ジャンル別目録


政治・社会

「アメリカ覇権」という信仰
ドル暴落と日本の選択

商品の詳細

「アメリカ覇権」という信仰

  • エマニュエル・トッド 加藤出 須藤功 倉都康行 榊原英資 浜矩子 ロベール・ボワイエ 井上泰夫 松原隆一郎 アラン・バディウ 的場昭弘 辻井喬 水野和夫 佐伯啓思
  • 石崎晴巳 訳 藤本一勇 訳 藤原書店編集部 編
  • 四六上製 248ページ
    ISBN-13: 9784894346949
    刊行日: 2009/7
  • 定価: 2,376円

忍び寄る、ドル暴落という破局。

危機の核心と中長期的展望を呈示する、気鋭の論者による「世界経済危機」論。

危機は、“底”を打っていない。ドル暴落こそ、今後あり得る最も深刻な事態である。
さしあたり暴落を食い止めているのは、世界の中心を求める我々の「信仰」なのだ。

購入数:

目次

はじめに

Ⅰ アメリカ覇権の崩壊 ――忍び寄るドル暴落という破局

1 「アメリカ覇権」 という信仰

―― 自由貿易主義からの脱却 ――

E・トッド (石崎晴己 訳)

2 ドル暴落は起こるのか?

―― 金融危機と急速に膨張したFRBの資産 ――

加藤 出

3 金融危機とFRBの歴史

―― アメリカは大恐慌から何を学んだのか? ――

須藤 功

4 金融危機とドル信認問題

―― ドル一極支配の行方 ――

倉都康行

Ⅱ 金融資本主義の崩壊 ――経済を支えるのは信用である

5 金融資本主義の崩壊と経済構造の転換

―― エネルギーと食糧の重要性 ――

榊原英資

6 恐慌の発生メカニズムとその後

―― カネとモノの乖離と原点回帰 ――

浜 矩子

7 金融資本主義の歴史分析

―― 危機は宿命ではない ――

R・ボワイエ + 井上泰夫

8 「信用」 とは何か?

―― 工学的に処理できない経済の主観的基盤 ――

松原隆一郎

9 「銀行を救え!」 という見せ物

―― 誰にとっての 「危機」 なのか? ――

A・バディウ (藤本一勇 訳)

10 金融危機をマルクス恐慌論から読み解く

―― すべては現状分析から始まる ――

的場昭弘

Ⅲ 将来を築くための価値観の転換 ――閉塞状況を打開する長期的ヴィジョン

11 金融の糾弾では見えない問題の本質

―― 10年は続く長いトンネル ――

辻井喬

12 グローバリゼーションと金融危機の意味

―― 長期の歴史から捉える ――

水野和夫

13 「経済」 という観念自体の転換

―― ケインズの未来予測 ――

佐伯啓思


執筆者紹介 / 訳者紹介・聞き手紹介

関連情報

■エマニュエル・トッド(Emmanuel TODD)■
1951年生。歴史人口学者・家族人類学者。フランス国立人口統計学研究所(INED)に所属。作家のポール・ニザンを祖父に持つ。L・アンリの著書を通じて歴史人口学に出会い、E・ル=ロワ=ラデュリの勧めでケンブリッジ大学に入学。家族制度研究の第一人者P・ラスレットの指導で、76年に博士論文『工業化以前のヨーロッパの7つの農民共同体』を提出。
同年、『最後の転落』で、弱冠25歳にして乳児死亡率の上昇を論拠に旧ソ連の崩壊を断言。その後の『第三惑星――家族構造とイデオロギー・システム』と『世界の幼少期――家族構造と成長』(99年に2作は『世界の多様性 』 (荻野文隆訳)として合本化)において、各地域における「家族構造」と「社会の上部構造(政治・経済・文化)」の連関を鮮やかに示す、全く新しい歴史観と世界像を提示。
新ヨーロッパ大全 』I ・II (石崎晴己・東松秀雄訳)(90年)では多様性に満ちた新しいヨーロッパ像を提示、『移民の運命 』〔同化か隔離か〕 (石崎晴巳・東松英雄訳)(94年)では家族構造が各国の移民問題に決定的な影響を与えていることを分析し、『経済幻想 』 (平野泰朗訳)(98年)では家族構造に基づく経済構造の多様性の認識から、アングロ・サクソン型個人主義的資本主義を唯一の規範とするグローバリズムを批判し、金融に過剰依存するアメリカ経済の脆弱さをいち早く指摘。
「9・11テロ」から1年後、対イラク戦争開始前の02年9月に発表された『帝国以後 』〔アメリカ・システムの崩壊〕 (石崎晴己訳)では、「米国は唯一の超大国」といった世界の一般的な対米認識に反して、「アメリカの問題は、その強さにではなく、むしろその弱さにこそある」と、アメリカの衰退、とりわけその経済力の衰退を指摘し、アフガニスタン攻撃に始まる米国の軍事行動を、自らの覇権を演劇的に世界に誇示するための「演劇的小規模軍事行動」と断定。28カ国以上で翻訳され、世界的大ベストセラーとなり、とりわけ独仏を中心とする、対イラク戦争反対の理論的支柱となった。
文明の接近 』〔「イスラームvs西洋」の虚構〕 E・トッド+Y・クルバージュ (石崎晴己訳)(07年)では、『帝国以後 』でのイスラム圏分析をさらに深化させ、出生率の下降と識字率の上昇を論拠に、「イスラム原理主義」の表層的現象ばかりに目を奪われる欧米のイスラム脅威論に反して、着実に進むイスラム圏の近代化を指摘。
デモクラシー以後 』〔協調的「保護主義」の提唱 〕(石崎晴己 訳=解説)(09年)では、サルコジ大統領誕生に体現されたフランス社会とデモクラシーの危機を分析し、「エリートが自由貿易体制に疑義を呈さないことが格差拡大、金融危機につながっている」と、需要を掘り起こし、ヨーロッパのデモクラシーを守る最後の手段として、均衡のとれた保護主義を提唱している。