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『環――歴史・環境・文明』

〔学芸総合誌・季刊〕 環 vol.58
特集:「匠」とは何か

商品の詳細

〔学芸総合誌・季刊〕 環 vol.58

  • 菊大並製 408ページ
    ISBN-13: 9784894349803
    刊行日: 2014/07
  • 定価: 3,888円

見えないものを見る。その人しかできないことをやりきる!

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目次


■■ 特集:「匠」とは何か ■■

「芸」とは何か  永六輔
見えないものを見る  宮脇昭
最後の希望〔大廻の塘の再生〕  石牟礼道子
ヒトの匠が育てる、自然の匠  大沢文夫
俳優として、監督として  奥田瑛二
〈インタビュー〉能楽の匠と技  櫻間金記
巫女の遊舞、舞姫ミナル  作間順子
今!  神崎紫峰
〈インタビュー〉輪島塗の世界  松本遊人
〈インタビュー〉“おりん”の音風景  山口敏雄
中世から続く大工の家  宮内貴久
木の匠―最後の宮大工、西岡常一  内田純一
大いなる自然の意志と匠  結城幸司
学の匠、熊沢蕃山  鈴木一策
近代日本の基本設計者、後藤新平  青山やすし
南方熊楠とビアトリクス・ポター  松居竜五

 鈴鹿千代乃 クグツ族の芸〔命をかけて祓う〕
 小美濃清明 日本刀を巡る匠たち
 二九良三 デジタルと手作業の融合
 吉岡幸雄 「名棟梁」を求めて
 上原美智子 空気のような布を織る

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〈来日特別インタビュー〉
なぜ〈ジョルジュ・サンド〉と名乗ったのか?  マルティーヌ・リード(訳=持田明子)

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■速報!■
『続リオリエント』の翻訳に向けて  山下範久

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〈シンポジウム〉
岡田史学とは何か〔『岡田英弘著作集』発刊記念シンポジウム〕
 〈特別講演〉岡田英弘
 〈シンポジウム〉田中克彦木村汎杉山清彦倉山満/(司会)宮脇淳子

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集団的自衛権と安全保障  小池政行

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マルクスとクリミア戦争〔今に残る西欧的偏見の問題として〕  的場昭弘

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日本版中華思想の克服  上田正昭

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初期被ばくをいかに防護できるか?〔逃げる前・途中・後に放射能が降ってくる!
   自助・共助・公助による、待機・防護の方法の提案〕  山田國廣

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■■ 連載 ■■
川勝平太連続対談 日本を変える!  川勝平太
 6 “生命”の視点から  (ゲスト)本庶佑

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□□ 書物の時空 □□
●名著探訪
上田正昭 『故郷忘じがたく候』(司馬遼太郎著)
芳賀徹 『朝鮮詩集』(金素雲訳編)
森崎和江 『月白の道』(丸山豊著)(続)
上田敏 『復興期の精神』(花田清輝著)

●書評
朴才暎 『ともにある』(神田橋條治著)
    『シック・マザー』『愛着障害』『発達障害と呼ばないで』(岡田尊司著)
鈴木一策 『食べごしらえ おままごと 石牟礼道子全集 第一〇巻』

●自著再訪
海勢頭豊 『卑弥呼コード 龍宮神黙示録』
坂本直充 詩集『光り海』を刊行して

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□□ 連載 □□
●フランスかぶれの誕生――「明星」の時代 5
山田登世子 ふらんす物語〔芸術と肉体〕

●ナダール――時代を「写した」男 5
石井洋二郎 パンテオン・ナダール

●文化人類学者の「アメリカ」 5(最終回)
玉野井麻利子 されど、アメリカ

●北朝鮮とは何か 6
小倉紀蔵 朝鮮民族と道徳の関係

●生の原基としての母性 8
三砂ちづる 母乳哺育

●詩獣たち 15
河津聖恵 白鳥の歌〔ボードレール〕

●伝承学素描 34
能澤壽彦 昭和の深淵 一


金子兜太の句 日常
石牟礼道子の句 神の仔猫

関連情報

 生活に潤いがなくなってきている。現代社会は、大量生産・大量消費システムや科学技術への過信により、生産者と消費者との関係を希薄にし、我々の精神と生活を画一化した。それがマネーに翻弄される社会を作りだし、今日なおその状態が継続している。
 本特集では、このような日本の現状を真摯に受け止め、「匠」という切り口から現代の日本社会について考えてみたい。人間の可能性に挑戦し実現しようとしてきた、近代日本のインフラを実現した後藤新平や、江戸期の学匠としての熊沢蕃山や、明治・大正・昭和戦前期の南方熊楠にも言及してみたい。
 暮らしの基本には「衣」「食」「住」があり、それを形にし、支えてきたのが「匠」である。これら三つの生きる営みを軸に、「匠」は豊かな日本文化を生み出してきた。「匠」の手仕事から生み出されるものは、人々の日常的な暮らしに潤いをもたらした。人々の暮らしそのものを豊かにするだけでなく、人々にとって「自然」を身近なものにし、人々の物事を捉える確かな眼と感性を培った。ここには、「匠」の丁寧な手仕事に息づく工夫、トータルに物事を捉えようとする世界観が反映されている。このような「匠」の世界は、「芸」でもある。そこには、我々が忘れつつある「遊び」や「ゆとり」がある。
 機械に支配されるのではなく、人が人として生きるとはどういうことなのか。「匠」の世界には、現代社会の問題を解く可能性が秘められている。
 本特集では、現代の「匠」の方々に、分野を超え、自由に論じてもらいたいと思う。