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文学

ロング・マルシュ 長く歩く
アナトリア横断

商品の詳細

ロング・マルシュ 長く歩く

  • ベルナール・オリヴィエ
  • 内藤伸夫・渡辺純
  • 四六上製 432ページ
    ISBN-13: 9784894349193
    刊行日: 2013/06
  • 定価: 3,456円

歩くことは、自分を見つめること。

シルクロード(イスタンブール~西安)1万2千キロを、一人で踏破。
妻を亡くし、仕事を辞した初老の男。一歩一歩、ゆっくり踏みしめていったとき、日常の垢が削ぎ落とされ、自らの精神が見えてくる。歩く――この最も根源的な行為から得るものの豊饒! 本書ではイスタンブールからイランとの国境付近まで。

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目次

 日本の読者へ

道のはじまる町々
木こり哲学者
ミサーフィルペルヴェルリキ(もてなし)
疑 念
カンガル犬
ウェニ、ウィディ……(来た、見た……)
千キロメートル
ジャンダルマ……
キャラバンサライ
女たち
……そして盗賊
高地の憂鬱
大きな痛み

 訳者解説

関連情報

私は歩くことの治癒力を発見した。それは鎮痛剤や抗鬱剤よりもはるかに効き目がある。
孤独と自然、出会い、そして快い休息を約束する快い疲労の幸福を見出した。私は若返り、驚きとともに、自分がまだ矍鑠としており、自分で思っていたような老いぼれではないことに気づいた。
機械文明のために、われわれは歩く人類というものを忘れ去ってしまった。歩いて辿る小道は生命の道だ。それは比類のない錬金術によって、暑さ、雨、風、寒さのような試練を乗り越えさせてしまい、ほんとうに生きるという純粋な幸福に変えてくれる。
(「日本の読者へ」より)

私以前に、シルクロード全体を徒歩で踏破した者はいない。マルコ・ポーロなみだね、とおっしゃるかもしれない……。しかし、私はことさら快挙や手柄を狙っているつもりはない。むしろ、自分の人生が何であったかをゆっくり反芻するようにしている。かねて久しく自分を探してきた私だが、旅は私の本当の姿を明かしてくれたのか? 私は以前と変っていないと素直に認めないわけにはいかない。けれども、閃きのように永遠の観念に手が届いたと感じることがある。おやおや、ずいぶん大袈裟な物言いだ、とおっしゃるかもしれない。しかし、視線が迷うほど広大なアナトリアのステップは、ふと神のようなものに触れられる夢想に向いているのである。
(本書より)


ベルナール・オリヴィエ(Bernard Ollivier)
1938年、ノルマンディーのマンシュ県の小村ガテモに生まれる。父は石工、7人の子供を抱える貧しい家だった。16歳で学業を離れ、建設労働者として働きはじめる。その後、さまざまな職を転々とする(港湾労働者、レストランのギャルソン、セールスマン、自動車修理工ほか)。その間、18歳のとき結核で一年間の入院生活。退院後、スポーツで健康を回復、20歳から働きながら通信教育を受け、26歳でバカロレアを取得。ついでジャーナリスト養成所の免状を得て、以後15年間を政治記者、次の15年間を経済・社会記者として、ACP(通信社)、『パリ・マッチ』誌、『コンバ』紙、第一チャンネル(テレビ)、『フィガロ』紙、『ル・マタン』紙などで働いた。50歳頃からテレビの脚本も何本か書いている。
45歳でそれまで毎日二箱吸っていた煙草をやめ、マラソンに取り組み、仕事のかたわら、ニューヨーク・マラソンをはじめ20回ほどマラソン大会に出場。
51歳のときの妻の死に加え、60歳での定年で前途の希望を失い、ひどく落ち込んだが、サンティアゴ・デ・コンポステラの巡礼の道を歩くことを決意。歴史的な道を歩くことの喜びを発見し、翌年には壮大なシルクロードの徒歩旅行に旅立った。その旅が『ロング・マルシュ』という本に結実。
以後も精力的に著作を続けるとともに、歩くことによって非行に走った若者たちを立ち直らせる活動に取り組む。この活動のため「スイユ」という組織を創設、『ロング・マルシュ』の印税をその運営費に充てる。
著書に、『ロング・マルシュ Ⅰ アナトリア横断』(本書、2000)『ロング・マルシュ Ⅱ サマルカンドへ』(2001)『ロング・マルシュ Ⅲ ステップの風』(2003)『どん底物語』(短編小説集、2001)『マッチと爆弾』(大都市郊外の若者たちの惨状を論ずる。2007)『人生は六十歳から』(2008)『ロワール河の冒険』(2009)『世界を手玉にとったローザの物語』(長編小説、2013)ほか(出版社はすべてフェビュス社)。