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社会学

介入 Ⅱ
社会科学と政治行動1961-2001

商品の詳細

介入 Ⅱ

  • ピエール・ブルデュー
  • フランク・プポー+ティエリー・ディセポロ編 櫻本陽一訳
  • A5並製 336ページ
    ISBN-13: 9784865780178
    刊行日: 2015/03
  • 定価: 3,888円

グローバリズムに対するブルデューの「回答」の核心

1960年代の活動当初から社会に介入=発言し続ける「知識人」であった、社会学者ブルデューの真価とは何だったのか。冷戦終結を経て、20世紀型知識人が有効性を失っていく今、全生涯の社会的発言を集成し、旧来型の「社会運動」への挺身でも「国家」の単純な再評価でもなく、その両者を乗り越えてグローバリズムと対峙したブルデュー思想の現代的意味を炙り出す、決定版論集。

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目次

第Ⅵ部 1995-2001(承前)
9 集団的知識人に向けて――ARESERとCISIA
 教育における「合理主義的デマゴギー」の一つの例
 大学――まやかしの改革
 一つの問題は、別の問題を隠すことがある――「イスラム」スカーフ問題について
 暗殺の手を阻止しよう
 内戦において平和を求める陣営を支持する
 危険にある人物に対する救助懈怠罪
 パスコワ氏とその補佐官と外国人
 アルジェリアのゲットー化を許すな
 抑圧されたものを暴きだし、広く知らせるということ

第Ⅶ部 1995-2001
10 社会闘争を支持して――95年12月から「レゾン・ダジール」へ
 1995年12月のストライキに立ち返って
 社会運動の総結集のためのよびかけ
 「同性愛者を見えるようにするためのパレード」を支持する
 国家による排外主義と闘わなければならない
 国家による人種差別にはうんざりだ
 保守主義革命としての新自由主義
 失業者の行動は、燃え上がっている
 左翼的左翼のために
 我々は、復古の時代の中にいる
 大臣一人では、春は来ない
 カール・クラウスのアクチュアリティ――象徴支配と闘う教本

11 保守革命に奉仕するメディア
 二〇年後の『リベ』
 言葉の問題――ジャーナリストの役割についてのより控え目な考え方
 三面記事事件から、国家スキャンダルへ――知る権利の望まれない効果について
 メディアの悲惨
 ある勘違いにかかわる問題
 テレビはテレビを批判できるのだろうか?――あるテレビ局での出演の記録
 世界の真の支配者たちに問う

12 自由主義反革命に抗して
 国連アルジェリア調査団員への公開書簡
 バルカンにおける、公正かつ持続的な平和のためのヨーロッパ・アピール
 ヨーロッパの前衛に立つオーストリアを支持する
 ヨーロッパ社会運動総結集にむけた宣言
 地球規模の新たな公認教義
 GATSがもたらす脅威についてのユネスコ事務局長への公開書簡
 社会的ヨーロッパは立ち往生している
 組織された力を真の意味で動員するために
 新たな世界秩序への持続的な組織的抵抗のために
 研究者と社会運動
 批判的姿勢を効果的に確立すること


[補遺]
邂逅、局面、推測――CFDTにおける会議、および連帯支援記者会見に際して
      1981年12月と1982年1月にピエール・ブルデューがとったノートについて
[ピエール・ブルデューによるノート]

[付録]
ヨーロッパ社会運動憲章に向けての提案(第一次文案 1999年12月)


 第Ⅱ巻注
 訳者解説 学問研究と政治実践の関わりをめぐって(櫻本陽一)
 訳者あとがき
 第Ⅱ巻初出一覧

関連情報

要するに、記述的であると同時に規範的でもある「グローバリゼーション」という名詞によって記述される全てのことは、経済的な宿命ではなく、政策の効果なのです。この政策は、脱政治化の政治という、まったく逆説的な政策です。それは、自由に関する語彙の中から、恥ずかしげもなく、自由主義、自由化、規制緩和と言った言葉を取り出すことによって、経済的な決定要因をあらゆるコントロールから解放し、経済的要因による宿命的な支配を確立し、そのように「解放された」経済的諸力に政府や市民を従属させようとするものです。この脱政治化の政治に抗して、政治、すなわち、政治的な思想と行動を復権させなければなりません。そして、この行動がまさに、今後国民国家の境界を越えてなされるべき場所、そして国民国家の中における政治的、労働組合的な闘争にもはや還元しえない、その固有の手段を見つけなければなりません。
(本書より)


【著者】
ピエール・ブルデュー(Pierre Bourdieu, 1930-2002)
高等師範学校卒業後、哲学の教授資格を取得、リセの教員となるが、55年アルジェリア戦争に徴兵。アルジェ大学助手、パリ大学助手、リール大学助教授を経て、64年、社会科学高等研究院教授。教育・文化社会学センター(現在のヨーロッパ社会学センター)を主宰し学際的共同研究を展開。81年コレージュ・ド・フランス教授。
主著『ディスタンクシオン』『再生産』『芸術の規則』『パスカル的省察』『科学の科学』『自己分析』『国家貴族』(以上邦訳、藤原書店)ほか多数。

【編者】
フランク・プポー(Franck Poupeau)
教育社会学者。CNRS(フランス国立科学研究センター)研究員。著書 Une sociologie d’État. L’école et ses experts. Paris: Raisons d’agir, « Cours et travaux », 2003, Les mésaventures de la critique, Paris: Raisons d’agir, 2012.など。
ティエリー・ディセポロ(Thierry Discepolo) 1990年、マルセイユを拠点とする出版社アゴンヌ社を共同で創業、同時に創刊した『アゴンヌ』誌の発行人を務める。著書La Trahison des éditeurs, Agone, 2011.など。

【訳者】
櫻本陽一(さくらもと・よういち)
1966年、埼玉県生まれ。1996年、パリ・ソルボンヌ(パリ第4)大学DEA(研究深化学位)取得。1999年、東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻単位取得退学。和光大学現代社会学部准教授等を経て、現在、社会科学高等研究学院(EHESS)ヨーロッパ社会学センター所属。社会学専攻。訳書にブルデュー『メディア批判』(藤原書店、2000年)、論文に「フランス知識人の歴史と現在――ドレフュス事件と1995年12月」(三浦信孝編『普遍性か差異か』、藤原書店、2001年)、「グローバルな社会運動の可能性――P・ブルデュー」(三浦信孝編『来るべき〈民主主義〉』、藤原書店、2003年)他がある。