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「近代主義」と「近代批判」が表裏一体をなしていた戦後の社会思想を問い直す

社会思想史研究
特集:産業社会の倫理と政治

社会思想史学会年報 No.29

社会思想史学会編
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〈執筆者〉恒木健太郎/篠原洋治/小島秀信/植村邦彦/森政稔/日暮雅夫/細見和之/原田哲史/宮本真也/長谷川悦宏/伊藤綾/桐原隆弘/増井三夫/宇城輝人/生越利昭/只腰親和

A5判 208頁 2100円
2005年9月刊)
◇4-89434-475-0

【目次】

〈公募論文〉
〈生産力〉から〈生産倫理〉へ
        ――大塚久雄の言説の変遷と経済史的背景
恒木健太郎
フーリエの商業批判についての一考察
篠原洋治
市場的交換の観念体系
小島秀信
〈研究動向〉
唯物論と自然主義をめぐって――2004年のマルクス
植村邦彦
〈帝国〉の歴史的遍在と政治思想史の言説空間
森政稔
討議と承認からの境界設定――批判的社会理論の今日的展開
日暮雅夫
〈書 評〉
『現代日本思想論――歴史意識とイデオロギー』(安丸良夫著)
細見和之
『フリードリッヒ・リストと彼の時代――国民経済学の成立』(諸田實著)
原田哲史
『近代啓蒙批判とナチズムの病理
 ――カール・シュミットにおける法・国家・ユダヤ人』(佐野誠著)
宮本真也

〈公募論文〉
人類教の二つの解釈
長谷川悦宏
諦念としての歴史哲学――ジョゼッペ・フェッラーリの歴史理論
伊藤綾

〈戦後世代人間学〉とマックス・シェーラー――カント的人間像の復権
桐原隆弘
〈研究動向〉
問い直される教育の歴史表象と歴史認識
 ――比較教育社会史研究の最近の論議――
増井三夫
進 化――生物と社会と
宇城輝人

〈書 評〉
『プーフェンドルフの政治思想――比較思想史的研究』(前田俊文著)
生越利昭
『トマス・リード――実在論・幾何学・ユートピア』(長尾伸一著)
只腰親和

【藤原書店PR誌『機』2005年10月号より】

響き合う共鳴盤
寺田光雄

 社会思想史学会の創立から三十年近くになる。様々な専門分野の思想史研究者の学際的集まりとして結成されたが、長い間その学際性が有効に働いてこなかった。近年ようやくそれを有効に機能させようとする気運が生まれてきた。それだけ思想史研究の学問世界での位置や役割が明確化するものと思う。『社会思想史研究』に新たに研究動向欄を設け積極的に位置づけてきたのもその一つの表明である。
 今年のNo.29の目次を下に示した。研究動向も書評も一見バラバラな対象や論理次元のものを扱っているかに見えるかも知れないが、各分野でのリアリティ追究は相互に共鳴盤を響かせている。特集枠は編集委員会が示した一つの響きで、日本の「戦後啓蒙」に絡む思想史研究を見直してみた時に顕在化する問題群をここに看取できる。
 また主に若い研究者の原稿からなる公募論文には時に新しい時代感覚も垣間見られる。
(てらだ・みつお/社会思想史学会編集委員)


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