書評・紹介

帝国以後 アメリカ・システムの崩壊

7/4 日本経済新聞 朝刊及び電子版 「震える世界 英EU離脱を聞く 2」(著者インタビュー)

詳細ページへ

帝国以後 アメリカ・システムの崩壊

6/28 読売新聞「解説」欄 【鶴原徹也氏】

詳細ページへ

帝国以後

1/5 日経新聞「日曜に考える」欄 【菅野幹雄氏】

 見通しの利かない2014年が明けた。国際政治では米国の優位が一段と後退するなか、アジアでは中国が勢力伸長を狙う。欧州は債務危機からの立ち直りをめざし、中東やアフリカでは紛争がやまない。旧ソ連崩壊や米国衰退といった世界の潮流変化を的確に予想してきたフランスの歴史学者、エマニュエル・トッド氏に変わりゆく世界秩序をどう読むかを聞いた。

詳細ページへ

帝国以後

11/24 毎日新聞 「引用句辞典 不朽版」 【鹿島茂氏】

 「人間がより正確に言うなら、女性が読み書きを身につけると、受胎調節が始まる。現在の世界の人口学的移行の最終段階にあり、2030年に識字化の全般化が想定されている。1981年に世界全体の出産率指数は、まだ女性一人に対して子供3.7だった。このような高い出産率だと、地球の人口は急速に拡大することになり、低開発状態の継続という仮定は真実と考えられていた。ところが2001年に、世界出産率指数は女性一人に対して子供2.8に落ちたのである(中略)これらの数値からすればもはや明確に想定できる未来、おそらくは2050年には、世界の人口が安定化し、世界は均衡状態に入ることが予想できる」『帝国以後』より

 エマニュエル・トッドの『帝国以後』は、「アメリカ帝国」が見かけに反して経済的にも軍事的にもきわめて脆弱であり、両面からの崩壊は避けられないであろう、と2002年の時点で予言した本として話題を集めたが、本当に重要なのは右に掲げた長期的な展望の方である。
 というのも、ジャーナリズムで支配的な悲観的未来予測に真っ向から逆らうように、トッドは女性識字化と受胎調節の進展を根拠にして「バラ色の未来」を描いてみせるからだ。

詳細ページへ

帝国以後

週刊現代 11/20号 「わが人生最高の10冊」欄 【鹿島茂氏】

■最近読んだ1冊

トッドは人口がすべての社会の決定要因だと言っている。まさにその通り。残念ながら今後30年間は日本の繁栄はありません。その一方で、日本が生きていく道も示唆してくれる。マルクス以後に現れたもっともすごい本だと思う

詳細ページへ

帝国以後

6/27 朝日新聞 読書面 「ゼロ年代の50冊」欄

 本書はあまたある俗流反米本とは次元が異なる。著者はエマニュエル・トッド。識者アンケートで政治学者の広岡守穂さんが「家族形態がルネサンス後のヨーロッパ史の違いを決定づけたという『新ヨーロッパ大全』での説以来、彼の本には注目している」という人口学者、人類学者だ。
 識者アンケートで文芸評論家の田中和生さんが「9・11以降の新しい世界像をいちはやく提示した」と評価。読者の神奈川県・萩谷篤思さんは「人間は物事を実質より見かけやブランドで判断し、過ちを起こ犯す。日本人のアメリカに対する判断も同じかもしれない。沖縄基地問題などで検討する上で参考となる」、神奈川県の片山豊さんも「日米の同盟関係はこのままでいいのか考えさせられた」と書いてきた。

詳細ページへ

帝国以後

10/18 熊本日日新聞 「論壇」欄 【御厨貴氏】

詳細ページへ

帝国以後

6/7 日本経済新聞 特集「世界を語る」

■仏から見る新国際秩序
 仏元外相 ユベール・ベドリーヌ氏のインタビュー

詳細ページへ

帝国以後

11/10 東京新聞(夕刊) 「大波小波」欄

今回の金融危機の解説で一番信用できるのは、経済学者ではなく、歴史家のエマニュエ・トッドだ。しかも、金融危機が起こる前にその本質を突いていたのだ。アメリカのドルに投資しておけば安全だと世界中の金融機関が信じていた。だが今回、この根拠なき神話が完全に崩れた。近視眼的なエコノミストの目に、冷徹な歴史学者の目が勝っていたのである。

詳細ページへ

帝国以後

11/3 毎日新聞 「発信箱」欄 【福島良典氏(ブリュッセル支局)】

 乳児死亡率の上昇を論拠にソ連崩壊(91年)を15年前に予言したのは仏人口学者のエマニュエル・トッド氏。イラク戦争前に米国の衰退を論じた彼は今、民主主義の危機を警告する。
 「政治家が自由貿易体制に疑義を呈さないことが格差拡大、金融危機につながっている」

詳細ページへ

帝国以後

11/3 毎日新聞 「発信箱」欄 【福島良典氏(ブリュッセル支局)】

 乳児死亡率の上昇を論拠にソ連崩壊(91年)を15年前に予言したのは仏人口学者のエマニュエル・トッド氏。イラク戦争前に米国の衰退を論じた彼は今、民主主義の危機を警告する。
 「政治家が自由貿易体制に疑義を呈さないことが格差拡大、金融危機につながっている」

詳細ページへ

帝国以後

9/28 朝日新聞(夕刊) 「風雅月記」欄【平川克美氏】

 遅ればせながら、エマニュエル・トッドの『帝国以後』を読む。2003年の発行だが、4年を経てその言説はなお精彩あり。「世界が民主主義を発見し、政治的にはアメリカなしでやって行くすべを学びつつあるまさにその時、アメリカの方は、その民主主義的性格を失おうとしており、己が経済的に世界なしではやって行けないことを発見しつつある」。

詳細ページへ

帝国以後  「帝国以後」と日本の選択

11/9 産済新聞 「断」欄【富岡幸一郎氏】

 (ポール・)ニザンの孫の歴史学者エマニュエル・トッド氏が、日本は核武装の選択の可能性を考えるべきだ、と提案している。朝日新聞のインタビューである。……  トッド氏は、北朝鮮の核問題にふれながら、バランス・オブ・パワーの観点から、「一定の条件の下で日本やイランが核を持てば世界はより安定する」と言う。被爆国である国民感情はわかるが、米国と中国という「二つの不安定な巨大システム」の間にある日本は、核を所有することで、むしろ「戦争の巻き込まれる恐れはなくなる」とドゴール主義的な自説を堂々と展開している。

詳細ページへ

帝国以後

7/10 朝日新聞 「ランキンブック」欄

 Amazon.co.jp調べ(03.12.16.-04.06.15.の集計) 「外交・国際」部門 E・トッド『帝国以後』が第一位に。 ソ連崩壊を予言した著者が、イラク攻撃以降に「EU・ロ・日vs米」という新たな世界構造ができると予言し、フランスでベストセラーになった書。

詳細ページへ

仏歴史学・社会人類学者 エマニュエル・トッド氏 「主権移譲」は現実と乖離

7/9 日本経済新聞 「イラク再建と世界」欄【聞き手・奥村茂三郎氏】

 ――イラクに主権が移譲された。  「本当にそうだろうか。言葉と現実が乖離しているのではないか。米国はイラクの広範な地域で実家王的な支配力を失っていた。主権なるものを移譲された相手は米国の傀儡政権ではないのか」  「政治的なスローガンと現実の乖離は全体主義的な国家の特徴だ。現在の米国は旧ソ連とよく似ている。旧ソ連は東欧を次々に『民主化』し、『人民のために』東欧に軍隊を派遣した。それとどこが違うのか。米国の多くの知識人やマスコミまでがこれを『主権移譲だ』という」 ――――

詳細ページへ

帝国以後

7/7 「2004年夏休みに贈るベスト経済書50人が選んだ100冊」欄【井上礼之氏(ダイキン工業代表取締役会長兼CEO)】

 フランス、ドイツを中心とする「大陸ヨーロッパ」がアメリカという覇権国家をどのようにとらえているかがわかる。イラク問題をめぐるアメリカと仏独の外交的確執の思想背景も垣間見え、日本が国際社会に対してどう立つかという視座を提供する。

詳細ページへ

帝国以後

週刊東洋経済 7/3 号 「Books in Review」「テーマ書評」欄【奥村宏氏(経済評論家)】

 「帝国論」ばやりである。書店の店頭には政治、経済、社会、歴史のそれぞれのコーナーに「帝国」と題された本がたくさん並べられているし、いろいろな学会で帝国が論題として取り上げられている。  湾岸戦争、アフガニスタン攻撃のころから帝国に対する関心が世界的に高まっていたが、イラク戦争によってそれが一気に盛り上がった。 (中略)  しかし、現状では、「帝国」の規定はまさに百家争鳴、百人百様である。  現在の帝国論の関心は何よりもアメリカ帝国だが、アメリカ帝国は強いという常識に対して、その通念を徹底的にぶち壊しているのが、E・トッドの『帝国以後』である。

詳細ページへ

帝国以後

2/25 週刊文春 04.02.26.号 「私の読書日記」欄【米原万里氏(作家)】

 ×月×日  すでに1976年刊行の『最後の転落』で、ソ連の乳児死亡率の上昇からインフラ弱体化を見抜いてソ連崩壊を予言した人口学者&歴史学者のエマニュエル・トッドが、今度はアメリカ社会の貧富の格差拡大と低所得者層の乳児死亡率の異常な高さからインフラ弱体化→体制そのものの衰退を予測しているのが、『帝国以後――アメリカ・システムの崩壊』(石崎晴己訳 藤原書店 2500円+税)。  世界最強の軍事力と経済力を誇るアメリカが、アフガニスタン、イラク、イラン、北朝鮮などの軍事的にも経済的にも政治的にも弱小な二流国を「悪の枢軸」とか「世界的脅威」などと買いかぶり、目には見えない敵なる「国際テロリズムの脅威」を言い立てるのは、強大なアメリカという幻想を維持するための神話に過ぎないと、トッドは考える。 ・・・・・・

詳細ページへ

帝国以後

2/10 東京新聞 「大波小波」欄

・・・・・・  フランスの人口学者エマニュエル・トッド氏の『帝国以後』(藤原書店)の骨子だが、ここから連想することがある。つまり、もし世界全体が一国だとすると、アメリカは「軍部」だ。軍部はつねに紛争を欲し、国民経済に寄生しながら、政治的経済的特権を維持しようとする。  イラク戦争で、フランスもドイツも、その「世界的軍部」に異を唱えたが、日本にはそれができなかった。これもまことに演劇的な「北朝鮮の脅威」に過剰反応して、アメリカ追従に走る。「踊らされている」と思う。

詳細ページへ

シラク仏大統領のブレーンエマニュエル・トッド氏に聞く

2/5 東京新聞 「CULTURE」欄【三品 信氏】

 現代フランスを代表する論客の一人エマニュエル・トッド氏がこのほど来日した。歴史学と人口学を融合した独自の視点に立ち、すでに1970年代に超大国・ソ連の崩壊を予言。今日では「旧ソ連のアフガニスタン侵攻と同時に、イラク戦争はアメリカ破綻のきっかけとなる」と警告する。その世界観を聞いた。 ・・・・・・

詳細ページへ

「弱い」アメリカを問う 『帝国以後』の トッド氏来日

2/4 しんぶん赤旗 「断面」欄

 イラク戦争開始の半年前にフランスで出版した『帝国以後』(日本語版・藤原書店、石崎晴己訳)で、「アメリカの弱さ」に本質を見てその行動を批判したエマニュエル・トッド氏(仏国立人口学研究資料局長)が来日。このほど記念シンポジウム「『帝国以後』と日本の選択―対米従属からの脱却は可能か」が東京・渋谷区の青山学院大学で開かれ、約二百人が参加しました。 ・・・・・・  トッド氏の『帝国以後』はフランス、ドイツでベストセラーとなり、シラク大統領にも影響を与えたといわれます。アメリカの一国主義的軍事行動の異常さを率直に指摘するトッド氏の言葉を、日本で私たちがどう受けとめるのか、今ほど問われている時はありません。

詳細ページへ

フランスの人口学者 E・トッド氏に聞く

2/4 毎日新聞 「文化 批評と表現」欄【佐藤由紀氏、岸 俊光氏】

 米国の脆弱性を鋭くついた『帝国以後――アメリカ・システムの崩壊』(藤原書店)の著書でも知られるフランスの人口学者、エマニュエル・トッド氏が来日した。巨額の貿易赤字などに着目し、「帝国」支配を強める米国が、実は世界に依存している仮説を唱えている。アメリカ中心の議論からはうかがえない世界をトッド氏に聞いた。 ・・・・・・

詳細ページへ

帝国以後

1/29 週刊金曜日 04.1.23.号 「風速計」欄【筑紫哲也氏】

 冷戦が終わって「主敵」を失ったアメリカは無理矢理、「悪の枢軸」などの敵を作り、絶対に負けない弱い相手を選んで軍事行動を起こしているにすぎず(「演劇的小規模軍事行動主義」)、武力で世界全体を思いのままに動かすことはできない。国力を結局は決定付けるのは経済力だが、アメリカの経済の実態は健全とは言えず、世界中の資金フローの中心であることで支えられているにすぎない。「日本と中国の“点滴”でたもっているようなものだ」。  民主主義は“本場”のはずのアメリカで、とくに9・11以降、下降線を辿っているのに対し、ユーラシア全域では上昇方向に在る。  何よりも重要な点は、アメリカが市場やその主導するグローバリズムから言って世界を必要としているのに対し、世界は必ずしもアメリカを必要としないことだ――。  トッド氏はソ連の崩壊をいち早く予言したことで知られる歴史家、社会人類学者。  自分は「反米」でなく、むしろ「親米」だったと言うが、欧州人、特にフランス人のバイアスはあるかもしれない。が、「ドルと核(軍事力)と民主主義」の“三種の神器”を掲げて輝くしく見えた戦後のアメリカのイメージが、唯一の超大国になった今、むしろ色褪せて見えることは否定できない。

詳細ページへ

帝国以後

1/29 週間文春 04.1.29.号 「宮崎哲弥謹製 宮崎学習帳」欄

 E・トッド『帝国以後』(藤原書店、2500円+税)、M・イグナティエフ『軽い帝国』。どちらも「帝国未満」の脆弱性を指摘する。ところがアメリカへの提言は対照的。前者が「帝国化を諦めて、単なる超大国に戻れ」と諫めれば、後者は「もっとしっかりした帝国に成長せよ」と励ます。両者ともにリベラル派の論客というのが面白い。

詳細ページへ

帝国以後

1/27 公明新聞 「北斗七星」欄

 ブッシュ米大統領の一般教書演説を聞きながら、今月中旬、都内で聞いたフランス国立人口統計学研究所資料局長のエマニュエル・トッド氏の講演を思い返していた。『帝国以後――アメリカ・システムの崩壊』(藤原書店)は一昨年出版されるや、28カ国語に翻訳されて話題となっただけに待ち望まれた来日だった◆氏が注目されたのは1976年、人口統計学や人類学の視点から当時まだだれも予想しなかったソ連の崩壊を予言してから。その彼が同じ手法で今回はアメリカの衰退を指摘し、アメリカはもはや世界にとっての回答ではなく問題、などと論じているのだ◆そのような厳しい見方の氏は講演で「反米からでもないし、アメリカが悪の根源だという主張でもない」と断り、自説を展開した。今回、アメリカ観を直接耳にして、日本はよくアメリカのフィルターを通して世界を見ているといわれるが、小生自身も世界を見るのに圧倒的にアメリカ発の情報を基にしていると自覚させられた◆「アメリカ時代の終わり」にいついては議論があるだろう。その一助に同書は参考になる・・・・・・

詳細ページへ

人口学者E・トッド氏が見る イラク戦争後の世界

1/26 読売新聞 夕刊 【泉田友紀 記者】

 「アメリカは崩壊する帝国である」と論じた著書『帝国以後』(石崎晴己訳、藤原書店)で、大きな論創を巻き起こしたフランスの人口学者、エマニュエル・トッド氏(52)が来日した。「アメリカはもはや国際秩序の安定要因ではなく、秩序破壊の要因である」という論客の目に、イラク戦争後の世界はどのように映っているのだろうか。 ・・・・・・

詳細ページへ

フランスの歴史学者 エマニュエル・トッド氏に聞く

1/16 共同通信社配信 【聞き手:共同通信 軍司泰司氏】

 イラク戦争を経て世界はどう変わるのか。米国を中心とした世界システムの衰退を描き世界的ベストセラーとなった『帝国以後〔アメリカ・システムの崩壊〕』(藤原書店)の著者で人口統計学を専門とするフランスの歴史学者エマニュエル・トッド氏に聞いた。 ・・・・・・

詳細ページへ

帝国以後

12/21 東京新聞 「読書家アンケート 2003年私の3冊」欄【評者:塚原史(早稲田大学教授)氏/溝口敦(作家)氏】

 塚原史氏「アジア・アフリカ諸国の識字率の向上に伴う出生率の低下傾向から、世界はむしろ安定に向かっていると指摘し、不安定を望むのは軍事強国アメリカだけだと鋭く分析する。著者は来春、来日予定。」  溝口敦氏「世界がアメリカなしで生きられることを発見しつつあるとき、アメリカは世界なしでは生きられない、との分析は鋭い。唯一の超大国として軍事行動を正当化し、世界の中心に留まり続けようとするアメリカとそれに従属する日本。」

詳細ページへ

帝国以後

週刊 東洋経済 12/20 号 「2003年経済・経営書ベスト100」欄 13位

 奥村宏(経済評論家)氏「アメリカが世界を支配している、という通念に対する批判として。」/柴山桂太(滋賀大学経済学部講師)氏 ほか

詳細ページへ

帝国以後

12/8 朝日新聞 夕刊 「論壇 回顧2003」欄

 ネオコンの議論の前提となっているアメリカの国力が、実はあまり強くないとみるのがフランスのエマニュエル・トッド氏(中略)トッド氏は、アメリカの工業生産の衰えに着目し「アメリカは経済的・軍事的・イデオロギー的にあまりにも弱すぎる」という(『帝国以後』藤原書店)。

詳細ページへ

帝国以後

ことし読む本 いち押しガイド2004 〈リテレール別冊19〉 「リテレールが選ぶことしのいち押しガイド 244」欄

 本書は、数あるグローバリズム懐疑論、反アメリカ言論の中でも、分析/論旨展開の明晰さと説得力と視野の広さにおいて抜群である。記述はあくまで平明で具体的。反米言論の多くは、アメリカの勢力を誇張し、アメリカの実相を見誤っている。優れたアメリカ人研究者の自国分析研究の蓄積を援用しつつトッドが提示するアメリカは、経済的にはヨーロッパや日本の富に寄生依存し、軍事的には弱い国に脅しをかけることしかできない脆弱な張り子の虎である。自らの無能な寄生ぶりを維持しなければならないアメリカが世界に引き起こす混乱を、ヨーロッパとロシアと日本は手を結んで抑止すべきと、トッドは説く。

詳細ページへ

帝国以後

9/14 外交フォーラム 10月号 「書評フォーラム」欄 【評者:深川由紀子氏(東京大学教授)】

 「帝国以後」を「独立」して生きる戦略とは、日本にとってのユーラシア、すなわちロシア、中国、朝鮮半島など北東アジア周辺国との関係を考えることに他ならない。このところ流行している、英国型孤立の選択論などを含めて、さまざまな示唆に富んだ本だ。

詳細ページへ

帝国以後

8/3 文藝春秋 8月号 「文芸春秋BOOK倶楽部」欄 【評者:鹿島茂氏・福田和也氏・松原隆一郎氏】

 松原 これまでも、トッドの分析には経済学にとって目からウロコの新鮮さがありました。人口学をベースに、家族制度から世界経済の変化を読んでしまう。…  鹿島 すべての文明や国家には過渡期と最盛期と没落があるという主張は、シュペングラーの『西洋の没落』と似ていますが、トッドはさらに数字的指標を使うので説得力がある。  福田 …トッドはシラク政権のブレーンとして、その政策にも影響を与えています。今回のイラク戦争に対するフランスの立場を見る意味では、重要な本です。

詳細ページへ

帝国以後

8/2 週刊東洋経済 8月2日号 「日本の危機を読み解く101冊」欄

【ベスト経済書ランキング 第11位】  危うささえ感じさせるアメリカに対し、日本がどう対すべきか、考えるよすがとなろう。

詳細ページへ

帝国以後

図書新聞 8/2 号 「二〇〇三年上半期 読書アンケート」欄

 アメリカの強さを前提にアメリカ帝国論が盛んだが、その脆弱性から世界の統帥権失いつつあると指摘するトッドの方にリアリティーがある。【加藤一夫氏(エスニシティ論)】  世界の不安定化を求めて軍事化するほかはないアメリカ的システムの崩壊の可能性を指摘し、アメリカ「帝国」以外の世界は第三世界の識字率の向上とともに、むしろ安定にむかおうとしていると強調した【塚原史氏(二〇世紀文化論)】

詳細ページへ

帝国以後

7/6 朝日新聞 「書評」欄

 アフガニスタン、そしてイラクで人々はアメリカの圧倒的な軍事力を目撃し、強大な「帝国」の出現を感じ取った。しかし著者は、むしろアメリカの衰退を指し示す。(中略)識字率や人口動態を踏まえて世界情勢を展望し、ユーラシアのアメリカからの自立を示唆する。

詳細ページへ

帝国以後

週刊東洋経済 7/5 号 「ブックレビュー」欄【評者:奥村宏氏(経済評論家)】

 この本はまさに本格的な「反帝国」論とも言うべき本で、経済学者や政治学者の帝国論と違って構想雄大である。(中略)冷戦後の世界システムをどうとらえるか、という問題をこのような形で、説得力をもって展開した本はこれまでなかったのではないか。

詳細ページへ

帝国以後

6/27 公明新聞 「文化」欄 “『帝国以後』を支える思想”【石崎晴己氏(青山学院大学教授)】

 トッドの仕事の最大の意味は、マルクス主義による世界史解釈の代わりに、新たな世界史像を構築しようとすることと言うことができる。マルクス主義は生産力を歴史の原動力とするのに対して、トッドは家族制度を下部構造とし、経済的発展にも増して識字化という教育的・文化的発展を、歴史の推進力と捉える。さらに最近はますます、受胎調節による出産率(合計特殊出生率)の低下を重視するようになっている。『帝国以後』では、識字化の進展と出産率の低下による人口学的移行期(人口動態が後進国的増大から先進国的安定期に移行する期間)に、流血のイデオロギー的危機が起こることが、強調されている。イングランドのピューリタン革命やフランス革命、ナチズムや日本軍国主義、さらにはテロリズムで非難されるイスラム原理主義も、こうした移行期危機に他ならない、とトッドは言うのである。

詳細ページへ

帝国以後

6/24 号 榊原英資の通説を疑え 【評者:榊原英資氏(慶應義塾大学教授)】

 ヨーロッパの多くの知識人たちがアメリカをどう思っているかを知るには、格好の書である。こうした世論の背景があったからこそ、フランスとドイツはイラク戦争に強く反対できたのだろう。(中略)本書が興味深いのは、いわゆる反米、あるいは反戦の議論ではなく、著者が客観的にアメリカの脆弱性を鋭く突いているからである。

詳細ページへ

帝国以後

6/22 読売新聞 「書評」欄 【評者:白石隆氏(京都大学教授)】

 近年、アメリカ「帝国」論が盛んである。その出発点にはアメリカが強大な帝国となったという認識がある。本書は違う。本書は、アメリカは弱い、だから世界秩序攪乱の要因となっている、という。(中略)  冷戦の終焉とともに、アメリカとその同盟国のあいだの「力」と「合意」の均衡が変わり、いま同盟体制の再編が必要とされている。アメリカは「有志の連合」によってその行動の自由を確保しようとする。しかし、同盟国としてはそれでは困る。ではどうするか、そのひとつの考え方がここにある。おもしろい本である。

詳細ページへ

帝国以後

週刊読書人 6/20 号 刺激的かつ実証的な分析 【評者:荻野文隆氏(東京学芸大学教授)】

 東アジアの平和と安定のためになにをなすべきかを考えるときおそらくこれほど考慮に入れなければならない分析は他にはないであろう。とりわけアメリカ政府のイラク戦争へ向けた動きにいち早く賛同した日本政府のお膝元では。(中略)今日、日米関係が根底的に問い直される歴史的な位相に立った状況のなかで極めて示唆に富む必読の書である。

詳細ページへ

帝国以後

6/16 産経新聞 「書評」欄 【評者:越智道雄氏(明治大学教授)】

 ブッシュ政権でアメリカ外交が豹変したと見えたものが、実は二〇〇一年の「9・11」以前に発生していたことを、教えてくれる本である。(中略)著者の立論の厚みは、例えば、識字率向上と出生率の低下のリンクによる大衆の現実把握能力の向上、他方で寡占化していく各国資本体制が狙うメディアによる大衆の洗脳、このせめぎ合いの中に世界の将来がかかっている──という風に幾多の統計を近未来世界の解像に活用する手際によって保証される。

詳細ページへ

帝国以後

6/16 公明新聞 「BOOKS」欄 【評者:高橋進氏(東京大学大学院教授)】

 人口学と人類学の手法という独自の方法でアメリカを解析するユニークな視角は不思議な説得力を持っている。「アメリカ帝国」に関心を持もつとき、まずは読まれるべき本である。

詳細ページへ

帝国以後

日経ビジネス 6/9 号 「書評」欄 【評者:山本茂氏(みずほコーポレート銀行執行役員・与信企画部長)】

 本書は米国論であるが、それをはるかに越えた世界構造論と言ってよい。(中略)著者の言うような道を日本が選択することの是非はともかく、少なくとも世界経済構造とその背景にある政治的・軍事的事情をも視野に入れ、幅広く物事を見ていくことは必須である。そうした視点に対して本書は極めて示唆に富む。一読を薦めたい。

詳細ページへ

帝国以後

6/1 共同通信配信 【評者:橋本務氏(北海道大学助教授)】

 “帝国”アメリカの衰退を大胆に予測した本書は、さまざまな啓発に満ちた好著。これだけの予測をイラク戦争が始まる前に洞察し得たというのは驚きだ。

詳細ページへ

帝国以後

5/27 読売新聞(夕刊) 「『イラク戦争』からの問い」欄

 「軍事力は他国の協力がなくても行使できるが、経済は協力抜きだと何も動かない」と指摘するのは、昨年『デモクラシーの帝国』(岩波書店)を刊行した東大教授の藤原帰一。グローバル経済下では、確かに単独行動主義には限界がある。仏の人類学者、E・トッド『帝国以後』も米国の貿易収支赤字を例に、〈アメリカは世界なしではやっていけなくなっている〉と断じる。

詳細ページへ

帝国以後

5/26 しんぶん 赤旗 「読書」欄 【評者:本田浩邦氏】

 同時多発テロからイラク戦争を経て、多くの人々が国際社会におけるアメリカの地位を問い直し始めている。本書は「帝国」として世界に君臨し市場経済化と民主主義を押し進めるという従来の「強い」アメリカ像を否定し、むしろその弱さを強調することで現在の世界認識を組み直そうとした試論である。

詳細ページへ

帝国以後

5/22 日刊ゲンダイ 「新刊読みどころ」欄

 これまで不鮮明に濁っていた視界に、思いがけない角度から光が差し、にわかに見晴らしが開けてくる。エマニュエル・トッド「帝国以後」を読むと、まさしく、見えなかった風景が見えてきたときの高揚を思い出す。ものごとに理解が届くということは、こんなにも快感であったか。

詳細ページへ

帝国以後

5/18 日本経済新聞 「書評」欄 【評者:山内昌之氏(東京大学教授)】

 現在のイスラム世界の暴力と熱狂は一時的現象にすぎない。「イスラム圏は、自動的鎮静化の過程を通して、外からの介入なしに移行期危機から抜け出そうとしている」のに、米国が「全世界的テロリズム」という概念を強調するのは愚策だと批判する。  しかも米国という帝国は、古代アテネがデロス同盟を利用して自国を豊かにしたように、自由貿易体制や北大西洋条約機構などの枠を使って、貿易赤字をそのままに消費優位の経済を満喫していると冷笑する。(中略)本書は、独特の帝国論として読む価値があるだろう。

詳細ページへ

帝国以後

5/18 奈良新聞 「書評」欄

 資本主義が最終的にブロック経済に行き着くことは、レーニンの帝国主義論で定式化された理論である。ただ、共産主義が現実に適用できなくなった今日、トッドは新しいファクターに基づいて現代世界の新しい未来像を描いて見せた。本書はその理論的力作である。

詳細ページへ

帝国以後

5/11 毎日新聞 「書評」欄 【評者:養老孟司氏】

 ああ、これが読みたい本だったのだ。読み始めたとたんにそう思うことは、めったにない。(中略)ソ連崩壊後の世界について、これだけ乱暴かつ明快な仮説を私は読んだことはない。(中略)この本に書いてあることがすべて本当だなどとは、夢にも思っていない。しかし、こういうふうに考える「べき」なのである。仮説が間違っていれば、訂正すればいい。いまの日本の学会に欠けているのは、この種の思い切った仮説である。右も左も配慮して、穏当な意見を吐くのが学者の仕事だと私は思わない。それでは事実は現状の通りですといっているだけだからである。

詳細ページへ