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詩の根源へ

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詩の根源へ

  • 飯塚 数人
  • 四六上製 296ページ
    ISBN-13: 9784865781663
    刊行日: 2018/02
  • 定価: 3,024円

「詩」は死んだのか?

「詩」をめぐるイメージが、“難解”“純粋”な現代詩と、詩と似て非なる「ポエム」に二極化されたかに見える現在、中国古典・生物学・人類学・考古学の知見を横断して、詩の“根源”に迫る野心作。
音楽と言語が渾然となった「詩」の発生に立ちかえり、自然との一体化・共生の回路がそこに開かれることを跡づけ、詩の魔術的な力の再生への方途を探る。
◎第10回「河上肇賞」奨励賞受賞作!

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目次


0 ポエムVS現代詩

1 史上で最も純粋な詩
文学は虚構言語なのか/世界を一編の詩に閉じ込めた男/純粋詩はいかに成立したか

2 純粋な志としての詩
毛詩大序にあらわれた詩の社会的機能/論語にあらわれた詩の社会的機能/詩経について/解釈の多義性(政治風刺として)/解釈の多義性(挽歌として)/解釈の多義性(人間への信頼)/解釈の多義性(呪術儀礼として)/誤読される詩経/整形される詩/孔子も詩を誤読した

3 音楽と演劇と孔子
詩に興こり 礼に立ち 楽に成る/古代中国における音楽/天上の絶対純粋世界/礼とは何か/礼の起源/変貌する礼/天という思想/劇的なる人・孔子

4 伝統主義者VS神話収縮者
金芝河をめぐって/伝統と個人の才能/詩か小説か/伝統とは何か/保守主義と新保守主義/ウイルソンが発見したもの/ロレンスが発見したもの/キリスト教と近代を乗り越える思想

5 現象する歌
言葉のない歌/音楽の起源をめぐる諸説/認知考古学者の冒険/全体的・多様式的・操作的・音楽的・ミメシス的/言語の起源をめぐる諸説/語源語・音素・音共感/動物との連続性が断ち切られる/詩的象徴の起源/唯言論の不毛/動物のことば 植物のことば

6 精霊としての興
自然を讃える先住民たち/一即多 多即一/フウィーヤとマーヒーヤ/芭蕉の詩の世界/詩経の志/興について/松本雅明の説/中国少数民族の歌垣/白川静の説/赤塚忠の説/古代中国の環境破壊

7 歌うことと語ること
投果という風習/死んだ鹿の謎/動物儀礼があった?/世界を説明するための神話/はじめに生命のあふれる世界があった/音声歌から詩が生まれるまでにあったこと/詩は自然にむかって呼びかける

8 成長する詩
霊的存在を歌う/シャマニズムのばあい/アフリカ人の世界観/気象と歌/個人の歌を持つ民族/自然が歌われはじめる/牧歌・農耕詩と民謡/アフリカとインドの呪文/古代文明と古代宗教/自然が支配される/苦悩と怒りが歌われる/真の伝統へ

∞ 詩の根源へ

 あとがき

関連情報

人間は自然にあらがい、闘い、離脱する欲求を持っているが、どうじに自然にあこがれ、愛し、ひとつになりたいという欲求を抱いているのではないか。人間と自然の関係を、「我―汝」に切り換え、自然を敬慕するため生みだされたもの、それこそがコスモスの思想なのではないだろうか。
生物を捕食するための祈りが、やがて自然そのものを希求する訴えかけになる。外界に反応する表示体系、生命の普遍的現象として発露してきた歌は、脳の、社会の、知性の増強にしたがい、分節された言語に変わる。そして言語は、コスモスの思想によってあらたな性質をあたえられ、自然と人間を結びつけるための祈り、魔法の言葉としての詩に変容するのだ。
(本書より)


●飯塚数人(いいづか・かずと)
1967年生。学校卒業後は演劇活動に従事。
1999年から演劇評論を書き始める。同人誌に「寺子屋崩壊」「踊る信長」「ジョングレンの活劇」「大衆演劇と世界経済」を掲載。
2010年、「福田恆存VS武智鉄二」で第53回群像新人文学賞評論部門優秀作(『群像』同年6月号掲載)。「木々高太郎論」(『群像』2011年2月号掲載)。本書の元となる「詩の根源へ」で第10回河上肇賞奨励賞を受賞。
現在、終末と進化を主題にした評論を構想中。

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