2007年11月01日

『機』2007年11月号:クローン病を知っていますか?

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●現代人に激増する難病、クローン病とは何か。

  クローン病は、私たち西欧の生活が現代のように変化したことがもたらした文明病と言えるでしょう。そして、年を追うごとに驚くべき勢いで患者数が増えてきています。長い間クローン病は非常にまれな病気であるとされていて、30年代までは名前すら持っていませんでした。発展途上国では、いまだにめったにお目にかからない疾患ですが、それらの国に住む人々が我々の生活様式を「取り入れた」ならば、そうとも言えなくなると思います。

どうしてそんなに大変なの?
◆クローン博士がこの疾患を見つけてから、クローン病はすごい勢いで増えているのです。1930年から70年までに2倍、それ以降今日までは3倍にもなっています。
◆痛みと下痢という主な症状は気が滅入るもので、どうとりつくろってみても、社会生活を送る上でばつの悪い思いをすることもあります。体力を消耗させもしますし、時として無気力感に襲われます。最悪の場合は命を脅かすことにもなるのです。
◆毎日のように患者さんが増え、新しい症状が現れています。数年かけて、調子が良くなったり悪くなったりを繰り返しながら慢性化する傾向にあります。
◆発症しやすい年齢は10歳から40歳までの間で、20代半ばでピークを迎えます。そのころと言えば、普通ならば、生涯のうちでもっとも活動的で創造的な生活を送る幸せまっさかりという時期でしょう。
◆ほんの数年前までは、10歳以下や60歳以上で発症する人は、ほとんど知られていませんでした。けれども、今ではこういった年齢で発症することも珍しいことではなくなってきています。
◆西欧化した国に住む人たちに多い傾向がありますが、原因がどこにあるのかはっきりとはわからないため、危険を取り除くことはできません。けれども、階層の貧富の差とは関係がないようです。ひとつの妙な手がかりとしては、飽食の人、美食家に増えている傾向にあるようです。
◆子供時代に発症すると、発育過程にずっと悪影響を及ぼすことになります。適切な治療を受けていない若者は、とかく背が低く性的に未熟であることが多いようです。
◆治療に対する前向きな選択肢はたくさんあるのですが、たちどころに治るといったものは今のところありません。
◆クローン病だと診断された場合、それ以後の人生を充実したものにするためには、とりもなおさず、すべての生活スタイルを組み立て直さなければならないということになります。

そこで本書の出番です!
 多くの疾患には、それに適したさまざまな治療法がありますが、ことクローン病に関しては特に、早期発見と、なるべく早く治療を始めることが大切です。その時期が早ければ早いほど、長い目で見ても短い目で見ても、結果は良好なのです。患者が信頼し一緒にやっていこうと思うような医療にたずさわる人々から提供される専門的医療と相まって、本書は読者がクローン病を理解し、これからの付き合い方をさまざまな可能な方法の中から選択する手がかりとなります。どんな治療を受けるのかを最終的に決めるのは患者さん自身なのです。本書は、あなたが、クローン病の患者さんであっても、その家族であっても、友人であっても、よりよくクローン病とつきあっていくために理解しておいた方がいいことを知る手助けにもなります。そうすれば、どういう治療を受けるのがいいのか決めやすくなります。

(Joan Gomez/精神医学)(構成・編集部)