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政治・社会

アラブ革命はなぜ起きたか
デモグラフィーとデモクラシー

商品の詳細

アラブ革命はなぜ起きたか

  • エマニュエル・トッド
  • (訳・解説)石崎晴己
  • 四六上製 192ページ
    ISBN-13: 9784894348202
    刊行日: 2011/9
  • 定価: 2,160円

トッドはアラブ革命も予言していた!

9・11から10年。これまで喧伝されてきた、「イスラームVS西洋近代」という虚像を覆す!
ソ連崩壊、米国衰退を予言したトッドは、「イスラームは近代とは相容れない」という欧米の通念に抗し、識字率・出生率・内婚率など人口動態(デモグラフィー)から、アラブ革命の根底にあったイスラーム圏で着実に進む近代化・民主化の動きを捉えていた!
特別附録「家族型の世界分布図」付

Emmanuel Todd
Allah n’y est pour rien !

Sur les révolutions arabes et quelques autres

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目次

本書誕生の経緯

第1章 アラブ革命は予見可能だったか?

アラブ革命とイラン革命 / 若者による街頭革命

第2章 識字率・出生率と民主化

識字率 / ビラの読み書きと政治参加 / 出生率

第3章 誤解されているイラン革命と現体制

アラブ圏に30年先行していたイラン革命
外的勢力にブレーキをかけられた民主化
単一でない民主化のプロセス / 家族内関係と社会的関係

第4章 イスラーム圏の内婚制と近代化

内婚率 / 父系内婚制と民主化 / チュニジアとエジプトの内婚率

第5章 トッドの手法  ―― 歴史家か、 人口統計学者か、 予言者か?

アナール派的長期分析による“予言” / 歴史家として

第6章 アラブ圏の民主化とフランス

フランスは何の脅威にも曝されていない
アルジェリア、 いささか無定形な社会
バーレーン、 サウディアラビア、 リビア

第7章 宗教は関与していない

イスラーム教で説明できないイスラーム世界 / シーア派とスンナ派
イスラーム脅威論という西欧の病い

第8章 老化という西欧の危機

宗教の消滅と社会の老化という危機 / イスラーム圏の内婚制

第9章 中国とロシアの民主化

中国とロシアの現状をどう見るか?
中国への過大評価とアラブ圏への過小評価
ブラック・アフリカの近代化

第10章 ドイツ  ―― 昨日はナチス、 今日はエゴイスト

ナチスを生んだドイツの家族構造
ヨーロッパ的態度が取れないドイツ

第11章 「民主化」 「進歩」 とは何か?  ―― 人類学的要因と外的要因

ロシアへの過小評価とドイツへの過大評価 / 家族システムの残存性
過大評価されてきた教会の役割 / 「進歩」 とは何か?

補 章 人口動態から見たアラブ革命

「文明の接近」 の始まりなのか? / 民主主義の普遍性と多様性
チュニジアの状況 ―― フランスの影響 / エジプトの状況
リビアの状況


〈附〉 トッド人類学入門 (石崎晴己)
訳者解説

関連情報

■エマニュエル・トッド(Emmanuel TODD)■
1951年生。歴史人口学者・家族人類学者。フランス国立人口統計学研究所(INED)に所属。作家のポール・ニザンを祖父に持つ。L・アンリの著書を通じて歴史人口学に出会い、E・ル=ロワ=ラデュリの勧めでケンブリッジ大学に入学。家族制度研究の第一人者P・ラスレットの指導で、76年に博士論文『工業化以前のヨーロッパの7つの農民共同体』を提出。
同年、『最後の転落』で、弱冠25歳にして乳児死亡率の上昇を論拠に旧ソ連の崩壊を断言。その後の『第三惑星――家族構造とイデオロギー・システム』と『世界の幼少期――家族構造と成長』(99年に2作は『世界の多様性 』 (荻野文隆訳)として合本化)において、各地域における「家族構造」と「社会の上部構造(政治・経済・文化)」の連関を鮮やかに示す、全く新しい歴史観と世界像を提示。
新ヨーロッパ大全 』I ・II (石崎晴己・東松秀雄訳)(90年)では多様性に満ちた新しいヨーロッパ像を提示、『移民の運命 』〔同化か隔離か〕 (石崎晴巳・東松英雄訳)(94年)では家族構造が各国の移民問題に決定的な影響を与えていることを分析し、『経済幻想 』 (平野泰朗訳)(98年)では家族構造に基づく経済構造の多様性の認識から、アングロ・サクソン型個人主義的資本主義を唯一の規範とするグローバリズムを批判し、金融に過剰依存するアメリカ経済の脆弱さをいち早く指摘。
「9・11テロ」から1年後、対イラク戦争開始前の02年9月に発表された『帝国以後 』〔アメリカ・システムの崩壊〕 (石崎晴己訳)では、「米国は唯一の超大国」といった世界の一般的な対米認識に反して、「アメリカの問題は、その強さにではなく、むしろその弱さにこそある」と、アメリカの衰退、とりわけその経済力の衰退を指摘し、アフガニスタン攻撃に始まる米国の軍事行動を、自らの覇権を演劇的に世界に誇示するための「演劇的小規模軍事行動」と断定。28カ国以上で翻訳され、世界的大ベストセラーとなり、とりわけ独仏を中心とする、対イラク戦争反対の理論的支柱となった。
文明の接近 』〔「イスラームvs西洋」の虚構〕 E・トッド+Y・クルバージュ (石崎晴己訳)(07年)では、『帝国以後 』でのイスラム圏分析をさらに深化させ、出生率の下降と識字率の上昇を論拠に、「イスラム原理主義」の表層的現象ばかりに目を奪われる欧米のイスラム脅威論に反して、着実に進むイスラム圏の近代化を指摘。
デモクラシー以後 』〔協調的「保護主義」の提唱 〕(石崎晴己 訳=解説)(09年)では、サルコジ大統領誕生に体現されたフランス社会とデモクラシーの危機を分析し、「エリートが自由貿易体制に疑義を呈さないことが格差拡大、金融危機につながっている」と、需要を掘り起こし、ヨーロッパのデモクラシーを守る最後の手段として、均衡のとれた保護主義を提唱している。