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歴史

時代区分は本当に必要か?
連続性と不連続性を再考する

商品の詳細

時代区分は本当に必要か?

  • ジャック・ル=ゴフ
  • 菅沼潤 訳
  • 四六変上製 224ページ
    ISBN-13: 9784865780796
    刊行日: 2016/07
  • 定価: 2,700円

生前最後の書き下ろし作品

我々の歴史認識を強く束縛する「時代」という枠組みは、いかなる前提を潜ませているのか。アナール派中世史の泰斗が、「闇の時代=中世」から「光の時代=ルネサンス」へ、という歴史観の発生を跡付け、「過去からの進歩」「過去からの断絶」を過剰に背負わされた「時代」概念の再検討を迫る。

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目次


はじめに
序 論
古い時代区分
中世の出現
歴史、教育、時代
ルネッサンスの誕生
今日から見たルネッサンス
中世は「闇の時代」か
長い中世
おわりに

  謝辞
  参考文献一覧
  訳者あとがき
  人名索引

関連情報

この試論は学位論文でも集大成でもないが、長いあいだの研究の成果である。これは歴史について、西洋史における時代についての、ひとつの考察である。1950年以来、私はその西洋史に含まれる中世とつき合ってきた。だからこれは私が長いあいだ温めていた著作で、それを私が気になっているアイデアで膨らませた。
「グローバル化」の日常生活への影響が日に日に感じられるようになっている2013年に書かれたこの小著は、連続、転換といった、時代区分を考える際のさまざまなアプローチについて再考する。歴史の記憶をどう考えるかという問題である。
ある時代から別の時代への移行という一般的な問題をあつかいながら、私は特殊事例を検討する。つまり「ルネサンス」の新しさと言われているもの、「ルネサンス」と中世との関係をどうとらえるかだ。
歴史はひとつの連続なのか、あるいはいくつかのます目に区分けできるのかは、依然として決められない問題だ。言いかたを変えるなら、歴史を切り分けることは本当に必要なのか、ということになる。
(本書「はじめに」より)


ジャック・ル=ゴフ(Jacques Le Goff, 1924-2014)
中世史家、『アナール』編集委員。南仏のトゥーロン生まれ。青年時代を第二次大戦の戦火の中で過ごしたのち、高等師範学校に進学。在学中、プラハのカレル大学に留学。1950年、高等教育教授資格試験に合格。このときブローデルやモーリス・ロンバールが審査委員を務め、これがアナール派の歴史家たちに出会う最初の機会となる。以後、ソルボンヌのシャルル=エドモン・ペランの指導下で博士論文を準備するかたわら、アミアンのリセ、国立科学研究所、リール大学文学部にポストを得、またこの間、オックスフォード大学リンカーン・カレッジ、ローマ・フランス学院へ留学した。
1959年、アナール派が中心となって組織される高等研究院第六部門に入り、以後、フェーヴル、ブロック、ブローデルらのあとを受け、アナール派第三世代のリーダーとして活躍。1969年、ブローデルのあとを受けて、エマニュエル・ル=ロワ=ラデュリ、マルク・フェローとともに『アナール』誌の編集責任者となる。1972年、ブローデルの後任として第六部門部長となり、1975年には高等研究院第六部門の社会科学高等研究院としての独立に尽力。さらに1978年、同研究院に西洋中世歴史人類学研究グループを立ち上げ、1992年の退官までその代表の職を務めた。 邦訳著書に『煉獄の誕生』(法政大学出版局)『中世の夢』(名古屋大学出版会)『ル・ゴフ自伝』(法政大学出版局)『聖王ルイ』(新評論)『中世とは何か』『中世の身体』『ヨーロッパは中世に誕生したのか?』『中世と貨幣』(藤原書店)など。


菅沼 潤(すがぬま・じゅん)
1965年東京都生まれ。フランス近代文学専攻。訳書にル=ゴフ『中世とは何か』『中世の身体』(以上共訳)『ヨーロッパは中世に誕生したのか?』(藤原書店)、発表仏語論文に「1902 年秋、ブリュージュにおけるプルースト」(慶應仏文学研究室紀要)など。