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釈伝 空海 (上)

商品の詳細

釈伝 空海 (上)

  • 西宮 紘
  • 四六上製 464ページ
    ISBN-13: 9784865781649
    刊行日: 2018/02
  • 定価: 4,536円

わが国初の本格的「釈伝」、遂に完成!

日本仏教史に屹立する空海の思想を独自の視点から読み解き、空海研究に一石を投じた前著『空海――火輪の時空』から三十余年。空海の生涯は、殆んど謎に包まれ明らかではないなかで、空海自身の膨大な著作及び関連資料等を渉猟し、史実と仮説を融合して一貫した生涯を描き出す本格的「釈伝」を完成。空海の生地は、讃岐国ではなく、奈良であることを大胆に例証提起するなど、従来の空海理解の常識を覆す、著者畢生の野心作がついに誕生。
●上巻=誕生から入唐、そして帰朝後の最澄との交友――
●下巻=高野山入りから、主著の執筆、そして入寂――

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目次

【上巻 目次】
第Ⅰ部 修学・求道遍歴の日々
1 系譜の章
2 誕生と幼き日々
3 長岡京での修学と仏教への傾斜、親友との出会い
4 大学生活と仏教への踏み出し、そして阿毘法師と出会う
5 「方外の賓」へと歩み出す
6 吉野・金の御峯入り
7 山上修行
8 麗しき高野
9 仏子空海誕生
10 求道への旅立ち――讃岐への往還
11 四天王寺・唐招提寺そして阿刀村
12 医方明と工巧明
13 虚空蔵求聞持法の修行
14 真の経典を求めて

第Ⅱ部 入唐
15 入唐渡海
16 福州観察使兼刺史閻済美
17 長安への旅路
18 長安城と永忠法師との出会い
19 梵語を学習し異教に触れる
20 文人墨客と交わる
21 密蔵伝法阿闍梨位遍照金剛へ
22 恵果大阿闍梨九泉に卜す

第Ⅲ部 帰朝
23 帰朝
24 大宰府観世音寺
25 伊予親王謀叛
26 槙尾山寺の日々
27 高雄山寺入住
28 嵯峨帝・最澄禅師との交流
29 平城上皇重祚を謀る
30 鎮護国家を修す
31 旧都への周遊
32 山城国・乙訓寺止住
33 神泉苑での宴

第Ⅳ部 最澄との関わり
34 最澄禅師との対面
35 高雄山寺灌頂
36 最澄禅師とその弟子たちの苦悩
37 中寿感興詩
38 大和国・弘仁寺開山
39 勝道上人、補陀落山に上るの碑文
40 渤海国使節大使王孝廉
41 真言法門宣揚

【下巻 目次】
第Ⅴ部 様々な著作
42 顕密二教を弁ず
43 『即身成仏義』を著わす
44 『声字実相義』を著わす
45 『吽字義』を著わす
46 最澄禅師の東遊

第Ⅵ部 高野山入り
47 空海、高野の地を賜う
48 帝に書論を開陳
49 高野の地に修禅の一院創建に着手
50 『文鏡秘府論』を著わす
51 高野入山
52 良岑安世の入山を問う詩に応ずる
53 高野の四維と伽藍を結界
54 中務省入住
55 夜居の語らい
56 曼荼羅等新装と万濃池修築
57 『秘密三昧耶仏戒儀』――平城上皇入壇灌頂

第Ⅶ部 東寺入り
58 東寺に入り、母を弔う
59 長岳寺建立と室生山寺再興
60 亡き母の周忌齊を営み、愛弟子智泉を弔う
61 『仁王経』を講じ益田池碑銘並びに序を撰す
62 霊仙の動静と東寺五重塔塔材を曳く勧進
63 打ち続く天変地異
64 如意尼譚
65 綜芸種智院創設
66 西寺で『法華経』を講じ、護命僧正の長寿を賀す

第Ⅷ部 主著『秘密曼荼羅十住心論』
67 序・第一住心
68 第二住心・第三住心
69 第四住心・第五住心
70 第六住心
71 第七住心
72 第八住心
73 第九住心
74 第十住心

第Ⅸ部 最晩年
75 『秘蔵宝鑰』
76 両楹の夢
77 萬燈・萬華の大法会
78 宮中真言院建設と心経講義
79 仏塔造立を勧進し、宮中真言院で真言法を修す
80 入 寂

 あとがき/編集部追記/空海 略年譜(774-835)

関連情報

本書を『釈伝 空海』としたのには、二つの理由がある。一つは釈伝が僧侶の伝記であるという伝統的な理由からである。もう一つは、釈という語は筆者の解釈が加えられたものであるという理由による。
筆者の解釈の一つに、同族とは何かがあった。たとえば、律令体制下にあって、佐伯宿禰―佐伯直―佐伯部という支配体制を通じて、佐伯宿禰族と佐伯直族とは、いつのまにか同族であると考えるようになったと思われることである。佐伯宿禰は大和という中央に常に居続け、佐伯直は讃岐や播磨の土着の豪族の氏姓であったが、その支配関係が継続した結果、同族意識が醸し出されたものと考えられる。これは後世の血縁を中心とした同族意識とは異なっている。
(本書より)


●西宮 紘(にしのみや・こう)
1941年生。京都大学理学部物理学科卒業。卒業後、哲学、心理学、宇宙論、進化論、分子生物学、脳生理学、真言密教等を広く渉猟する。
著書に『空海――火輪の時空』(朝日出版社)『多時空論――脳・生命・宇宙』(藤原書店)ほか多数。
2017年没。