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映画人・菊池寛

商品の詳細

映画人・菊池寛

  • 志村三代子
  • 四六上製 384ページ
    ISBN-13: 9784894349322
    刊行日: 2013/08
  • 定価: 3,024円

“メディア・ミックスの巨人”としての実像に初めて迫る!

1920年代から48年の死に至るまで、文学作品の単なる映画化ではなく映画を軸に新聞・出版・広告を巻き込んだメディア・ミックスを仕掛け、文壇人のみならず「映画人」としてメディアに君臨した菊池寛とは何者だったのか。「映画」を通して、時代と最も鋭敏に切り結んだ菊池寛の実像を初めて描く。
◎第7回「河上肇賞」本賞受賞作

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目次

序 章 「文壇人」を超えて
第一章 女性観客と恋愛映画
第二章 恋愛映画のポリティクス――『第二の接吻』(1926年)
第三章 映画雑誌『映画時代』の創刊と「映画時代プロダクション」の設立
第四章 輻輳されるメディア――『東京行進曲』(1929年)
第五章 映画女優とスキャンダル――『美しき鷹』(1937年)
第六章 戦時期の菊池寛
第七章 想像された“昭和の軍神”――『西住戦車長伝』(1940年)
第八章 「決戦下」の映画――『剣聖武蔵伝』(1944年)
第九章 映画のなかの天皇――『かくて神風は吹く』(1944年)
第十章 連続する映画――敗戦前後の大映作品を中心に
終 章 映画人・菊池寛

 あとがき
 菊池寛映画化作品一覧(1926.1.22-1946.3.7)
 文学・映画事情と菊池寛関連年表(1888-1948)
 主要人名索引

関連情報

 本書の目的は、1920年代半ばから敗戦直後にいたるまでの文学者・菊池寛(1888-1948)を中心とした出版、映画、新聞、広告といったメディア間の連繋を検証することであり、とくにこれまであまり注目されてこなかった菊池と映画との関係に注目し、映画人・菊池寛の軌跡をあとづけることである。
 インターネットの普及によってメディアを通じた双方向のコミュニケーションが容易になり、メディアを取り巻く環境が戦前とは著しく様変わりした現代において、なぜ戦前の人気作家であった菊池寛と映画との関係を俎上に載せるのか。それは、大衆文化としてのメディアの特性を考慮に入れた場合、映像メディアの訴求力が二一世紀の現代においても依然として他のメディアを圧倒しているからであり、なかでも菊池寛は、映画というメディアの可能性に注目し、映画と出版、新聞、ラジオといった周辺メディアを統合させた「メディア・ミックス」の最初期の仕掛け人であったからだ。
(本書序章より)


志村三代子(しむら・みよこ)
1969年大阪市生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。現在、玉川大学・二松学舎大学・日本大学・明治学院大学・早稲田大学非常勤講師、早稲田大学演劇博物館招聘研究員、国際日本文化研究センター共同研究員。
主な著書に『村山知義 劇的尖端』(共著、森話社、2012年)、『武智鉄二 伝統と前衛』(共著、作品社、2011年)、『スクリーンのなかの他者――日本映画は生きている 第4巻』(共著、岩波書店、2010年)、『淡島千景 女優というプリズム』(共著、青弓社、2009年)、『映画俳優 池部良』(共著、ワイズ出版、2007年)などがある。
本書の元となった論文「映画人・菊池寛」により第7回河上肇賞本賞受賞。