- 『山口民報』12/22『読書帖』のコーナーで、『閑人侃語』が紹介されました。
「著者は人も知る中国古典文学の碩学。「かんじんかんご」と読む題目を自ら解説して「世捨て人の憎まれ口」というが、該博な教養世界から現代を射る風刺の矢は冴える。」
- 『週刊ダイヤモンド』12/21号『経済学者・経営学者・エコノミストが選んだ2002年 ベスト・オブ・経済書』のコーナーで、『マルクスの遺産 アルチュセールから複雑系まで』(塩沢由典著)が12位に選出されました。
「本書はマルクスから学びながら、同時にマルクスに学んで誤らないためにマルクスの誤りを明らかにし、その認識を自らの理論に組み込もうとする著者の知的誠実さを強く感じさせる(安藤金男氏・名古屋市立大学教授)マルクス主義経済学の成果と問題点を独自の視角から分析(岩田勝雄氏・立命館大学教授)絶えず新しい経済学を切り開いてきたパイオニアからの、中身の濃いメッセージ(玉井金五氏・大阪市立大学教授)」
- 『週刊読書人』12/20号にて、『読む事典・女性学』が紹介されました。
「とりわけ目を引いたのが「売春」(最近日本ではフェミニズムや女性学に関心のある向きは「買売春」という表現を使うが)という項目が二つあることであった。この事実は事典として特筆に価する。なぜ二つあるのか。序の訳文を借りれば、「今日の政治的、社会的状況と結びついた」論争における、「二つの視点を、二つの相矛盾する項目として呈示している」からである。このような芸当は「批判的」事典であるからこそ可能であった。」【評者:支倉寿子氏】
- 『週間文春』12/19号 鹿島茂氏が「私の読書日記」欄にてゾラ・セレクション第十巻『時代を読む 1870-1900』を紹介されました。
「一読した印象は、さすがルポルタージュ文学の鼻祖だけあって、後に小説に使われる細部がよく調べ上げられているということである。(中略)しかし、一番興味深かったのは、政治状況に関する共和主義者ゾラの認識である。」
- 『朝日新聞』(夕刊)12/16 文化欄にて、山田登代子氏が「真珠夫人に映るバルザック」という記事で菊池寛の『真珠夫人』とバルザックとの関連性を示唆。バルザック「人間喜劇」セレクション『娼婦の栄光と悲惨』を紹介して下さいました。
「実際、『真珠夫人』はバルザック・インパクト絶大である。まずタイトルだ。先の『(バルザック「人間喜劇」)セレクション』には飯島耕一訳の大長編『娼婦の栄光と悲惨』が収められているが、このヒロインが真珠夫人を思わせる。男という男を魅了する美貌の娼婦エステルは青年リュシアンに宿命の恋をして、汚れた我が身を悔い、恋人に身も魂も捧げつくす。作中バルザックはこの可憐な娼婦を「海底の真珠」にたとえている。一度読むと忘れ難い印象を残す個所で、『真珠夫人』のタイトルはこれに想を得たものにちがいない。」
- 『ふぇみん』12/15号にて、『読む事典・女性学』が紹介されました。
「非常に多様な領域の議論を、全て読破するというのは骨が折れるが、各領域の研究者が、ヨーロッパのフェミニズム地図を入手し、方向性を探るためのガイドブックとしては格好の一冊。」
- 『聖教新聞』12/11 書評欄にて『いま、なぜゾラか』が紹介されました。
「ナポレオン三世統治下のフランスには、経済発展と技術革新による活気の一方で、世紀末の不安があった。ゾラは「一行モ書カヌ日ハ一日モナシ」と、あらゆる事象に興味をもちち、民衆を描いた。」
- 『東京新聞』12/8 書評欄「出版情報」のコーナーにて『ゾラ・セレクション』の刊行開始が紹介されました。
「フランスを代表する十九世紀の自然主義作家エミール・ゾラの没後百年を記念して、藤原書店から「ゾラ・セレクション」の刊行がはじまった。」
- 『毎日新聞』12/8 書評欄にて『ゾラ・セレクション』の刊行開始が紹介されました。
「19世紀のフランスで活躍したエミール・ゾラの『ゾラ・セレクション』の刊行が始まった。(中略)未翻訳作品を中心にゾラの知られざる側面を取り上げている。」
- 編集工学研究所HP『isis立志編』、「松岡正剛の千夜千冊」のコーナーにて、『声の文化と文字の文化』が紹介されました。
「…本書は、今日の言語文化を考えるときの、マクルーハンの『グーテンベルクの銀河系』やアンドレ・ルロワ・グーランの『身ぶりと言葉』と並ぶ見過ごせない拠点になっている。」【評者:松岡正剛氏】
- 『ADDICTAM』12月号、「某月某日の人びと 阿部寧の社交日記」のコーナーで『時は流れて 日中間系秘史五十年』(劉徳有著)が紹介されました。
「劉さんは、毛沢東、周恩来、ケ小平と日本の要人との会談に通訳として立ち会ってきた。一九三一年大連生れ。これほど上品で格調ある日本語を淀みなく話せる人は、昨今、日本人にも少なくなったのではないか。敬語完璧、かつ俗語にも通じている。」【評者:阿部寧氏(音楽評論家、劇団四季取締役)】
- 『ADDICTAM』12月号で『言語都市・パリ 1862-1945』が紹介されました。
「一八六二年から一九四五までの期間に限っても、日本からどれだけ多くの人物がパリに渡ったことだろう。政治家、文学者、芸術家……日本の近代史に名を残すことになる人たちが本書に次々と登場する。パリこそが近代日本を作ったのかと錯覚するほどだ。」【評者:宮岡晃洋氏】
- 『AERA』12月2日号、「ゾラ、よみがえる文豪」というタイトルで『ゾラ・セレクション』刊行の特集記事が掲載されました。
「フランスでは、偉大な作家が死んでから無視されることを、「煉獄に落ちる」と表現している。しかし、フランスの高校生や大学生の愛読書のトップには、フローベールやモーパッサンを抑えてゾラが君臨しているというし、どうも「煉獄に落ちてしまった」日本の読書事情とは違うようだ。…セレクションは2年がかりで完結する予定だが、自然主義作家というイメージが払拭されることだろう。」【評者:福島義雄氏(AERA編集部)】
- 『読売新聞』11/24 書評欄「出版アラカルト」のコーナーにて、『ゾラ・セレクション』の刊行が紹介されました。
「バルザック・フロベール、プルーストの作品のほとんどが日本語で読める現在、仏文学の最後の巨大な未踏峰。その本質を知る絶好の機会だ。」
- 『毎日新聞』11/24 「本と出会う──書評と紹介」欄にて、『脱グローバリズム宣言 パクス・アメリカーナを越えて』が紹介されました。
「原著のタイトルが実に示唆的。つまり、『世界化と諸調整──アメリカ的特殊性に直面したヨーロッパと日本』。グローバル化が進む中で、各国経済は画一化しているのではなく多様化している、それゆえ「諸調整」。ともすればアメリカ的なるものが「普遍的」かつ「標準的」とされるのに対して、むしろ「アメリカ的特殊性」。アメリカ主導の画一化といったニュアンスのある「グローバリゼーション」に代えて、あえて「世界化」。「ワン・ベスト・ウェイ」たるアメリカ・モデルという思考法を相対化する視点を一二人すべてが共有している。」
- 『朝日新聞』夕刊 11/19 文化欄、高橋伸彰氏(立命館大学教授)の論説の中で『大反転する世界』が引用・紹介されました。
「ここで偏差値を所得=貨幣に、また教育の機会をモノやサービスの消費に置き換えれば、小泉内閣が目指す経済社会の姿が透けて見えてくる。それはミシェル・ボーの言う「購買力の裏付けある欲求、すなわち金銭的ないし所得支出の対象となり得るものしか着目されない」(『大反転する世界』藤原書店)社会である。」
- 『週刊エコノミスト』11/12号 「Book Review」欄にて『脱グローバル宣言 パクス・アメリカーナを越えて』が紹介されました。
「本書全体が、現実がグローバリゼーション的一元論ではなく、さまざまな多様化であることあることを強調するものとなっており、一読に値する論文集だ。」【評:侘美光彦氏】
- 『朝日新聞』夕刊 11/5 「テーブルトーク」欄にて、『脱グローバル宣言 パクス・アメリカーナを越えて』の訳者、山田鋭夫氏のインタビューが掲載されました。
「「経済学とは何だろう」と考える。経済史家の故内田義彦が言う「作品としての社会科学」に共感する。文学作品は一般読者に読んでもらって価値があるものになる。「経済学もまさにそう。学者向けの論文だけでなく、市民が世界を見るための道具として役立ててくれればいいのですが。」」
- 『日本近代文学』 二〇〇二年10月号にて『言語都市・パリ 1862-1945』が紹介されました。
「日本人のパリ体験について論じた書物は少なくない。美術史・比較文学の分野のみならず、日本文学研究の領域でも個別の作家研究において進められてきた。本書は日本近代文学研修者による、文学者の体験を「特権化」「自明の前提」とせずに網羅的概括的に取り上げる、画期的な試みの実践である。」【評者:南明日香氏】」
- 『毎日新聞』京都版 10/29 で、11/2に開催されるシンポジウム「都市の再生と『水の循環』」と、7月に小社より刊行された『水の循環 地球・都市・生命をつなぐ“くらし”革命』が紹介されました。
「水問題に長年取り組んできた関西の市民運動家や研究者が、来春の世界水フォーラムに向けて“水ヴィジョン”を提唱する『水の循環』を刊行した。水道水からのトリハロメタン追放、淀川や大和川、大阪湾の汚染などに取り組んできた「関西水系連絡会」代表の山田國廣・京都精華大教授や同会事務局の本間都さん、大阪市職労の加藤英一さん、鷲尾圭司さん(京都精華大教授)の4人が執筆した。 …高い水道料金やダム問題、下水道など生活の中の水を考え、「水の循環」を提唱する。」
- 『朝日新聞』(夕刊) 10/23 「文化」欄にて『ルイ・アルチュセール 終わりなき切断のために』の著者、E・バリバール氏のインタビューが掲載されました。
「私が何よりも重要と考えているのは世論の国際化だ。メディアのグローバル化は急速に進んでいるが、市民レベルの世論の連携は立ち遅れている。世界のさまざまな場所で起きていることに他の地域の人たちも感心をもち、議論していく。(中略)知識人の役割は暗がりにあるものを明るい場所に出すことだ。情報化で大量の情報はあふれているが、逆に世界は不透明になっている。メディアの影にある部分に光を当て、他の選択肢を示していく。そのためには自分の専門に閉じこもるのではなく、知識人も変わらなくてはならない。」
- 『朝日新聞』中部版 10/23 「近況・心境」のコーナーで『脱グローバリズム宣言 パクス・アメリカーナを越えて』の訳者、山田鋭夫氏(名古屋大学教授)のインタビューと書籍の紹介が掲載されました。
「日本で経済の問題が論じられるとき、視点は日本と米国しかない。歴史と文化豊かな欧州の視点を入れることで新たなことが見えてくる。」
- 『北海道新聞』(夕刊) 10/21 「今日の話題」のコーナーで『時は流れて 日中関係秘史五十年』が紹介されました。
「「日中関係秘史五十年」の副題の通り、激動の戦後日中関係の舞台を間近にみつめ、時には脇役も果たした劉さんならではの貴重な証言が詰っている。(中略)友好の井戸を掘った人々の息づかいを伝える好著だ。」
- 『読売新聞』 10/13 「本 よみうり堂」のコーナーで『時は流れて 日中関係秘史五十年』の著者、劉徳有氏のインタビューと書籍の紹介が掲載されました。
「毛沢東と日本国会議員団との会見、周恩来と松村謙三の車中会談…。数々の歴史的場面で、日中の言葉をつないできた。「毛主席は、一言一言に深い意味を込められることが多かったですね。周首相は『気配りの人』。夜昼問わず、たくさんの人に会っていらっしゃいました。緊張もしましたが、本当に貴重な体験でした。」日中国交正常化から今年で三十周年。その成立過程を、いつも意思決定のごく近いところから見てきた。本書は著者の個人史でありながら、日中の歴史を現場から報告した関係史にもなっている。」
- 『毎日新聞』10/7 「ひと」欄にて『時は流れて 日中関係秘史五十年』の著者劉徳有氏がおおきく紹介されました。
「毛沢東、周恩来、劉少奇、郭沫若各氏の通訳を務めた「歴史の目撃者」として、自身の体験を外交関係に絞って叙述している。「国交回復はそう簡単にできたわけではありません。両国の心ある人々の苦労が重なりあって作りあげたものなのです」(中略)そして、友好事業に携わる人々が世代交代を迎える中で、耳の痛いことも言い合える仲になるべきだと力説する。」
- 『熊本日々新聞』 10/06 「書評」欄にて『午睡のあとで』が紹介されました。
「いかにもくだけた座談術、それもわざとらしさが、まるでない。「午睡のあと」そのままの、くつろいだ語り口で、書物をきっかけとしながら、話題は古今東西に移動して、アカデミックな重苦しさなど、いささかもない。」
- 『読売新聞』10/06 「出版アラカルト」のコーナーにて『叢書〈世界システム3〉 世界システム論の方法』が紹介されました。
「世界システム論の草分け、イマニュエル・ウォーラーステイン氏が、世界システム論に関する研究者の諸論文を編集したシリーズ叢書〈世界システム〉(全5巻)の刊行が、久々に再開された。先月刊行の第3巻『世界システム論の方法は、研究法の精髄を紹介している。』」
- 『東京新聞』10/02 「人・仕事」欄にて『時は流れて 日中関係秘史五十年』が紹介されました。
「著書では、じかに見聞した日中交渉の現場を、両国の政治家や文化人らの逸話をまじえてつづった。(中略)一貫して訴えるのは「苦労して積み上げた日中関係を大切にしなくては」という強い思いだ。「両国の関係の安定はアジアや世界の平和に貢献します。今後も両国の間に摩擦や波風はあるかもしれませんが、大局を見失わないことが大切です。」」
- 『読売新聞』夕刊 10/1
シンポジウム「21世紀・沖縄のグランドデザインを考える」のコーディネーターをつとめられた川勝平太氏が「沖縄百年の体計」という記事でシンポジウム全体の報告を行なって下さいました。
「基調講演に立ったのは、沖縄出身の新進の経済学者・松島泰勝氏と、当代切って
の論客・櫻井よし子氏である。松島氏は、前近代から現代までの沖縄を概括した近著『沖縄島嶼経済史』での考察にもとづいて、沖縄の未来は「内発的発展と海洋ネットワークにある」と主張した。内発的発展とは、せんじつめれば、本土からの援助漬け体質との縁切りであり、沖縄を道州制の一単位とした準独立論である。海洋ネットワークとは、沖縄のアイデンティティである「万国の津梁」を言いかえたものであり、西太平洋にひしめく多くの島国との<津々浦々の連合である。」
- 『昭和文学研究』 二〇〇二年九月号にて『言語都市・パリ 1862-1945』が紹介されました。
「関連する本や雑誌資料も丹念に集められているので、巻末の人名索引を眺めるだけでも刺激的であり、多数の日本人の言語によるパリのイメージの一大集成となっている」【評者:中沢弥氏】
- 『日本経済新聞』 9/29
『時は流れて 日中関係秘史五十年』の著者、劉徳有氏のインタビューが掲載されました。
「…中国には『一山不容二虎』(ひとつの山に二匹の虎は相いれない)との言葉があるが、両国は二頭の馬となり、未来に向かってともに疾走する必要がある。両国の繁栄はアジア地域全体の発展をもたらす。われわれにはその責務がある。」
- 『毎日新聞』 9/29「ウィークリー文化 批評と論点」欄にて、『沖縄島嶼経済史 一二世紀から現代まで』の著者、松島泰勝氏(東海大学助教授)により、去る9/7に行なわれたシンポジウム「21世紀・沖縄のグランドデザインを考える」についての論評が掲載されました。
「・・・21世紀、沖縄は新たな道を歩み出す必要がある。日本の財政状況は逼迫しており、地方への補助金は確実に減少するだろう。これを好機として沖縄は、中央政府から税源、権限を獲得し、沖縄州を形成する。中央集権体制から離脱して、沖縄の地理的有利性や、独自な法制度を活用した海洋ネットワーク型の産業(生業)を発展させる。(中略)「豊かさ」はすでに沖縄の中にある。経済指標という数字を追い求めて、沖縄を開発するのではなく、人間として充実した生活や働く場所を内発的につくり出し、海洋世界の中で自立した経済(経世済民)の礎を築くことが、今後百年における、沖縄らしい発展のあり方だと考える。」
- 『赤旗』9/25 「学問・文化」欄にて、今11月より刊行予定の『ゾラ・セレクション』が編者の一人である宮下志朗氏によって紹介されました。
「ゾラの代表作は、第二帝政期を時代背景とした《ルーゴン・マッカール叢書》全二十巻である。このシリーズがユニークなのは、南仏の町に住むアデライード・フークがルーゴン、ついでマッカールという二人の男との間に子供をもうけた子や孫たちの運命を通して、その時代の全体像を浮かび上がらせるという仕掛である。(中略)──バルザック《人間喜劇》に対抗した、これらの濃密な物語は、様々な矛盾をかかえた現在日本の社会を占う上でも、きわめて有効な指針となるにちがいないのに、なぜかこれまで不遇をかこってきた。そこで一ファンとして腰を上げて、「偉大さと素朴さを持ち合わせた、心の底から倫理的な人間」(アナトール・フランス)の没後百年を期して、《ゾラ・セレクション》全十一巻、別巻一を刊行することにした。もちろん小説だけを収めるわけではない。美術批評家として、マネの《オランピア》の近代性を真っ先に指摘した文章も日本語となるし、ドレフュス事件関係の評論も当然紹介する。ぜひともお読みいただきたい。」
- 『朝日新聞』9/25 「文化」欄にて『時は流れて 日中関係秘史五十年』が紹介されました。
「戦後日中関係の「最良の語り部の一人」といわれる中国文化省元次官、劉徳有さんの回想録『時は流れて 日中関係秘史五十年』が出版された。(中略)東京都内で開かれた出版祝賀会では、作家の黒井千次さんが「言葉の仕事で重要な現場に立ち、記者としては取材し、政治にも携わり、その体験の豊富さが見事に結実している」とたたえた。」
- 『朝日新聞』夕刊 9/24「単眼複眼」欄にて、去る9/7に行なわれた
シンポジウム「21世紀・沖縄のグランドデザインを考える」についての記事が掲載されました。
「100年後を見据えた沖縄の将来像を描こうというシンポジウム「21世紀・沖縄のグランドデザインを考える」が7日、沖縄宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで開かれた。石垣島出身の松島泰勝・東海大学助教授(経済史)が、政府から財源や権限の委譲を受けた「沖縄州」をつくり、「西太平洋の海洋ネットワーク」で文化的・経済的発展を目指し、独自外交で平和を生み出してはどうか、と提起。参加者は日米安保や憲法改正で厳しい議論を展開した。」
- 『ポリマーダイジェスト』9月号 「ブックサロン」欄にて『時は流れて 日中関係秘史五十年』が紹介されました。
「本書の山場は、田中首相による日中国交回復までの経過である。さまざまな人たちの往還、その中で生じる見解の相違をそのつど乗り越えながら、田中訪中の歴史的瞬間に至る。本書は細かいやりとりまで記録しており、この歴史的な事業をやりとげた先人の努力に頭が下がる思いがする。歴史の証人としての著者の存在の意義は大きい。出会った人物の回想記も印象に残る。」【評者:矢口進也氏】
- 『日本経済新聞』9/15 「今を読み解く」欄にて『地球温暖化とアメリカの責任』が紹介されました。
「さがら邦夫『地球温暖化とアメリカの責任』は、世界の常識に背を向けるアメリカの責任を厳しく問い詰める。京都議定書を離脱したアメリカは、日EUの削減努力を上回るCO2の排出を続けるだろうし、発展途上国の排出量増加を加えれば、京都議定書の効果を相殺するどころか悪化させてしまう。資源搾取と物的繁栄を目指したアメリカ型文明からの離脱を訴える。」【評者:三橋規宏氏】
- 『日本経済新聞』 9/8 「書評」欄で、『時は流れて』が紹介されました【評者:山本勲氏(日本経済新聞論説委員)】
「新中国の誕生後、半世紀にわたり日中関係に従事してきた著者の長編回想録である。著者は中国政府の通訳、ジャーナリスト、高級官僚として、一九五〇年代前半から今日までの両国関係の重要場面に数多く立ち会ってきた。それだけに本書は中国側から見た、臨場感豊かな日中関係史ともなっている。(中略)著者はまた、毛沢東や周恩来が日本からの代表団と会見する際の通訳を数多く務めたが、本書ほど一九五〇─六〇年代の両指導者の発言を克明に再現したものはまれで、資料的価値も高い。「謝り続ける必要はない」という毛沢東の太っ腹な姿勢や、周恩来の誠意と情熱に満ちた対応が印象的だ。」
- 『聖教新聞』 8/28 「書窓」にて『新しい「日本のかたち」 外交・内政・文明戦略』が紹介されました。
「本年2月、都内である座談会が行われた。テーマは「日本のグランドデザイン」。参加者は武者小路公秀氏、川勝平太氏、姜尚中氏、榊原英資氏という錚々たる顔ぶれ。興味は津々である。(中略)各氏の言説は、それぞれが描くグランドデザインに裏打ちされている。議論を重ねる中で、日本型外交の限界、地方分権の重要性などが浮かび上ってくる。ごく身近な話題や社会問題などから議論が始まるので理解しやすい。それらを歴史的な軸と、世界的なスケールの中に位置付ける論客たちの構想力に学ぶべきものは多いはずだ。」
- 『朝日新聞』夕刊 8/28 「文化」欄 「私の選んだ3点」で、『環』vol.10「特集:満洲とは何だったのか』所収の高橋幸春氏の論文「満洲に送られた被差別部落」が紹介されました。【評者:杉田敦氏(法政大学教授)】
「高橋論文は、虐げられた人々が、新天地で中国人の開墾地を「奪った」経緯を解明する。国境を越えた差別の連鎖。」
- 『読売新聞』夕刊 8/28 「論壇」にて『環』vol.10「特集:満洲とは何だったのか』が紹介されました。
「季刊誌『環』夏号の特集「満洲とは何だったのか」も斬新な企画だった。この中で山室信一氏は、広く世界史の文脈から満州の意味を掘り下げている。氏が強調するのは、第一次世界大戦が満州に及ぼした衝撃、つまり同大戦後、日本の総力戦体制を支える戦略物資基地として位置付けられた満州の大きな変化である。また、ユダヤ人、白系ロシア人、ムスリムなどの移住者の視点、満州国が第二次世界大戦後の東アジアに及ぼした影響なども語られている。」
- 8/25「共同通信」配信(『福井新聞』『宮崎日日新聞』『徳島新聞』『琉球新報』『長崎新聞』)
各紙の「天文台」というコラムで\鶴見和子氏の業績が紹介されています。
「鶴見氏は、それぞれの社会(地域)の固有の可能性を追求する「内発的発展論」を唱えてきた。この自説を「命ある限りもうちょっと進めたい」と、十人の論者との「鶴見和子・対話まんだら」を企画。既刊の二冊では、作家の石牟礼道子氏、生物学者の中村桂子氏と、水俣病やアミニズムをめぐって語りあった。
- 『朝日新聞』8/18 日中復交30年記念の連載記事「隣人と」(第二部第7回)で、『時は流れて 日中関係秘史五十年』の著者、劉徳有氏が大きく紹介されました。
- 『朝日新聞』8/16 「書評」欄にて『風景と人間』が紹介されました。【評者:外岡秀俊氏(朝日新聞編集委員)】
「「風景』とは何か。著者によると、それは人が感覚によって空間を検証し、文化によって解釈するシステムである。同じ地形であっても、ある時代の人は風景に神話を読み取り、別の時代の人間は浸食作用の結果を見る。(中略)著者は丹念に「感性の歴史学」を積み上げてきた。「風景の歴史学」はその集大成であり、個々の仕事は、いずれ築かれる壮大な建造物の石垣だったことがわかる。」
- 『西日本新聞』8/15 「春秋」欄にて『竹内浩三全作品集 日本が見えない』が大きく紹介されました。
「竹内浩三の詩に打たれる人が、深く静かに増えている。一兵卒として、戦争のむなしさを自分の言葉で平易に、けれども鋭く、愛読本の余白などに書き残した言霊が、現代の日本をも撃ち続けている。」」
- 『読売新聞』8/11 「書評」欄にて『地球温暖化とアメリカの責任』が紹介されました。
「地球環境の現状と課題を、最新データを駆使し、まとめた有意の書。(中略)排出量取引などを徹底検証し、アメリカの責任を問い、大量消費文明から生態系、環境を守る生命中心の文明へ転換を促す。」
- 『日本経済新聞』8/4 「今を読み解く」欄にて『環』vol.10「特集:満洲とは何だったのか」が紹介されました。
「日本が中国東北部に傀儡国家として打ち立てた「満州国」は、一九三二年に建国宣言を行っているから、今年は「満州国建国七十周年に当たる。そのためか「満州国」の歴史の見直しや、その功罪や評価をめぐっての議論がこのところ盛んだ。(中略)『環』二〇〇二年夏号の特集号において山室氏は「満洲・満洲国をいかに捉えるべきか」という問題設定を行い、さまざまな可能性を孕んだ思想的・文化的空間として「満州国」を捉えるという魅力的な観点を提出している。」【評者:川村湊氏】
- 『毎日新聞』 7/31 「書評」欄にて『環』vol.10「特集:満洲とは何だったのか」が紹介されました。
「山室信一は、満州と満州国についてやはり新たなコンテクストを提示する。満州にとっての第一次世界大戦の決定的意味、アヘンを媒介とする戦後日本政治への影響、擬似亡命空間やアジール(無縁所)としての満州国の可能性など、山室は時空を超え、国際的に解放されたコンテクストから、改めて満州国の今日的意義を探り出す。」【評者:御厨貴氏・政策研究大学院教授】
- 『読売新聞』 7/28 「書評」欄にて『風景と人間』が紹介されました。
「わたしたちが日頃風景と呼ぶものの本質は何なのか。歴史学者のコルバンが歴史観や人間の感覚・感性などあらゆる視点を総合することによって新鮮な風景論を展開する。…現代にふさわしい動的な風景論の誕生。」【評者:福原義春氏(資生堂名誉会長)】
- 『週刊新潮』 7/25号 「ブックス」欄にて『風景と人間』が紹介されました。
「風景は見られるものであると同時に読み解かれるもの、という主張が、自転車や鉄道などの発達に即して丁寧に展開される。豊富な図版も本書の魅力になっている。」
- 『朝日新聞』夕刊 7/23 「夕陽妄語」で加藤周一氏が『日本仏教曼荼羅』を大きくご紹介して下さいました。
「フランク教授の著書には以前にも、「夕陽妄語」で触れたことがある。今再び同じ著者の仕事について書くのは、その日本仏教に関する論文を集めた仏蘭久淳子訳『日本仏教曼荼羅』が最近刊行されたからであり、その本は一度開けば措くことができないほど面白いからであり、私の読後の感想は限りないからである。」
- 『日本経済新聞』7/21 「読書」欄にて『時代の転換点に立つ』が紹介されました。
「テーマは米国の覇権主義、グローバリゼーション、現代の戦争と多岐にわたる。評論であると同時にコラムとしても読め、翻訳もこなれている。いずれも精緻な国際情勢分析でしられている著者ならではの特質が表れており、時には冷酷と呼びたいほど公平な判断を示している。」
- 『婦人公論』7/7 「BOOK」欄にて『鶴見和子・対話まんだら 言葉果つるところ 石牟礼道子の巻』が紹介されました。
「現在84歳の社会学者・鶴見和子氏が、半身不随の身体に鞭打って渾身の新シリーズを上梓した。1冊ひとりをコンセプトに、各界を代表するゲストと縦横無尽に語り合う対話集、全10巻。」
- 『琉球新報』6/30 書評欄にて『沖縄島嶼経済史 十二世紀から現在まで』が紹介されました。【評者:仲地博・琉球大学教授】
「本書のキーワードは、表題になっている沖縄、島嶼、経済、歴史であることは当然であるが、付け加えてその根底にある文化であり、さらにその目的となっている自立である。この六つのキーワードが混然として一体となり本書が紡ぎ出されている。(中略)沖縄の内外、古今東西に及び、それを一冊にまとめた著者の博識、構想力は非凡である。」
- 『毎日新聞』6/30 「文化という劇場」欄にて学芸総合誌『環』vol.9「21世紀・日本のグランド・デザイン」が紹介されました。
「藤原書店の学芸総合誌『環』第9号に、<出版の未来と総合雑誌の役割>と題する粕谷一希さんのインタビューが載っている。最近の雑誌は個別政策の技術論に傾きすぎ、堂々めぐりに陥っているのではないか。そんなことを感じていたので興味深く読んだ。」
- 『日本経済新聞新聞』6/30 書評欄にて『言語都市・パリ』が紹介されました。
「なぜ日本人はパリにあこがれてきたのか。西園寺公望、永井荷風、島崎藤村、林芙美子、高浜虚子ら明治以降パリを訪れた日本人三十一人の作品などを通じて、和田東洋大教授ら五人の研究グループが、近代パリ像の成立過程を追った。」
- 『読売新聞』6/30 「書評」欄にて『日本仏教曼荼羅』が紹介されました。【評者:伊藤俊治氏】
「古代と現代、抽象と具象、理論と実践の間をかろやかに行き来するフランクの知の運動は生き生きとして、とても魅力的だ。現在の背後に驚くべき過去の真実を掘り起こそうとする彼の精緻でダイナミックな手法は本書の多くの論考に稲妻のような垂直的な光を走らせている。私たちはそこに人文科学全体を再発火させる意味深いインスピレーションの源を発見できるだろう。」
- 『エコノミスト』7/2号 「Book Review」欄にて榊原英資氏が学芸総合誌・季刊『環』、別冊『環』4『イスラームとは何か 「世界史」の視点から』を紹介されました。
「『世界』や『中央公論』といった総合雑誌がかつての輝きを失い、その性格を大きく変えてきているなかで、季刊『環』は学芸総合誌として重要な役割を果たしはじめている。(中略)この5月に出された『環』の別冊4『イスラームとは何か』は、イスラームを「世界史」の視点から分析してみせてくれる。評者のようにイスラームに関して全くの素人が読んでも極めて興味深い。」
- 『公明新聞』6/23 「書評」欄にて『鶴見和子・対話まんだら 言葉果つるところ 石牟礼道子の巻』が紹介されました。
「鶴見和子は、柳田国男や南方熊楠を社会科学の視点から縦横に読み解いた研究や水俣病調査で知られるが、年を経た最近の生き方自体に彼女の思想の少しも枯れない“凄み”を見る人は多いだろう。」
- 『日本経済新聞』6/23 「今を読み解く」欄にて『市場独裁主義批判』が紹介されました。【評者:梶田孝道氏(一橋大教授)】
「極右躍進の背景にあるのは、グローバル化であり、EU統合である。今年一月亡くなった著名な社会学者ブルデューは、『市場独裁主義批判』でグローバリズムの結果生じている不安定就労、失業者、非正規移民、ホームレスの問題を指摘し、反グローバリズムの社会運動の先頭に立ってきた。」
- 『毎日新聞』6/23 「本と出会う―批評と紹介」欄にて『マルクスの遺産』が紹介されました。【評者:中村達也氏】
「本書に収められている対談の中で、藤田省三氏が語っている台詞「体系をつくると継ぎ目の部分にウソが入る。その点で正直でなくなる」。これは、筆者のスタンスでもある。本書には、一九七五年から現在までの、二〇近い文章が収録されているが、筆者はそれらを、無理に一つの体系として整合化したり正当化したりしない。自らを真理の高みに置いて、他のあらゆる立場を告発する「思想の文体」を好まないからである。」
- 『毎日新聞』6/23 「この人・この3冊」のコーナーで二宮宏之氏がアラン・コルバンの著作を多数紹介して下さいました。
「断固として「わが道を行く」歴史家コルバンは、一作ごとに、ぼくらの予想を超える新しい切り口で歴史の深層に迫り、歴史家の通念を次々とくつがえしてきた。ここでは比較的新しく日本語訳が出た三点をとりあげるが、歴史の実態はこれだとばかりに断定してはばからない教科書風の歴史記述にうんざりした読者にとって、問いかけと謎解きにみちたコルバンの歴史叙述は、どれほど新鮮に映ることか。」
『音の風景』
『人喰いの村』
『記録を残さなかった男の歴史』
『においの歴史』
『感性の歴史家 アラン・コルバン』
- 『毎日新聞』夕刊 6/21
『バルザック「人間喜劇」セレクション』の完結が記事として大きく掲載されました。【記者:有本忠浩氏】
「フランスの文豪に新しい角度から光をあてた『バルザック「人間喜劇」セレクション』(藤原書店刊、全13巻、別巻2)が完結した。人間の諸相を描いたバルザック(1799〜1850)の作品群が「欲望」をキーワードに編集され、軽快な日本語でよみがえった。」
- 『聖教新聞』 6/12書評欄にて『鶴見和子・対話まんだら 言葉果つるところ 石牟礼道子の巻』が紹介されています。
「歌と言葉について、さらに言葉以前のところで「息づきあう」世界、国境を越えるアニミズム、民衆の信仰について等、話が弾む。いずれも存在の根源に迫る内容で、二人の人生と思索の奥行きの深さに胸打たれる。」
- 『日本経済新聞』 6/9書評欄にて『大反転する世界』が紹介されています。【評者:山田鋭夫氏】
「何がどう「大反転」するのだろうか。そんな思いに誘われて読みすすむと、著者のまことに懐深い歴史意識と鋭利な現代感覚に魅せられてくる。」
- 『朝日新聞』 6/9書評欄にて『大反転する世界』が紹介されています。【評者:清水克雄氏】
「「世界の解体を防ぐという大仕事」が自らの世代の責務だと強調する気迫にも圧倒される。器用に政治や経済を解釈してみせる専門家が多い中で、久々に知識人らしい怒りに出会った気がした。」
- 『信濃毎日新聞』 6/2「書評欄」
森岡正博さんが『鶴見和子・対話まんだら 言葉果つるところ 石牟礼道子の巻』を紹介。
「読んでいて、心が洗われる思いがする。対話は決して過去へと沈潜するものとはならない。二人のまなざしは、かならずしも明るくはない未来へと、しっかりと向けられている。そして、二人が、自分の人生を自己肯定しているその息吹が、読むものにじわじわと伝わってくる。」
- 『朝日新聞』 6/2「本屋さんに行こう」のコーナーで三浦雅士さんが『女の歴史』を「今日のお買い上げ」として選択。
「フェミニズムはウーマン・リブ、やがてゲイ・リブを導き、性にまつわる社会的抑圧の解放に貢献した。だけど最近のフェミニストの著述って狭い領域にはまりこみ過ぎてはいないか。僕はもう少し考古学的、文化史的な切り口でジェンダーの問題を見ていきたい。」
- 『エコノミスト』 6/11号「歴史書の棚」のコーナーで
『沈黙と抵抗 ある知識人の生涯、評伝・住谷悦治』が紹介されています。【評者:加藤哲郎氏 一橋大学院教授】
「「公的アウトサイダー」としての住谷の社会参加に惹かれ、言論弾圧に対する「沈黙」という抵抗形態に着目するのが、よかれあしかれ今日的である。」
- 『朝日新聞』夕刊 5/30「私が選んだ3点」
『環』vol.9所収の陣内秀信氏の論文『魅力ある都市をつくろう』が紹介されています。【評者:原武史氏 明治学院大学教授】
「陣内は、社会科学といえども、場所や都市と切り離して物事を論じることができるのかという重大な疑問を投げかける。」
- 『日本経済新聞』5/26書評欄にて『沖縄島嶼経済史』が紹介されています。
「本書は、十二世紀の琉球王国時代から現代まで、絶えず外部の力に支配されてきた沖縄の歴史を掘り下げた「島嶼経済史」でありながら、日本政治史、アジア史の広がりも持つ。」
- 『読売新聞』5/26「読書」欄にて『鶴見和子対話まんだら 言葉果つるところ 石牟礼道子の巻』が紹介されています。(評者:橋本五郎氏)
「「水俣」を通して人間存在の原初的な姿、生きることの根源的なあり方を問い続ける二人の対話は、心の最深部から発する「魂の叫び」のように聞える。」
- 『毎日新聞』5/19「今週の本棚」欄にて『言語都市・パリ』が紹介されています。(評者:日高普氏)
「日本人にとって、特に日本の芸術青年にとってパリは憧れの都市であった。多くの著名な芸術家はパリに来て何を感じたのか。大まかに言えば似ていても、一人一人皆違うのは当然であろう。本書は三十一人の著名人を上げ、一人ずつ「言語によるパリ」を述べるのである。(中略)パリに立ち向うさまざまな日本人たちを一望することで、読者自身が「言語都市・パリ」を味わうことができるのではないか。」
- 『読売新聞』5/19の「読書」欄にて『マルクスの遺産』が紹介されています。(評者:竹内佐和子氏)
「著者は「マルクス主義の伴走者」であり、フランスで複雑系経済学に傾倒し、現在はベンチャー企業の育成に力を注ぐ。この三つのキーワードの間をどう埋めるか。そのパズルを解くのがこの本である。難解ではあるがヒンとは随所にある。」
- 『京都新聞』5/19の「読書」欄にて『マルクスの遺産』が紹介されています。(評者:八木紀一郎氏)
「本書の価値は、むしろ「マルクス主義の伴走者」でありながら、「負の遺産」からも学ぶことのできた自由な精神を記録したことにあるだろう。」
- 『沖縄タイムス』5/18書評欄
『沖縄島嶼経済史』が紹介(評者:嘉数啓氏 日本大学教授)
「若手研究者による骨太の本が最近相次いで出版されている。島嶼経済の本質を内発的発展論に依拠して壮大な歴史ドラマに」仕上げた本書もその一つである。」
- 『読売新聞』5/12の「読書」欄にて『言語都市・パリ』が紹介されています。(評者:福原義春氏)
「竹内下野守を正使とする文久遣欧使節団がパリを訪問したのは一八六二年のことであった。ナポレオン三世の第二帝政の下で、オスマンによる近代都市計画がほぼ完成し、この五年後には第二回パリ万国博覧会が開かれている。以後日本ではパリが西欧の象徴のようなイメージがつくられ、自由な社会と芸術文化に対する憧れが澎湃としてふくらむ。
それからどれほどの日本人がさまざまな目的や動機でこの遥かな夢の都を訪れたことか。しかしその多くは挫折感に襲われ、抱いていた思いとの距離の大きさに悩んだ。
その人たちを代表するように永井荷風、大杉栄、金子光晴、横光利一、藤田嗣治ら三十一人がパリの生活で何を感じ、どのような言語でパリを表現したかを詳らかにする労作である。それが本書の表題の持つ意味であろう。」
- 『毎日新聞』5/5、「今週の本棚」
「バルザック「人間喜劇」セレクション」 第三巻 『十三人組物語』が丸谷才一氏によって紹介されています。
「活字によって単色刷りされた言葉のつらなりは、かえって強く読者の想像力を参加させることができる。活字ジャーナリズムの子であるバルザックは、この媒体の機能と力をよく知っていた。
彼の書き方はごった煮めいていて、雑学的考察やモラリスト的ジャーナリズムが無遠慮にまじるので有名だが、女性論でも、恋愛論でも、パリ論でも、退屈したら飛ばし読みすればいい、ちょうど箴言めいた箇所に感銘を受けたら再読三読するのと同じように、と思っていたに相違ない。それが彼自身の読書法だったはずである。もともとその手がきくのが書物という媒体の都合のいい所だし、また小説という不純で自由な形式の特性だった。」
- 『文藝春秋』5月号、「Face」のコーナーで鶴見和子さんが取りあげられ、小社から刊行の著作集『鶴見和子曼荼羅』が紹介されています。
「国際的評価も高い社会学者は、平成七年、突然の脳内出血に倒れた。左半身麻痺。リハビリを続けている現在も、常時手足には激痛が走り、左目は眼球運動ができない。書物の読み書きにはかなりの疲労を伴うが、驚くべき旺盛な活動を続けている。…倒れてから著作集(藤原書店)を刊行し、第70回朝日賞を受賞。身体的障害をもってなお、明るい笑い声をよくたてて、頭脳と精神は自在に自身の宇宙を駆け巡る。」
- 『赤旗』4/29 書評欄にて「バルザック『人間喜劇』セレクション」の完結が紹介されています。
「バルザックの長短九十一編の小説群「人間喜劇」から、「現在読んでも面白い作品」を新訳で編んだ「バルザック『人間喜劇』セレクション」が、第十三巻『十三人組物語』で完結しました。(中略)エンゲルスの「リアリズムの最大の勝利のひとつ」(M・ハークネスへの手紙、全集三十七巻)の評価と直接に関係する『幻滅』も第四・五巻に収録。第七巻『金融小説名篇集』の巻末対談で編者の鹿島茂氏は「マルクスにとって彼(バルザック)の作品は、ブルジョワジーの社会を学ぶ教科書であったわけです」と述べています。」
- 『毎日新聞』4/26 「余録」欄にて『鶴見和子・対話まんだら 石牟礼道子の巻 言葉果つるところ 』が紹介されています。
「鶴見さんは柳田国男氏から二つの言葉の違いを聞いた。昔の国定教科書の「お父さま、お母さま、おはようございます」が四角い言葉、普通の人々が話しているのは丸い言葉。先生は四角い言葉でものを言っていて、普通の人の言葉で考えていない。丸い言葉を四角い言葉に置き換え、四角い言葉を丸い言葉に置き換える作業が必要だと鶴見さんが言っている。」
- 『週刊文春』4/25日号 「私の読書日記」欄にて『言語都市・パリ』が紹介されています。(評者:鹿島茂氏)
「「日本が近代のパリを憧憬したのに対して、パリは近代以前の日本を憧憬した」というテーゼも新味はないが、古書収集の規模が、これまでの同種の試みとは比較にならないくらい徹底したものなので、思いもかけない人物のパリ体験談が拾われていて、興味がつきない。」
- 4/17 『東京新聞』「筆洗」欄
『機』2001年五月号に掲載された広松伝さんの「有明海問題の真相」が紹介されています。(この論文は『よみがえれ!“宝の海”有明海』に収録されています。)
「福岡県柳川市の一職員として、名物の水郷を汚濁から再生させた広松伝さんは四十年間、目前の有明海を見てきてこう言う。ノリ被害は、まず三十年前に起きた。有明炭坑の排出水が海水の塩分濃度を下げてしまった。地盤沈下も起き、干潟が水没した。次は二十年前。今度はノリ業者たちが、ノリに付く病原菌退治のため海の殺菌を始めた。使った酸が多すぎて、貝類や海底微生物が受傷した。死にかけた海には、栄養として化学肥料の硫安が投下された。結果は、プランクトンの大量発生と近年のノリ不作だった。」
- 4/7 『毎日新聞』の「本と出会う―批評と紹介」欄にて『バルザック「人間喜劇」セレクション』完結の記事が掲載されています。
「このシリーズは時代を射抜く透徹した目を持ったジャーナリストとしての側面から文豪バルザックの再評価を試み、約90篇からなる「人間喜劇」の中から、主にパリを舞台にした10作品を選んだ企画だ。」
- 4/7 『日本経済新聞』「読書」欄
『グローバル・ヒストリーに向けて』
「編者の川勝氏は、アジアにおける日本の役割やアジア経済圏の問題を「グローバル・ヒストリー(地球史)」という視点から問い直す。西洋中心の「世界史」の呪縛から逃れ、二十一世紀を考える手がかりにもなる。」
- 4/1の『朝日新聞』書評欄で『言語都市・パリ 1862-1945』が大きく紹介されています。(評者:朝日新聞編集委員 清水克雄氏)
「「言語都市」とは難解な言い回しだが、言語で描かれた都市のこと。パリの土を踏んだ近代の日本人が体験をどう言葉に残したかを、膨大な本や雑誌資料から検証した大著だ。…本書に登場するのは第2次大戦までの話だが、こうして見ると、半世紀以上を経て事態はどれだけ変わったのだろうかとも思う。現代にも射程が届く、優れた日本人論のテキストと言えそうだ。」
- 『週刊読書人』 3/29号
川上勉著『ヴィシー政府と「国民革命」』についての評論が掲載されています。(評者:渡辺和行 奈良女子大学教授)
「本書の価値は、ヴィシー政府が掲げた国民革命の「イデオロギー的意味」を論じ、今後の研究の指針を示したことにある。…国民革命とは、帰化の見直しや国籍(国民性)条項の強化、宗教教育の導入など、ナショナル・アイデンティティの法制化であった。こうしたヴィシーの国民化政策が「非国民」の排除をもたらしたのである。国民革命論が国民国家論との接点を見出すのはここだ。以上、著者のモチーフを敷衍して分かることは、今後の国民革命論は本書第四章の視点を出発点とすべきだということである。」
- 『週刊エコノミスト』 3/26号
「歴史書の棚」のコーナーで、E・ル=ロワ=ラデュリの『新しい歴史』が紹介されています。(評者:本村凌二氏 東京大学教授)
「まず、ある年について葡萄酒がうまいという記録があれば、その夏は暑かったと考えることができる。そのような記録を、修道院などに残された古文書から集計し、数世紀にわたる時系列グラフが作成される。ル・ロワ・ラデュリ『新しい歴史』は、人間の生活をとりまく環境をさまざまな手法によって解明し、生々しい歴史の生態を再現する試みを伝えてくれる。」
- 3/24の『埼玉新聞』書評欄で『戦後文壇畸人列伝』が紹介されています。(評者:松本鶴雄氏)
「本書はただの回想録ではない。各人ごとの生い立ちから始まって代表作を中心に論ずる本格的な作家論である。と同時に、独特の視点を持った戦後文学論、あるいは戦後日本論だ。」
- 3/18の『赤旗』「書評」欄にて岡部伊都子さんの『賀茂川日記』が紹介されています。
「四十年の間に幾度となく訪れ、ある時は涙さえ流しながら対面した室生寺五重塔に寄せる思いなど、著者の暮らす賀茂川のほとりからタイトルはとられています。長年にわたる沖縄のハンセン病患者との交流、「小泉政権」への厳しい視線、異文化を尊ぶ新世紀への期待など、「言葉は心です。魂です」という著者のみずみずしさ、力強さのあふれるエッセー集です。」
- 3/16『日本経済新聞』「文化」欄
『バルザック「人間喜劇」セレクション』の完結が大きく紹介されています。(評者:浦田憲治氏)
「バルザック、ユゴー、ゾラの19世紀フランス社会小説に脚光が当っている。一九九九年のバルザック生誕二百年に続き、今年はユゴーの生誕二百年、ゾラの没後百年。本国だけでなく、日本でも読み直しの機運が高まってきている。「日本社会もようやくバルザックを理解できるまでに成熟してきた!」という触れ込みで藤原書店が刊行中の『バルザック「人間喜劇」セレクション』(全13巻・別巻2)が三月末に完結する。『人間喜劇』から、『ペール・ゴリオ(ゴリオ爺さん)』『幻滅』などのパリを舞台にした都市小説十篇を選び、新訳で送り出している。」
- 3/15『朝日新聞』夕刊「文化」欄
『ホモ・アカデミクス』『構造と実践』の訳者である石崎晴己氏(青山学院大学教授)が、ピエール・ブルデューの業績を回顧した追悼文を寄せています。
<社会学者ブルデューが遺したもの――階層分析に「文化」を組み込む>
「近年、ブルデューは政治的活動を強め、痛烈な社会批判を展開し、フランス国内の社会運動の結集点となったばかりか、「ヨーロッパ社会運動協議会」を組織するなど、グローバル化に対抗する国際的社会運動をリードして来た。その主張と行動は日本の読者にも多くの示唆を与えるものと思われるが、ここではやはり、社会学から発しておよそ人間社会のあらゆる分野に及ぶ領域横断的な、彼の学者としての業績を優先すべきだろう。」
- 2/21『東京新聞』夕刊「書物の森を散歩する」欄
小社1月刊『戦後文壇畸人列伝』の著者、石田健夫さんが「自著を語る」のコーナーに登場しています。
「戦後文壇の畸人列伝とでもいうべきものをまとめたい、と思っていた。友人にもそう言って何人かの作家の名前を挙げたら、その中のだれやかれやについて「彼は変人じゃないよ」とたちまちクレームがついた。畸人―奇人―変人という、この言葉についての一般的な通念が、そこにはあったのだと思う。
私が考えたのは、そのような枠組に入らない作家。人間としてマトモであるために、変人扱いされる人間、そういう人をこそ畸人というべきではないか…。本書に登場するのは、…そのような時流に棹ささず、時代の根底の部分で戦後の精神を支えた作家たち十二人が中心。すなわち埴谷雄高、広津和郎、深沢七郎、阿部公房、中野重治、保田與重郎、大岡昇平、中村真一郎、野間宏、吉行淳之介などなどの、いわば“タマシイの記録”である。」
- 2/15『東京新聞』「文化」欄
『ピエール・ブルデュー来日記念講演2000 新しい社会運動−ネオリベラリズムと新しい支配形態』の訳者である加藤晴久氏(恵泉女学園大教授)が先日亡くなったブルデューへの追悼文をよせています。
<厳密にして創造的な学者 ピエール・ブルデュー追悼>
「ブルデューの概念装置を使って仕事をしている研究者は世界各国にすでに数多くいる。しかし、彼の思想の全体像を解明するにはまだ数十年はかかるだろう。…ブルデューは科学的方法の厳密性と芸術の創造性を融合できた学者、比類ない理論的教養と倦むことのない貪欲な探究心とを兼ね備えた学者であった」」
- 2/3「時事通信」配信(『中国新聞』『沖縄タイムス』『山陰新聞』『北日本新聞』『山梨日日新聞』『東奥日報』『京都新聞』『岐阜新聞』『新潟日報』『神戸新聞』『佐賀新聞』)
『近親性交とそのタブー』が紹介されています。(評者=東嶋和子氏)
「装丁の白いカバーに浮かぶ「近親性交」の黒い文字。内臓をわしづかみにされるような不快感がこみ上げる。家族の目にふれるダイニングテーブルに置くのはよそう。このいいようのない感情はどこからくるのだろう。
編者の文化人類学者、川田順三氏はそれを「身近な問題であり、ヒトという生物のあり方の根源にかかわる問題として」提起した。」
- 2/3『朝日新聞』「文化」欄
作家の高村薫さんが【雑記帳十二ヵ月】のコーナーで、野間宏の『作家の戦中日記 1932-45』を紹介しています。高村氏は1/13日にも同じコーナーで本書を紹介されています。
「年初に読んだ三高時代の野間宏の日記には、進学については「京大に行くこと」という一言しか記されていない。受験勉強に費やされたはずの少なからぬ時間の傍らで、青年の頭は文学や社会についての思索と恋の悩みに占領されており、進学のための勉強など、元より意識するに値しないとして排除されたかのようだ。」
- 2/3『毎日新聞』「書評」欄
今村仁司さんが【この人・この三冊】のコーナーでピエール・ブルデューの業績を回顧しながら『再生産』『ディスタンクシオン』『ハイデガーの政治的存在論』を紹介しています。
- 2/3『日本経済新聞』「今を読み解く」欄
「逆風に挑む地域経済」というテーマで、下平尾勲『構造改革下の地域振興』が紹介されています。(評者=中西晴史氏)
「下平尾勲は『構造改革下の地域振興』で地方の倒産や失業を助長するデフレ下の構造改革一辺倒に疑問を投げかけつつ、地域一丸となった産業・地域文化の育成などを実例も含めて紹介する。」
- 2/3『赤旗』文化欄
『竹内浩三全作品集 日本が見えない』が大きく紹介されています。
「詩人竹内浩三の名を知ったのは二十年も前、「骨のうたう」に出くわしてだった。「戦死やあわれ/兵隊の死ぬるや あわれ/遠い異国で ひょんと死ぬるや」で始まるその詩は一編だけで十分衝撃的だった。…白い箱で返ってきて骨の見たものは、「がらがらどんどんと事務と常識が流れ/故国は発展にいそがしかった」という光景。戦死とは、戦争とは、戦後の日本とは、と重層的に問いかけてやまなかった。」
- 2/3『毎日新聞』「文化という劇場」欄
『環』第8号所収の姜尚中氏・C.グラック氏・和田春樹氏による鼎談、「戦後の「日米関係」を再考する」、我部政明氏の論文「沖縄から見た日米安保」が紹介されています。(評者=岸俊光氏)
「季刊誌『環』vol.8は歴史、憲法、経済など多数の論文をそろえ、日米関係の“仕切り直し”を試みている。中でも、キャロル・グラック、コロンビア大教授らの鼎談や、我部政明琉球大教授の<沖縄から見た日米安保>などが目についた。」
- 2/1『赤旗』「潮流」欄
『環』第8号所収のP・ブルデュー「アメリカという例外はない」が紹介されています。
「ブルデュー氏によれば、いまのアメリカは、自分を他国と同等と考えずに覇権を唱える「例外」の国です。ブッシュ米大統領の一般教書演説は、例外国家の理屈をみせつけます」
- 2/1『読売新聞』「書評」欄
『竹内浩三全作品集 日本が見えない』が紹介されています。(評者=平田俊子氏)
「竹内浩三の詩、日記、マンガなどをまとめた七〇〇ページにおよぶこの本からは旺盛で健康的な創作意欲が伝わってくる。「蛾が/静かに障子の桟からおちたよ/死んだんだね」(『冬に死す』)「ぼくは一人で/がちんがちんとあるいた」(『雨』)という詩篇
が放つ、明るさでくるんだ寂しさはどうだろう。」
- 2月号『文藝春秋』
特集「鮮やかな日本人」にて、黒井千次氏が野間宏(『作家の戦中日記』)を、出久根達郎氏が竹内浩三(『竹内浩三全作品集 日本が見えない』)をあげています。
野間宏「野間宏という作家の体内には、分析を越える綜合を志すより他にどうすることも出来ぬ熱い課題が内圧を高めていたのだ、と考えぬわけにいかない。大学卒業後の部落解放運動への関りも、戦後の政治活動や文化活動、更には環境問題への接近も、すべて人間を綜合的に捉えようとする営為の現れであった、といえよう」
竹内浩三「彼は愛嬌を失わなかった。これが尊いのである。声高に、反戦を叫んだのではない。見たままを当り前の言葉で記した。多少独特なのは、漫画を描くつもりで書きつけたことである。(…)漫画を喜ばない人は、子供の心を失った哀れな人だ、と中学時代に書いている」
- 2月号『LEE』「今年は環境家計簿をつけてみよう!」欄
『だれでもできる環境家計簿』と、著者の本間都さんが大きく紹介されています。
「わが家の家計と地球環境が密接にかかわっていると知っていますか? 今、大きな問題になっている地球の温暖化を防ぐために暮らしの中でできることが、家計の節約にも目覚ましい効果あり。環境家計簿は一石二鳥、21世紀の家計簿です!」
- 1/30『読売新聞』夕刊
文化欄に『ディスタンクシオン』『芸術の規則』の訳者、石井洋二郎氏がピエール・ブルデューへの追悼文を寄せています。
「ピエール・ブルデュー氏の訃報に接した瞬間、しばし言葉を失った。かねてから病気だとは聞いていたが、まさかこれほどにも死期が間近に迫っていようとは。バルトの事故死に始まって、ラカン、フーコー、アルチュセール、ドゥルーズ、レヴィナスと、二十世紀を代表する思考者たちがついに今世紀の訪れを目にすることなく次々と世を去った後、デリダとともに世紀を越え、フランスの、いや世界の言論界を牽引してきたブルデューの死は、まさに「思想家の時代」の終焉を告げる象徴的な出来事である。私にはそう思えてならない。」
- 1/31『朝日新聞』夕刊論壇時評「私が選んだ3点」欄
山田國廣氏の「『生活‐環境革命』宣言」(別冊『環』3『生活‐環境革命』所収)を、苅谷剛彦氏が挙げています。
「循環社会を提唱する山田は、忙しい人と失業者との労働の二極化にも言及し、環境に優しい分業のあり方、「仕事革命」を提唱する」
- 1/29号『エコノミスト』「新刊早読み」欄
川上勉氏の『ヴィシー政府と「国民革命」』が紹介されています。
「第二次大戦中、ドイツ占領下のフランスに四年間存在したヴィシー政府。「自由・平等・友愛」の理念を否定した「国民革命」とは何だったのか」
- 1/28『赤旗』「背表紙」欄
田中秀臣氏の『沈黙と抵抗 ある知識人の生涯、評伝・住谷悦治』の書評が掲載されています。(評者=「楚」氏)
「しぶといジャーナリズム精神は戦後の「夕刊京都」紙上でも。著者は思想的立場をこえて「住谷の生涯はまさにひとつの生きた思想とでもいうべきもの」と評価。没後十四年余、感銘をうけて読んだ一冊です」
- 1/27『朝日新聞』書評欄
『竹内浩三全作品集 日本が見えない』の、外岡秀俊氏による書評が掲載されています。
「50余年封印された彼の声は、今吹き過ぎた風のように新鮮だ。埋もれた詩が発掘されたのではない。時代がようやく詩人に追いついたのだ」
- 1/26『毎日新聞』「余録」欄
23日に亡くなったP・ブルデューの『メディア批判』が紹介されています。
「考える行為はたっぷりした時間と結びついている。テレビには、ファストフードならぬファストシンカーがまかり通っている。したがって、コミュニケーションはないとブルデュー氏は指摘する。外務省もあきれるほどコミュニケーション不在だ。テレビの見すぎだろう。」
- 1/27『読売新聞』生活家庭欄
鶴見和子さんのビデオ『回生 鶴見和子の遺言』が紹介されています。
「柳田国男や南方熊楠から受けた影響、水俣の漁師の聞き取り調査をした時の思い出、生い立ち、日本舞踊や短歌などの「道楽」などについて生き生きと語る映像が収録されている」
- 1/23『毎日新聞』「余録」欄
『環』第8号に収録のエンゲルス「アフガニスタン」が紹介されています。
「「アフガニスタン人は勇敢で独立心のある種族である。支配に対する不屈の憎悪、個人の独立に対する愛着、これだけが彼らが強大な国民になるのを妨げている」。エンゲルスが1857年、米百科事典のためにアフガニスタンについて書いた文章の一節である。読みたいと思っていたが、テキストのなかった「アフガニスタン」を季刊「環」冬号(藤原書店)でやっと読むことができた。145年前の記述とはとても思えない。
」
- 1/23『聖教新聞』書評欄
J・ミシュレの『人類の聖書』の書評が掲載されています。(評者=「柳」氏)
「本書は「宗教の歴史ではない」だけでなく、神話の研究でもない。あくまで、神話や宗教などを手がかりとしながら、アジアからヨーロッパにまたがる「人類の聖書」を、人間の精神と神々との照応で探ろうとしたものだ。その意味でもユダヤ・キリスト教でいうところの「聖書」とは全く異質である」
- 1/21『赤旗』書評欄
宮本憲一氏の『思い出の人々と』の、柴田徳衛氏による書評が掲載されています。
「本書を読むと、戦後大勢出たマルクス経済学者のうちには、教授の地位に安住し、抽象解釈学を弄び、地域住民が苦しむ住宅・交通難や、恐るべき公害を取り上げてくれなかった人がいたのではと思わさせられる」
- 1/19『東京・中日新聞』文化欄
鶴見和子さんのインタビューが大きく掲載され、『南方熊楠・萃点の思想』『歌集 回生』『コレクション鶴見和子曼荼羅』ビデオ『回生 鶴見和子の遺言』など一連の著作が紹介されています。(聞き手=稲葉千寿記者)
「萃点は出会いよ(…)あまねく栄養を交換する。だれかが与えるんじゃない。全部飲み込み吸収し合うのよ。私は出会った方たちの光を吸い込んで生きてきた。実にありがたい生涯であったと思いますよ」
- 1/17『朝日新聞』文化欄
『環』第8号の緊急特集「『9.11事件』以後、いま世界は」に寄稿しているJ・ボードリヤール氏が、インタビューで大きく紹介されています。(聞き手=編集委員・清水克雄氏)
「大きな変化はグローバル化への素朴な期待が失なわれてしまったことだろう。グローバル化は進むが、これからは見えない影につきまとわれ続けることになる。冷戦の時代には敵の姿が互いに見えたが、今度は敵対者と正面からは向き合えない。奇妙な不安の時代と言うべきだろう」
- 1/16『産経新聞』連載「新・赤ちゃん学」
ジャック・メレール氏と著書『赤ちゃんは知っている』が紹介されています。
「赤ちゃんが母国語以外の言語を獲得する過程、つまりどの時期に、どんな刺激を与えれば効果的に学習できるかについて、意欲的に研究している。イギリスや米国などで研究を続け、乳幼児の認知行動、言語獲得過程を紹介した集大成(…)、『赤ちゃんは知っている』のタイトルで平成9年に翻訳されている」
- 1/13『朝日新聞』文化欄
野間宏の『作家の戦中日記』を、高村薫さんが大きく紹介しています。
「年初に若き野間宏の日記を読む。後世に残す意図はなかったという意味でまさに一個人の日記だが、そこにはすでに「書く」とはいかなることかを知っている未来の作家がいる。(…)記録することが問題なのではなく、とにかく書くことだという野間の声が聞こえてくる」
- 1/11『朝日新聞』「天声人語」欄
全体が詩人・竹内浩三の紹介に充てられ、『竹内浩三全作品集 日本が見えない』が大きく紹介されています。
「こんな詩がひょっくり出てきたとして、いったいいつの時代のことをうたったのだろう、と思われることか。その詩はこう始まる。〈この空気/この音/オレは日本に帰ってきた/帰ってきた/オレの日本に帰ってきた/でも/オレには日本が見えない〉。題して「日本が見えない」。昨年、ニューヨークであの事件を経験して帰国したKさんが同じような感想をもらしていた。アフガニスタンで難民救援をし、一時帰国したIさんの実感かもしれない。そう考えても不思議ではないのだが、実は、ずっとずっと前の詩だ。」
- 1/6『西日本新聞』読書欄
竹内浩三全作品集『日本が見えない』の、吉田文憲氏による書評が掲載されています。
「このたび二度目の全集編纂の過程で、竹内の学生時代のドイツ語教科書の余白に書かれていた「日本が見えない」他の新しい詩が見つかった。(…)この詩のむこうには、アフガン空爆が見える。そこで連日の爆撃に打ち震えている無数の骨の、逃げまどう多くの人々の生命の叫びがある。(…)この全集一巻は、戦塵と化した骨の位置からの、人間の貴重な発信記録である」
- 1/6『毎日新聞』書評欄
中村桂子氏による『竹内浩三全作品集 日本が見えない』の書評が掲載されています。
「戦いの場だけでなく日常の中でも理不尽に生命が失なわれる時に暮らしながらそれをどうすることもできないでいる私たちは、この若者の言葉を聞くだけでなく自分の言葉を探すこともしなければいけないと思う」
- 1/5『朝日新聞』社説「今日より明日を 4」
鶴見和子さんのことばと歌が紹介されています。
「「異なるもの同士が、異なるままに支え合い、補い合い、ともに生きられる方法を探る。それぞれの地域が異なる形で発展する「内発的発展」をさらに追求したい」と語るのは鶴見さんである」
- 1/3『朝日新聞』特集「文明を問う」
「論議呼んだ7つの論考」の1点として、イマニュエル・ウォーラーステインの『アフター・リベラリズム』が紹介されています。
「冷戦終結と同時に資本主義が力を失うという説は、奇異な印象を与えるが、ソ連をはじめ社会主義国は広い意味でアメリカを補完する帝国主義勢力と位置づけてきた著者は、二十世紀後半を資本主義経済の最盛期ととらえ、今後はその内部矛盾が激しくなると見る」
- 1/1『朝日新聞』
作家の石牟礼道子さんが2001年度の朝日賞を受賞されました。小社より、今年から著作集を刊行の予定です。
「力を振り絞って、『苦海浄土』と『天の魚』をつなぐ苦海浄土第2部の執筆を続ける。「1月末までに原稿を仕上げたい。名前は『葦の舟』がいいかなと」 第2部の完成を待って著作集の刊行が始まる」
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