2004年01月01日

『機』2004年1月号:『ブローデル歴史集成』とは何か モーリス・エマール

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今明かされる20世紀最高の歴史家の全貌!

F・ブローデル著/浜名優美監訳

第一巻 地中海をめぐって
第一巻は主にブローデル個人の教育、自己形成の初期の数年に対応する。論文と書評は、1927年以降の書や研究が中心である。それらは必然的に、まず1923年から1932年にかけてブローデルが教育に従事していた北アフリカに関わっている。そしてスペインとイタリアがあとに続くが、これらはブローデルの全生涯を通じて興味の対象であり続ける。

第二巻 歴史学の野心
第二巻は理論的考察で構成される。これらは、長い捕虜生活と『地中海』の継続的な著述の中で確立された。『アナール』という挑発的な、まったき新しさの中にあった雑誌への長期にわたる投稿や、1937年のリュシアン・フェーヴルとの出会いも、理論的考察をさらに究めるのにあずかっている。1948年の高等研究院第6部門創設後は、「より大きな歴史のために」、『アナール』誌の闘いに加わることになる。この第二巻収録の原稿は戦時中から晩年にまでおよぶ時期のもので、『地中海』、『物質文明・経済・資本主義』、『フランスのアイデンティティ』の三大著作と深く関わっており、その三大著作の予備的著述や未刊にとどまったいくつかのテクストである。

第三巻 日常の歴史
第三巻は、例のごとくフェルナン・ブローデルのきわめて多様な活動にふさわしく、より多様性に富んだものとなっている。そこには、彼のブラジルでの体験、フランスや外国の大学世界や学問世界と彼が結んだ関係、1970年までその編集の中心だった『アナール』誌、リセからコレージュ・ド・フランスに至るまで彼が教員として果たした職務、これらのことがらの足跡が相次いで見出されよう。