2018年08月01日

敗走と捕虜のサルトル 戯曲『バリオナ』「敗走・捕虜日記」「マチューの日記」

『ふらんす』8月号 【さわだなお氏】

 軍隊で、サルトルは様々な社会階層の人間との共同生活を営むことになり、それが戦後思想の出発点になるのだが、今回初めて邦訳されたテクスト群は、その経緯を雄弁に物語る。
(中略)
 正解はないが、自由な選択を通して、投企すること。メッセージを越えたメッセージが、クリスマス・プレゼントとして書かれた『バリオナ』には静かに響いている。