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現代世界の最良の案内書

イラクの未来

世界を読み解く '04

I・ウォーラーステイン
山下範久訳
Now Printing

泥沼のイラク戦争、化かし合いの核開発、先の見えない中東和平、ますます激化する反グローバリズム運動――国際ニュースの裏に蠢く「歴史の力学」を明快に分析!

A5並製 184頁 2100円
2004年9月刊)
◇4-89434-408-4


《目次》
始まりの終わり
「衝撃と畏怖」?
「西」世界はまだ存在しているのか?
帝国と資本家
愚策か、賢策か
行く先のない道
行方不明の兵器についての常識
ブッシュはいつ倒れるのか?
サダム・フセインは負けたのか?
英国国教会、北と南
ブラジルと世界システム――ルラの時代
本国で苦境に陥るブッシュ
カンクン――新自由主義攻勢の崩壊
オサマの勝利
ボリビア、ブッシュ、そしてラテンアメリカ
イラク問題における「現実」とは?
イラクの未来
自由貿易の両義性
二〇〇三年――ブッシュの年
二つの報告の物語
湧き上がる世界社会フォーラムの力
泥沼におちいった戦時大統領
核拡散外交――国家間のゲーム
ハイチ――二百年後のクーデター

《関連書》
I・ウォーラーステイン関連書



I・ウォーラーステイン

 現時点でアメリカはイラクに何を望んでいるのだろうか? どういう意味であれ、ともかくも民主主義を望んでいるのだろうか? ほんとうにはちがうだろう。アメリカがほんとうに求めているのは、国内の秩序を首尾よく維持することができ、また世界の舞台で事実上のアメリカの同盟国となるような融通のきく政権である。すなわち、イスラエル/パレスチナ関係に大きく関与するようなことがなく、フランス、ロシア両国にアメリカを越える経済的優位を与えず、イスラム原理主義者や「テロリスト」にとっての天国にならず、核兵器の開発を行わないような体制をアメリカは求めているのである。つまり事実上エジプトやヨルダンのような体制を求めているのだ。もちろんアメリカは、アメリカがのぞめば、国内にアメリカの基地を置くことを認める体制も求めている。その他の点(反対運動の権利、市民権、女性の権利)については、アメリカの敷くイラクの体制が国際的にアメリカの動きを制限するようなことをしでかさない限り、アメリカはかなり無頓着である。(本文より)