書評・紹介
第4回後藤新平賞
7/13 産経新聞 「集う」欄
キャッチフレーズは「百年先を見通した男」だ。明治から昭和にかけてスケールの大きな政策を構想し、日本の近代化に寄与した政治家、後藤新平(1857~1929)。3年前に新設された「後藤新平賞」は、“現代の後藤新平”をたたえるのが目的という。
なぜいま後藤新平なのか。賞を主催する「後藤新平の会」メンバーで、元財務大臣の塩川正十郎氏(88)は「日本の社会、政治、経済全般を見渡して、やる気のある人がなかなか出てこないからだ」と語る。歴代受賞者は、台湾元総統の李登輝氏や国際協力機構(JICA)理事長の緒方貞子氏ら多士済々。そして今年の受賞者は世界的建築家の安藤忠雄氏(68)に決まった。
受賞理由には「安藤氏の功績は後藤新平に通じる」とある。関東大震災後に東京の街をデザインした後藤新平は、近代日本の“都市計画の父”といわれる。安藤氏も国内外の公共施設を手掛けてきたが、その活動は建築の枠にとどまらない。緑の少ない大阪で、3000本の桜を植える市民運動を成功させたほか、東京湾埋め立て地を森にする「海の森」基金の委員長も務める。都市環境の改善にも力を尽くしてきた。
授賞式で安藤氏は「われわれは意識的に地球のことを考えていかねばならない。後藤新平のように大きな仕事はできないが、人々の意識にちょっとでも影響を与える仕事ができたら」と語った。後藤新平関連の書籍を多く刊行する藤原書店の藤原良雄社長は「地球規模の建築家だ」と称賛。ノーベル化学賞受賞者で理化学研究所理事長の野依良治氏(71)も式典後の懇親会において、「日本の心を持ちつつ、世界に通じる若い人材を育ててほしい」と激励した。
第4回後藤新平賞の発表はこちらのページです。

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