片づける儀式だ (原田正純との対談)
『苦海浄土』 来し方行く末 (上野英信との対談)
生民の系譜 (荒畑寒村との対談)
患者の等身像につきあう (本田啓吉との対談)
玄郷の世界 (中村了権との対談)
患者の肉声に宿る無限の思索 (インタビュー)


解説   加藤登紀子
あとがき

後 記
水俣病関連年表

関連情報

本全集の特徴
  1. 『苦海浄土』を始めとする著者の全作品を年代順に収録。従来の単行本に、未収録の新聞・雑誌等に発表された小品・エッセイ・インタヴュー・対談まで、原則的に年代順に網羅。
  2. 人間国宝の染織家・志村ふくみ氏の表紙デザインによる、美麗なる豪華愛蔵本。
  3. 各巻の「解説」に、その巻にもっともふさわしい方による文章を掲載。
  4. 各巻の月報に、その巻の収録作品執筆時期の著者をよく知るゆかりの人々の追想ないしは著者の人柄をよく知る方々のエッセイを掲載。
  5. 別巻に、著者の年譜、著者リストを付す。

『石牟礼道子全集』を推す【藤原書店PR誌『機』2004年4月号より】
五木寛之(作家)/ 大岡信(詩人)/ 河合隼雄(臨床心理学者)/ 金石範(作家)/ 志村ふくみ(染織家)/ 白川静(中国古代文学者)/ 瀬戸内寂聴(作家)/ 多田富雄(免疫学者)/ 筑紫哲也(ジャーナリスト)/ 鶴見和子(社会学者)

各巻構成
本全集を読んで下さる方々に    石牟礼道子

 わたしの親の出てきた里は、昔、流人の島でした。

生きてふたたび故郷へ帰れなかった罪人たちや、行きだおれの人たちを、この島の人たちは大切にしていた形跡があります。名前を名のるのもはばかって生を終えたのでしょうか、墓は塚の形のままで草にうずもれ、墓碑銘はありません。

こういう無縁塚のことを、村の人もわたしの父母も、ひどくつつしむ様子をして、『人さまの墓』と呼んでおりました。

「人さま」とは思いのこもった言い方だと思います。

「どこから来られ申さいたかわからん、人さまの墓じゃけん、心をいれて拝み申せ」とふた親は言っていました。そう言われると子ども心に、蓬の花のしずもる坂のあたりがおごそかでもあり、悲しみが漂っているようでもあり、ひょっとして自分は、「人さま」の血すじではないかと思ったりしたものです。いくつもの顔が思い浮かぶ無縁墓を拝んでいると、そう遠くない渚から、まるで永遠のように、静かな波の音が聞こえるのでした。かの波の音のような文章が書ければと願っています。

   2004年3月31日  【藤原書店PR誌『機』2004年4月号より】

●特別愛蔵本のお知らせ●

 人間国宝の志村ふくみ氏作の本藍染布クロスで装った特装版を特別に各巻限定30部作作成致します。頒価各巻50,000円。ご希望の方は、小社まで直接お申し込み下さい。

●全巻購入者特典●
 全巻をご購入いただいた読者の方には、著者自筆の「花を奉るの辞」を完結後に贈呈致します。各巻のオビに付いております請求券(第1巻から別巻までの計18枚)をまとめて小社までお送り下さい。