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政治・社会

帝国以後
アメリカ・システムの崩壊

商品の詳細

帝国以後

  • エマニュエル・トッド
  • 石崎晴己 訳
  • 四六上製 304ページ
    ISBN-13: 9784894343320
    刊行日: 2003/4
  • 定価: 2,700円

今日のアメリカ崩壊を、最も早く見抜いた書!

1976年、ソ連崩壊を断言したトッドは、今日のアメリカ崩壊とアメリカ発の世界経済危機を、世界で最も早く最も的確に予言していた!

「今後数年ないし数ヶ月間に、アメリカ合衆国に投資したヨーロッパとアジアの金融機関は大金を失うことになるだろうと予言できる。」(2003年3月)
「どのようにして、どの程度の速さで、ヨーロッパ、日本、その他の国の投資家たちが身ぐるみ剥がれるかは、まだ分からないが、早晩身ぐるみ剥がれることは間違いない。最も考えられるのは、前代未聞の規模の証券パニックに続いてドルの崩壊が起るという連鎖反応で、その結果はアメリカ合衆国の「帝国」としての経済的地位に終止符を打つことになろう。」(2002年9月)
(*いずれも本文より)


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目次

日本の読者へ (2003.3.26)

開 幕

没落の問題系への回帰
フクヤマのパラドックス ―― アメリカの勝利からその無用性へ
自律性から経済的依存へ
アメリカ民主主義の退化と戦争の可能性
一つの説明モデル

第1章 全世界的テロリズムの神話

文化革命
識字化とグローバリゼーション
人口革命
移行期の危機
人口動態と政治
イスラムの移行期
将来の危機 ―― パキスタンとサウジアラビア
ユーゴスラヴィアの場合 ―― 時間差的危機の重なり合い
忍耐と時の長さ

第2章 民主主義の大いなる脅威

当初の人類学的多様性
可能性のあるスキーム ―― 移行期ヒステリー、 次いで民主主義への収斂
ヨーロッパ諸国 (国際) 連合
戦略的現実主義への復帰 ―― ロシアと平和

第3章 帝国の規模

経済的グローバリゼーションの基盤は政治的・軍事的事由
生産から消費へ
コペルニクス的断絶の必要 ―― 「国内」 統計への訣別
不況下の世界経済にとってのケインズ的国家
アメリカ社会の 「帝国的」 変形
1990年から1995年の論争 ―― 国民国家対帝国

第4章 貢納物の頼りなさ

伝統的な軍事能力不足
「帝国」 の地理
頓挫した撤退
貢納物というものの分かりにくさと自発性
オニール・ドクトリン
その日暮らしの超大国
金持ちのための国家
蒸 発

第5章 普遍主義の後退

内部的普遍主義の後退 ―― 現像液としての黒人とヒスパニック
外に対する普遍主義の後退 ―― イスラエルを選ぶということ
アメリカのユダヤ人の不安
帝国は差異主義的ではあり得ない

第6章 強者に立ち向かうか、 弱者を攻めるか

共産主義の崩壊からロシアの崩壊まで
巨大な外交のチェスボード
軍事的小手調べ
イスラムへの固着
アングロ・サクソンのフェミニズムとアラブ世界への軽蔑
経済的依存と石油への強迫観念
短期的解決法 ―― 弱者を撃つ

第7章 ロシアの回復

ロシアの危機の人口学的パラメーター
経済の回復と国家への復帰
ロシアにおける民主主義の問題
ロシアの普遍主義
戦略的自律性
すべてのロシアの結集
ウクライナ問題
弱さが切り札となる

第8章 ヨーロッパの独立

二つの選択肢 ―― 帝国に統合されるか、 独立するか
欧米間の文明の衝突
アメリカ的社会モデルがヨーロッパを脅かす
経済大国ヨーロッパ
ロシアならびにイスラム圏との平和的関係
仏独のカップル……そして愛人イングランド

ゲームの終り

民主制と寡頭制
行動する前に理解せよ


原 注
図表一覧
訳者解題

関連情報

■エマニュエル・トッド(Emmanuel TODD)■
1951年生。歴史人口学者・家族人類学者。フランス国立人口統計学研究所(INED)に所属。作家のポール・ニザンを祖父に持つ。L・アンリの著書を通じて歴史人口学に出会い、E・ル=ロワ=ラデュリの勧めでケンブリッジ大学に入学。家族制度研究の第一人者P・ラスレットの指導で、76年に博士論文『工業化以前のヨーロッパの7つの農民共同体』を提出。
同年、『最後の転落』で、弱冠25歳にして乳児死亡率の上昇を論拠に旧ソ連の崩壊を断言。その後の『第三惑星――家族構造とイデオロギー・システム』と『世界の幼少期――家族構造と成長』(99年に2作は『世界の多様性 』 (荻野文隆訳)として合本化)において、各地域における「家族構造」と「社会の上部構造(政治・経済・文化)」の連関を鮮やかに示す、全く新しい歴史観と世界像を提示。
新ヨーロッパ大全 』I ・II (石崎晴己・東松秀雄訳)(90年)では多様性に満ちた新しいヨーロッパ像を提示、『移民の運命 』〔同化か隔離か〕 (石崎晴巳・東松英雄訳)(94年)では家族構造が各国の移民問題に決定的な影響を与えていることを分析し、『経済幻想 』 (平野泰朗訳)(98年)では家族構造に基づく経済構造の多様性の認識から、アングロ・サクソン型個人主義的資本主義を唯一の規範とするグローバリズムを批判し、金融に過剰依存するアメリカ経済の脆弱さをいち早く指摘。
「9・11テロ」から1年後、対イラク戦争開始前の02年9月に発表された『帝国以後 』〔アメリカ・システムの崩壊〕 (石崎晴己訳)では、「米国は唯一の超大国」といった世界の一般的な対米認識に反して、「アメリカの問題は、その強さにではなく、むしろその弱さにこそある」と、アメリカの衰退、とりわけその経済力の衰退を指摘し、アフガニスタン攻撃に始まる米国の軍事行動を、自らの覇権を演劇的に世界に誇示するための「演劇的小規模軍事行動」と断定。28カ国以上で翻訳され、世界的大ベストセラーとなり、とりわけ独仏を中心とする、対イラク戦争反対の理論的支柱となった。
文明の接近 』〔「イスラームvs西洋」の虚構〕 E・トッド+Y・クルバージュ (石崎晴己訳)(07年)では、『帝国以後 』でのイスラム圏分析をさらに深化させ、出生率の下降と識字率の上昇を論拠に、「イスラム原理主義」の表層的現象ばかりに目を奪われる欧米のイスラム脅威論に反して、着実に進むイスラム圏の近代化を指摘。
デモクラシー以後 』〔協調的「保護主義」の提唱 〕(石崎晴己 訳=解説)(09年)では、サルコジ大統領誕生に体現されたフランス社会とデモクラシーの危機を分析し、「エリートが自由貿易体制に疑義を呈さないことが格差拡大、金融危機につながっている」と、需要を掘り起こし、ヨーロッパのデモクラシーを守る最後の手段として、均衡のとれた保護主義を提唱している。


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