サイトをリニューアルしました!5秒後に移動します。
http://www.fujiwara-shoten.co.jp/main/
サイトをリニューアルしました!5秒後に移動します。
http://www.fujiwara-shoten.co.jp/main/
home

“戦後文学”を問い直す、画期的シリーズ

戦後占領期
短篇小説コレクション

(全7巻)

〈責任編集〉
紅野謙介川崎賢子寺田博

四六変上製 予頁各296頁

senryoki

本全集の特徴

■1945年から1952年までの被占領期を1年ごとに区切り、編年的に構成した。但し、1945年は実質5ヶ月ほどであるため、1946年と合わせて1冊とした。
■編集にあたっては短篇小説に限定し、1作家1作品の原則で選択した。
■収録した小説の底本は、作家ごとの全集がある場合は出来うる限り全集版に拠り、全集未収録の場合は初出紙誌等に拠った。
■収録した小説の本文が旧漢字・旧仮名遣いである場合も、新漢字・新仮名遣いに統一した。
■各巻の巻末には、解説・解題とともに、その年の主要な文学作品、文学的・社会的事象の表を掲げた。


各 巻 構 成

※書名をクリックすると内容紹介をお読みいただけます

第1巻 1945-46年 (2007年9月刊)

平林たい子「終戦日誌」/石川淳「明月珠」/織田作之助「競馬」/永井龍男「竹薮の前」/川端康成「生命の樹」 /井伏鱒二「追剥の話」/田村泰次郎「肉体の悪魔」/豊島与志雄「白 蛾――近代説話」/坂口安吾「戦争と一人の女」 /八木義徳「母子鎮魂」
[解説]小沢信男

第2巻 1947年 (2007年6月刊)

中野重治「五勺の酒」/丹羽文雄「厭がらせの年齢」/壺井榮「浜辺の四季」/野間宏「第36号」/ 島尾敏雄「石像歩き出す」/浅見淵「夏日抄」/梅崎春生「日の果て」/田中英光「少女」
[解説]富岡幸一郎

第3巻 1948年 (2007年8月刊)

尾崎一雄「美しい墓地からの眺め」/網野菊「ひとり」/武田泰淳「非革命者」/佐多稲子「虚偽」/ 太宰治「家庭の幸福」/中山義秀「テニヤンの末日」/内田百フ「サラサーテの盤」/ 林芙美子「晩 菊」/石坂洋次郎「石中先生行状記――人民裁判の巻」
[解説]川崎賢子

第4巻 1949年 (2007年6月刊)

原民喜「壊滅の序曲」/藤枝静男「イペリット眼」/太田良博「黒ダイヤ」/中村真一郎「雪」/ 上林暁「禁酒宣言」/中里恒子「蝶蝶」/竹之内静雄「ロッダム号の船長」/三島由紀夫「親切な機械」
[解説]黒井千次

第5巻 1950年 (2007年7月刊)

吉行淳之介「薔薇販売人」/大岡昇平「8月10日」/金達寿「矢の津峠」/今日出海「天皇の帽子」/埴谷雄高「虚空」/ 椎名麟三「小市民」/庄野潤三「メリイ・ゴオ・ラウンド」/久坂葉子「落ちてゆく世界」
[解説]辻井喬

第6巻 1951年 (2007年10月刊)

吉屋信子「鬼火」/由起しげ子「告別」/長谷川四郎「馬の微笑」/高見順「インテリゲンチア」/ 安岡章太郎「ガラスの靴」/円地文子「光明皇后の絵」/安部公房「闖入者」/柴田錬三郎「イエスの裔」
[解説]井口時男

第7巻 1952年 (2007年11月刊)

富士正晴「童貞」/田宮虎彦「銀心中」/堀田善衛「断層」/井上光晴「1945年3月」/西野辰吉「米系日人」 /小島信夫「燕京大学部隊」
[解説]熨コ薫



【藤原書店PR誌『機』2007年5月号より】

「戦後占領期文学」とは
紅野謙介
占領時代の始まり
 1945年8月15日。日本にとって無条件降伏の日であり、大日本帝国の植民地であった台湾、朝鮮、満洲などの地域のひとびとにとっては解放の日であり、アメリカを始めとする連合軍にとっては勝利の日であった。
 この敗戦の日以後、日本はいまだかつてない歴史を体験することになった。連合軍による占領時代の始まりである。
 もちろん、戦時中を大日本帝国の陸海軍による日本の占領であったと言えないことはない。しかし、兵士は帝国臣民たちから徴兵され、陸海軍総司令部は日本人将校たちによって構成されていた。

情報の鎖国から
 しかし、その大日本帝国は崩壊し、その国境は大幅にぬりかえられたのである。死の恐怖は去ったものの、「内地」に復員兵や引揚げ者があふれ、貧困と飢餓、絶望と憤怒がうずまいた。
 同時にひとびとはそれまでの情報の鎖国から解き放たれた。戦時下とはまた異なるかたちで占領軍による情報統制、検閲があったにもかかわらず、ひとびとは粗末な紙に印刷された出版物に殺到した。そのような状況下でも多彩な花が咲いたのである。
 政治的には、占領軍と日本政府の虚々実々の協働作業によって、現在にいたるこの国のかたちが決まったのも、この戦後占領期である。

コレクションの特徴
 本コレクションは、1945年から1952年までの戦後占領期を1年ごとに区切り、時系列順に構成した。但し、1945年は実質5ヶ月ほどであるため、1946年と合わせて1冊としている。
 編集にあたっては短篇小説に限定し、1人の作家について1つの作品を選択した。
 収録した小説の底本は、作家ごとの全集がある場合は出来うる限り全集版に拠り、全集未収録の場合は初出紙誌に拠った。
 収録した小説の本文が旧漢字・旧仮名遣いである場合も、新漢字・新仮名遣いに統一している。

何をとらえ、何をとらえそこねたか
 敗戦から1952年にいたるこの未曾有の時期に、文学にたずさわるものたちは何を描き、何を見ていたか。何をとらえ、何をとらえそこねたのだろうか。
 小説はその時代に生きたひとびとの言葉と緊密な関係を結んでいる。
 きびしい制約のなかで書かれた短篇小説を通して戦後占領期をあらためて検証し、いまの私たちを問い返すため、「戦後占領期 短篇小説コレクション」全7巻を企画した。

(こうの・けんすけ/日本大学教授)
このページのトップへ