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現場からの声が満載!

循環型社会を創る

技術・経済・政策の展望

日本エントロピー学会編
責任編集=白鳥紀一・丸山真人
Now Printing 

 家電、アルミ缶、ペットボトル、コンクリート等のリサイクルの現場に立ち、また家庭ごみや有機農業を通して地域での循環を考える多彩な執筆陣が、真の循環型社会実現をめざして具体的な視座を呈示!

菊変並製 288頁 2520円
2003年2月刊)
◇4-89434-324-X



【書評・紹介】

  • 「週間朝日」 4/11号 “週間図書室”欄
  • 2003年3月30号 “毎日新聞”書評欄
  • 「ポリマーダイジェスト」 3月号 “ブックサロン”欄

  • 《目次》

    1 循環型社会とは―――法と政策
        染野憲治/辻芳徳/熊本一規/川島和義

    2 リサイクルシステム――経営と課題
        筆宝康之/上野潔/菅野芳秀/桑垣豊/秋葉哲/須藤正親

    3  物質循環――技術と評価
        井野博満/松崎早苗/中村秀次/原田幸明

    4 循環経済へ──理念と展望
        松本有一/森野栄一/篠原孝/丸山真人

    (付)循環型社会を実現するための二〇の視点

    【藤原書店PR誌『機』2003年2月号より】

    政府主導の「循環型社会」を実践レベルで問い直す!

    物質循環の実態と展望
    白鳥紀一

    人口の循環・自然の破壊

     循環型社会形成推進基本法が施行されて、三年近く経った。循環型社会という言葉も、国内ではよく聞かれる。さて、その内実はどうだろうか。
     物質を循環させるというのは、そう簡単に出来ることではない。植物が二酸化炭素を固定してグルコースを作り、動物がそれを利用して二酸化炭素にする炭素循環などを例に挙げて、人工的な物質循環も可能である、という人がいる。原理的にはそうだけれども、実際には至難なことだ。物質を循環させるには、エネルギーの流れが必要である。炭素循環の場合は、最初に植物が太陽エネルギーを化学的なエネルギーとして固定してくれているから、後はそのエネルギーを利用できる。要所要所でそのエネルギーを用いて物質を動かすのがそれぞれの生物種であり、それらの動きが全体として循環になったとき、生態系ができあがる。
     ところが人間の活動では、最初に投入したエネルギーは散逸してしまって、残らない。金属の製錬のように一部が化学エネルギーに変換される場合も、そのエネルギーは以後ほとんど利用されない。だからリサイクルは、人間がさらにエネルギー(従って費用)を使用して行わなければならない。それが全体として環境の保全に役立つかどうかは、疑問である。
     循環型社会は、自然が作り上げている物質循環の体系に便乗するのでなければ、形成することが出来ないだろう。そのためには、自然の物質循環を損なわないように、技術の粋を尽くさなければならない。これまでの経済成長を支えてきた技術体系にはその視点はないから、今の技術体系は製品の設計・生産段階から根本的に変更する必要がある。廃棄物をうまく分別して集める社会的なシステムも必要である。それらは、単に原理的ないし希望的にではなく、具体的に現状に即して、検討する必要がある。さらにいえば、自己の利益を求めてどこまでも経済を拡大してゆこうというエゴのぶつかり合いでできている今の社会体制の変革がなければ、循環型社会は出来ないだろう。

    より具体的なアプローチを

     エントロピー学会は二〇〇一年春に『「循環型社会」を問う――生命・技術・社会』を藤原書店から出版して、どういうものが持続可能な循環型社会であり得るかを原理的に論じた。エントロピーをキーワードとして環境問題の本質を、単に技術的あるいは道徳的な問題としてではなく、生命や技術や経済や人間関係から多角的に論じたものである。幸いこの本は好意をもって迎えられ、大学などのいろいろなレベルの講義でも教科書として用いられた。それを踏まえてエントロピー学会では、二〇〇一年秋のシンポジウムを本と同名の『「循環型社会」を問う』というタイトルで開いた。原理的な考察にとどまらず、法律や技術の現状に具体的にあたって、今後の展望を論じたのである。前後に開いた研究会を含めて、このシンポジウムでの講演と議論を纏めたのが『循環型社会を創る』である。大きく四部構成で、法と政策、リサイクルシステムの経営と課題、物質循環の技術と評価、循環経済への理念と展望、について述べている。
     さらに、「循環型社会を実現するためのの視点」を追加した。これは、このシンポジウムを組織する過程で討論の素材の一つとして実行委員会で作った案を、シンポジウム後さらに改訂したもので、エントロピー論の基本から技術・経済・法律の具体面まで、エントロピー学会の二十年の活動の当面の纏めである。
     前著と同じく、これもまた楽しみながら活用して頂ければ幸いである。

    (しらとり・きいち/物理学)

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