『機』2010年7月号:“生きものらしさ”とは何か 大沢文夫

前号   次号  (前略)さて、自発性というのは自分でやるのだから、別に仲間とも関係なしに自分自身で勝手にやるのかと思ったら、そうでもなくて、仲間がいるかいないかでえらい違うんです。面白いことに、ゾウリムシは仲間がいない […]

『機』2010年7月号:松岡洋右から蘇峰への手紙 高野信篤

前号   次号  二〇〇六年夏、徳富蘇峰記念館にて、松岡洋右が「日米決戦」開戦直後に徳富蘇峰に宛てて送った書簡が発見された。満鉄総裁、国際連盟脱退時の全権代表、外相などを歴任し、三国同盟や日ソ中立条約の締結を実現した松岡 […]

『機』2010年7月号:「仮想戦争」とは何か 白須英子

前号   次号 9・11と「仮想戦争」  本書の冒頭には、たまたま積み残された9・11のハイジャッカーの一人の旅行カバンから発見された「最終的実行指令書」のような奇妙な文書が引用されている。この文書を「ハイジャッカーの心 […]

『機』2010年7月号:文豪ゾラの美術論 三浦 篤

前号   次号 論戦的な性格が強いゾラの美術評論  十九世紀フランスの美術批評家は、ゴーティエ、ボードレール、ゴンクール兄弟、マラルメ、ユイスマンスなど文学者で美術批評に手を染めるタイプと、トレ=ビュルガー、ビュルティ、 […]

『機』2010年7月号:知里幸恵(一九〇三―一九二二) 合田一道

前号   次号  アイヌ民族の知里幸恵(二十歳)が上京先の国語学者金田一京助宅で亡くなったのは大正十一(一九二二)年九月十八日。幸恵は金田一の勧めで古くからアイヌ民族に伝わるアイヌ神謡(カムイユーカラ)を執筆し、出版に向 […]

『機』2010年6月号:区別される身体 A・コルバン

前号   次号 客体としての身体と固有の身体  「われわれ人間が身体によって存在するというのは、奇妙なことだ。この世のどんなものとも同じように、身体の変化は人生の年齢にしたがって、そしてとりわけ死期が近づくにつれて知覚さ […]

『機』2010年6月号:一億ドルのピカソ絵画とは? 瀬木慎一

前号   次号 驚異的な高値  ご存知の読者には再告することになろうが、間もなく藤原書店から出版される『国際/日本 美術市場総観』という分厚い一冊の記録・分析集の仕上げに、今、私は没頭している。そのさなか、国際美術市場に […]

『機』2010年6月号:「戦後」というイデオロギー 高 榮蘭

前号   次号 日本の「八月」  一九九四年八月は、日本で過ごした初めての夏であった。未だに忘れられない衝撃を受けた暑い八月であった。六日は広島に、九日は長崎に原爆が落とされたこと、連合軍の大空襲、沖縄戦などについては歴 […]

『機』2010年6月号

目次 前号   次号 俳壇/歌壇の二大巨人が語り明かした対話録 俳句/短歌をつなぐもの 金子兜太+佐佐木幸綱 19世紀の刷新は身体に何をもたらしたか? 区別される身体 A・コルバン バブル崩壊から今日までの国際・日本美術 […]

『機』2010年6月号:大西瀧治郎 合田一道

前号   次号 敗戦を迎えて  太平洋戦争末期の昭和二十(一九四五)年三月、日本軍は乾坤一擲、飛行機ごと敵艦に体当たりする特攻作戦に踏み切った。この肉弾作戦はアメリカ軍を驚かせたが、戦果ははかばかしいとはいえなかった。そ […]

『機』2010年5月号:キリスト教の歴史 浜名優美

前号   次号 キリスト教の歴史現代をよりよく理解するために アラン・コルバン編 浜名優美 監訳  藤本拓也・渡辺優訳 A5上製 536ページ ISBN-13: 9784894347427 刊行日: 2010/05 定価 […]

『機』2010年5月号:後藤新平、都市論の系譜 青山 佾

前号   次号 都市デザインシリーズ 後藤新平とは何か――自治・公共・共生・平和 後藤新平歿八十周年記念事業実行委員会 編 〈解説〉青山佾 (特別寄稿)青山佾・陣内秀信・鈴木博之・藤森照信 四六変上製 288ページ IS […]